「ユージン殿 ラクスタ王家に七代仕えた〈学者〉の私を脅迫したこと 国王陛下に報告させていただきますが…よろしいのですね?」(コミカライズ版)
プロフィール
概要
ラクスタ王国(そしてラクスタ王家)に七代に渡って仕えている学者の家系である眼鏡をかけた男性。
その家柄と学識から王室にも顔が利くだけの相応の権威の持ち主である他、その名声は他国の人間の間でもそれなりに知られている。
錬成秘術師のドワーフ《バゼルフ》と並んで、1章における主人公マグナスの支援者的存在の一人。
人物像
振る舞いや言葉遣いは礼儀正しいが、相手が誰であろうとも思った事はハッキリと物申す歯に衣着せぬ性格。
また、気に入った人間に対しては非常に気前が良く、友好的に接する反面、そうではない人間に対しては慇懃無礼な言動や皮肉でとことんやり込めにかかるなど二面性が強く、好き嫌いによって他者に対する態度の振り幅の差が激しい。
その他にもやや自己顕示が強く、無意識の内に利己的な発言をしてしまう事もしばしばあるが、(気に入らない人間と対する場合を除き)率直に言っているだけで、悪意は皆無である。
(友好的に接しさえすれば)決して厭味な性格というわけではないが、マグナスとは違う意味で敵にまわすと厄介な人といえる。
経歴
自分が出した依頼(攻略本ではサブクエストとして扱われている)をその日の内にこなしてくれた事をきっかけにマグナスを気に入り、相当に信頼するようになって以降、クライアントとして依頼するだけでなく、情報や必要な物資を提供するなど互いに懇意の仲となる。
一方、本来自分が依頼していた勇者ユージンに対しては、1ヶ月以上も依頼を忘れていたせいで納期遅れで失敗した事もあってその人間性を含め、早々に見限っていた。
にもかかわらず「忙しい俺がわざわざ依頼をこなしてやったんだぞ!(※意訳)」と上から目線の無茶苦茶な言い分で報酬を巻き上げようとした上、自身が信頼を置くマグナスの事を「役立たず」と見下してきた為、「どこかの役立たずの名ばかりな勇者よりも、マグナス殿は遥かに優秀で仕事も早いですぞ(※意訳)」と強烈な意趣返しによる皮肉をカウンターにして返し、彼を更に激昂させ、しまいには「黙って報酬を寄越せ!(コミカライズ版では「勇者である自分をコケにしたらどうなるかわかってるのか?」)」と剣で脅されるが、それに対して毅然とした物腰を崩さず、冒頭の台詞で逆に脅しをかけて黙らせた。
上記のやり取りの後、すっかり弱腰になったユージンに対して追い打ちをかけるように嘲笑ってダメ押しした事が、後に彼の暴走、そして壮大な自滅劇に至る遠因となった。
その後、マグナスへの嫉妬心から暴走したユージンが『魔王軍の幹部《八魔将》の一人であるデルベンブロの討伐に向かう』という無謀極まる行動に出た事をマグナス当人に伝えると、(勇者パーティーを救う目的で)同じくデルベンブロ討伐に出る事になった彼に秘蔵の品である『浮遊する絨毯』を貸し与え、マグナスがデルベンブロ討伐後に『浮遊する絨毯』を返却しに来ると、とっておきのお酒(35年もの)を用意して笑顔で出迎え、『マグナスのデルベンブロの居城での武勇伝』を酒の肴にして二人で一晩酌み交わした。
そしてマグナスが次の冒険の為アラバーナ帝国に旅立つ際には『魔王を倒して世界を救った英雄(当然ながらマグナスのことである)が愛用したアイテムとして自分の名前が歴史に刻まれるから』という動機があったのもあり、一度はマグナスに貸して返ってきた『浮遊する絨毯』を今度は彼に『ナルサイ号』と名付けるという条件付きで授けた。
その後はマグナスは『攻略本』に記載されたモンスター等の情報を誰かに説明する場合、「彼からの受け売りで教えてもらった」として誤魔化している。
人物関係
マグナス一行
自分の出した依頼を迅速かつ完璧にこなしてくれる魔法使い。
それもあってナルサイはマグナスに協力的であり、彼が苦渋の決断(サブクエストクリアによるレベリングを途中で切り上げるリスクを取ってまで目標レベルに到達していないのにデルベンブロに挑む)で勇者パーティーを救うためにデルベンブロ討伐に向かう事を決意して際には、前述の通り浮遊する絨毯を貸し与えるだけでなく、「貴方がデルベンブロすら斃して凱旋した暁には笑顔で出迎えましょう」「そして三十五年物を開けながら朝まで武勇伝を聞かせていただきます」と約束した。
(もっとも、マグナスはお酒が苦手で強くないため丁重に断ったが、結局飲む事となった模様。)
勇者パーティー
自分の出した依頼を引き受けるも予定よりも一か月も遅れた勇者。
それもあってナルサイのユージンに対する信頼は地に落ちており、ユージンが事実上の依頼失敗にもかかわらず往生際の悪い手段に出た場合は権力(厳密には王家とのコネ)で脅して黙らせ、平謝りした時には高笑いで嘲笑した。
ユージンに付き従う女僧侶。
ユージンがナルサイを怒らせて勇者パーティーの旗色が悪くなった際には「勇者様、おふざけ(で冗談を言うのは)はそれぐらいにしておきましょう、ナルサイ様が真に受けてらっしゃいますわ」とフォローを入れたことにより、ナルサイはラクスタ王への告げ口こそ取り止めたが、その際のユージンの必死な弁明の態度にナルサイは高笑いで嘲笑した。
その他
自分と同じく王都ラクスティアに住んでおり、店を構える名工。
ナルサイはバゼルフと直接対面したことはないが、『2章以降でもマグナスの助けになっている』という共通点を持つ。
また、コミカライズ版ではマグナスからナルサイ号の件を聞くと「まったく……良い趣味しとるわい」とナルサイに対して呆れる様子が追加された。
バゼルフ同様クリムもナルサイと直接対面したことはないが、『2章以降でもマグナスの助けになっている』という共通点を持つ。
また、マグナスからナルサイ号の件を聞くと(事情を知らなかったとはいえ)「……何だいそのトンチキな名前は」と呆れていた。
カジウ諸島連盟のバゴダード島のトネーニ商会暫定党首。
例の如くナルサイはアネモネと直接対面したことはないが、Web版・書籍版ではナルサイ号を貰った経緯を語ったマグナスに対して「ハ!そんな貴重で高価なものをポンとくれるお友達とか、何者だよってんだ」と皮肉っていた。
余談
書籍版の挿絵では描かれなかったためどのような容姿か不明だったが、コミカライズ版にて初めて容姿が描かれ前述の通り『眼鏡を掛けた若い男性(20代前半?)』であることが判明した。