「わかってないわね。私たち魔術師が目指すものが何かーー」
概要
CV:平野綾
『Fate/Samurai Remnant』の登場人物。
ガレオン船に乗って日ノ本へと来航した異国の少女だが、その正体は魔術協会の三大部門の1つである時計塔所属の魔術師。
「盈月の儀」の存在を聞きつけ、調査のために実家のコネを使って来日し、横須賀を拠点として暗躍する。因みに、自身が魔術師や「盈月の儀」を悟られないようにするため、表沙汰つまりは幕府には日ノ本と商いをするために来国したことにしている。
人物
『ロード・エルメロイⅡ世の冒険』に出てきた通訳用の魔術礼装を使ってる可能性もあるが、流暢に日本語を話す事ができる。また、西洋だけでなく日本の神話・逸話にも詳しい。大半がこの手の知識はずぶの素人である他マスターに対してすさまじいアドバンテージと言える。
一方で、貴族としての誇りも持ち、無関係な民衆に被害を出すことを好まない様子。
ただ、偵察のため夜中の町で高笑いする、中盤のある出来事など、シリーズ元祖ヒロインのひとりであるあの人を思わせる振る舞いも見せている。
また、伊織らと共闘した際に、蜘蛛の怪異を見て動揺していた事から、蜘蛛が大の苦手のようである。
能力
前述の幅広い知識の他、魔術師としての力量も高く、一部戦闘では援護専門のNPCとして参加する。
また、この他にも接近戦の際に鞭を武器として使用している。
他作品
『Fate/GrandOrder』とのコラボイベント『盈月剣風帖』にて紅玉の書が「盈月の儀」を説明した際に名前のみの登場。「コイエット」という名前にダヴィンチが反応しており、アーチャーのマスターである鄭成功とあわせて「皮肉な巡りあわせ」と評していた。
イベント終盤にてある人物の生前から秘められていた機能が判明したことで『SR』終盤でドロテアがその人物にとった行動はある意味英断であったと一部のファンから評価されることになる。
関連人物
入手した触媒を用いて召喚・契約したサーヴァント。性格や能力面など相性が良く、中盤までは良き主従関係を保っていたが…。
ジョバンニ
コイエット家に仕えている家宰。
セイバーのマスター。初対面時はマスターである事を隠して接していたが、横須賀で再会した際に自己紹介も兼ねてマスターである事を明かした。中盤で発生した事件では一時共闘する事になる。
アーチャーのマスター。両家は史実にて因縁のある間柄で、劇中では横須賀での戦闘で初対面した。
『盈月剣風帖』での期間限定礼装「萍水相逢」にて両者は横須賀で初対面する前に別の場所でニアミスした事が判明した。
ライダーのマスター。部下の調査報告から正雪が人造人間であると見抜き、対処を試みる。
正雪と契約したサーヴァント。横須賀戦ではアサシンが呼び寄せた大蛇の主導権を盗られてしまい、撤退を余儀なくされる。ルート次第では暴走したライダーに一矢報いる場面もある。
『盈月剣風帖』では特異点で再現された江戸だったとは云え自分の船の上で戦闘した挙句、大の苦手である巨大蜘蛛を呼び寄せたりとやりたい放題していた。
『盈月剣風帖』にて自身が拠点にしていた横須賀で召喚された逸れの英霊でアサシンの末裔。
『Fate/strange Fake』に登場する偽アサシンのマスター。本名はドロテアだが、単に名前が同じなのか、並行世界の同一人物なのかについては現状不明。
シリーズ元祖である『Fate/stay night』のメインヒロインの一人。由緒ある家系出身で優秀な魔術師の少女である点や紳士的な振る舞いが出来る英霊と契約していたりと共通点が多い。だがドロテアには「うっかり」要素が無く、さらにアクシデントへの対処が苦手な凛に対してドロテアは保険を用意する周到さを持っている。
余談
本作においては「スウェーデン貴族、フレデリック・コイエットの娘」ということになっているが、このフレデリック・コイエットという人物は実在しており(出島のオランダ商館長、オランダ植民地時代の台湾における行政長官)、間接的ではあるが、本作でアーチャーのマスターとなる鄭成功とも関わりがある人物である。FGOにおけるコラボイベントでも、ダ・ヴィンチはドロテアをフレデリックの親類ではと予想していた。
また史実においてのフレデリックの子供は「バルタザール」という名の男児である(父の事業を引き継ぐ兄の存在が判明していることから、この兄がバルタザールであると思われる)。
ただし、史実のバルタザールは慶安4年においては当時まだ2歳であるので、彼がおよそ10代後半~20代前半であると思われるドロテアの兄なら、主人公の宮本伊織と同様に10~20年の史実とのズレがある事になる。
鄭成功が起こした「ゼーランディア城包囲戦」でコイエット家は鄭成功らに非道な目に遭わせられ、コイエット家自体は没落したと思われがちであるが、確かに父であるフレデリック・コイエットが後に数年間も幽閉後に島流しにされたものの、戦って捕虜にした鄭成功らは降伏協議書を纏めた後に開放を行っているという彼に対しては非常に真っ当な対応を行っており幽閉はこの戦いの責任をオランダ国で取らされたが故である。
また、先述した息子のバルタザールも12歳で「ゼーランディア城包囲戦」を経験した後にスウェーデン王家からの父の開放の嘆願書を得ることに成功。そして、東インド会社に入社し父が幽閉されていたバンダ諸島の行政長官に上り詰めているなど極めて優秀な活躍をしている。また、コイエット家の末裔自体は現代でもまだ存続しているようだ。
※上記を理由に入国しているが、史実での当時の日ノ本(日本)は、本作の15年前、3代将軍・徳川家光の代で起こった農民一揆である「島原の乱」の一軒で、鎖国体制(異国の文化や宗教を拒絶)を強めていた時期であり、本来ならドロテアや鄭成功ら異国人は日ノ本と商いどころか入国することはほぼ不可能なのだが、それだと本作品に矛盾が生じるので、今作ではそういった事情は無視してるのであろう。
ただし、鎖国中でもオランダ・清、及び僅かな周辺国との交易は行われており、異国人が日ノ本の土を全く踏むことが出来なかったかというとそうでもない。鄭成功に関しては(総体としての幕府の結論は拒否だったとはいえ)個人としては明への派兵に積極的だったとも言われる紀伊藩主・徳川頼宣の力を借りたことが本人の口から明かされている。ドロテアに関しては、素性を隠して伊織らに接触した際の台詞から、やはり表面上オランダ商人を装っている可能性があり、父フレデリックが本作の2年前となる1649年に出島でオランダ商館長の職に就いていたという事実も合わせれば、幕府に取り入って(オランダの交易船として)入国するのもさほど難しくはなかった、と考察することも出来る。
本作のメイン出演者は大半が過去作出演を経験しているが、CVを務める平野女史は今回がTYPE-MOON作品全体に初登板。