概要
リリカルなのはシリーズ第4期・「魔法戦記リリカルなのはForce」の主人公。
同シリーズ初にして唯一の男性主人公ということで、発表された当時は注目を集めた。
ゲームに出演した際には、梶裕貴が担当声優を務めている。
過去に自らが巻き込まれた事件について、自分なりの答えを見つけるために、世界を旅する冒険家。
ルヴェラの鉱山遺跡において、リリィ・シュトロゼックを保護したことにより、禁断の兵器・エクリプスを巡る、一連の事件に巻き込まれることになる。
※以下の文は重大なネタバレを含みます。リリカルなのはシリーズを未見の方はご注意ください。
来歴
第3世界ヴァイゼンの鉱山町出身。貧しいながらもそこそこに充実した日々を送っていたが、ある時起きた事故で町が壊滅し、天涯孤独の身となってしまう。
その時見かけた「藍色の羽根の刺青の男女」を、事故を起こした犯人だと思い込み、しばらくはそのまま山に籠って、復讐のために自らを鍛えていたのだが、「スゥちゃん」ことスバル・ナカジマとの出会いをきっかけに、保護施設に入ることになる。
施設を出た後はナカジマ家に来ないかと誘われていたトーマだったが、過去の事故に踏ん切りをつけるために、ひとまずは世界を旅して回ることを選択する。この旅が終わるまで残り3ヶ月となった日に、ルヴェラ鉱山遺跡に立ち寄ったことから、Forceの物語が始まることになる。
人物
容姿
髪は茶髪のショート。中央から一本のアホ毛が伸びているのが特徴。リアクト状態になった際には、髪色が銀に変化する。
瞳の色は普段は青色。同じくリアクトによって赤色に変化するが、状態の安定度合いによって、赤色は薄れていくらしい。
性格
さっぱりとした好青年。真面目で面倒見がいいが、スバルが言うには、「ちょっとやんちゃなところもある」とのこと。
恩人であり、姉貴分でもあるスバルの影響を大きく受けており、助けを呼ぶリリィの声を聞くや否や、迷わずルヴェラ遺跡に侵入する思い切りのよさを見せた。
一方で、物事を自分1人で抱え込んでしまう節があり、過去を捨ててナカジマ家にもらわれることや、自分に宿ったリアクターとしての力に、思い悩んでしまったことも。
年頃の男子らしく、あまり異性には免疫がないようで、劇中何度かどぎまぎする場面を見せた。
良くも悪くも懐の深い人物で、曲がりなりにも、自分を保護しようとしてくれたフッケバイン一家にも、一定の恩義を感じている。
敵と分かり合いたいということが、甘い考えだということを自覚しながらも、「ワガママを通すための強さ」を手に入れるべく、日々鍛え続けている。
趣味
公式設定によると、趣味は遺跡での宝探しとキャンプ料理。
前者は実益を兼ねており、遺跡で見つけた宝を売ることで、日々の旅費を得ている様子。劇場版パンフレットに寄せられた番外編漫画では、リリィ達に手製の料理を振るっている。
主な関連人物
事故で人間関係が一度リセットされたこともあり、その後の交友関係は、自分を拾ったスバルが中心。
ナカジマ家の面々とは特に縁深く、他にもスバルの友人であるティアナとアルト、元同僚のエリオとキャロ、上官のなのはとの交友が確認されている。
その他、リリィとアイシスの2人は、旅で出会った大切な友人。
なお、小さい頃からの付き合いの人間には、一部独特なあだ名をつけているのが特徴。本編で確認された分には、
・スバル→スゥちゃん
・ティアナ→ティアさん、ティア姉
・アルト→アーちゃん
・ノーヴェ→ノーヴェ姉
・チンク→チンク姉
・エリオ→エリオ君
・キャロ→キャロちゃん
・ギンガ→ギン姉
という呼称が存在している。
能力
長く旅を続けていたこともあり、サバイバル能力には長けている。
一方ヴィータ達プロの管理局員から見ると、実戦投入を考慮した上では、運動能力は「全然ダメ」だそうで、なのはに課せられた訓練に四苦八苦する様子が見られる。
(もっとも、ヴィータのダメ出しは彼女自身が鍛えた特務六課の精鋭達と比べての事であり、つい先日まで民間人だったトーマ達三人を六課の面々と同じものさしで評価するのは酷と言うものではあるが。)
また、トーマは後述するECウイルスに対する適性が極めて高く、通常は休眠状態のままかあるいは排出されてしまう特殊な因子・「ゼロ因子」を起動させることができる。
一方、このゼロ因子を発動させた者は、その間正常な五感の機能を失ってしまう。劇中で初めて発動させた際には、後述する銀十字の書が感覚認識を代行したことによって、周囲に甚大な被害をもたらしてしまった。
装備
ディバイダー996
Forceの物語の中心となる、謎のEC兵器の1つ。実銃とブレードが一体化したようなデザインとなっている。
その外見通り、魔力弾の射出と、実剣部分による斬撃戦闘用に用いられる。
銀十字の書
ディバイダー996に対応したリアクターであり、使用者がこれと「リアクト」することにより、EC兵器は真の力を発揮することが可能となる。
この時トーマの身体は、黒と銀を基調とした鎧に覆われる。鎧のデザインはディバイダー996共々、回を重ねる度に凶悪な外見へと変化していく。画像の形状は第2形態であり、通称「黒騎士」と呼称されている。
また、これらEC兵器には、ECウイルスと呼ばれるものが含まれており、これに感染した者の肉体は、次第に生体兵器へと改造されていく。
肉体の兵器化の度合いは感染率によって異なり、異常な再生力を得る、他者を殺害しなければ正気を保てなくなる、などといった症状が見られる。
使用武器や防護服のカラーリング、そのリスクなど、ワイルドアームズ2の主人公・アシュレー・ウィンチェスターとは何かと共通点が多い。
作者の都築氏自身もWAシリーズのファンなので、何かしら意識した部分はあるのかもしれない
名前の由来
ファーストネームの由来は不明だが、名字の由来は、日産の自動車・アベニールであると推測されている。