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概要編集

ディガルド武国が保有する機械兵。

ターレットレンズのようなメットと寸胴な体をした、どこかコミカルにも不気味にも見える姿が特徴で、ディガルド保有のバイオラプターをはじめとする量産型バイオゾイドバイオラプターグイのパイロットを務める。


AIではあるが自らの意思を持ち、同じナンバー同士では聞き取りづらい電子音で喋るが普通の人間相手には人間用の言語で会話でき、実際にザイリンとは人間用の言語で会話しているシーンがある。バイオゾイドはたとえ小型ゾイドであっても一般の大型ゾイドよりもさらに適合率が低いため、バイオゾイドを主力兵器とするディガルドでは重宝されており、工場で大量に作り出されている。


搭乗機(バイオゾイド)編集


後に量産型のバイオトリケラバイオケントロが開発され、それらにもナンバーが使用される事になる。



関連タグ編集

ゾイドジェネシス ディガルド武国





























【警告】これより先、この機械兵の詳細が記載されているため閲覧には注意されたし



































ソラシティ陥落後、ズーリに保護されたソラノヒトプロメはバイオゾイドの技術を提供したのは自分たちソラノヒトであるとしながらも、設備と材料さえあればいくらでも増産可能だが寿命が短く適性値も通常ゾイドより低いバイオゾイドのパイロットを大量に用意できたことを不信に思っていた。そしてジーンの性格からして、「何か多大な犠牲を払って、我々には思いもよらぬ方法を編み出したのかも…」と推測していた。

一方、なんとかソラシティから地上へと脱出したザイリン・ド・ザルツは、ディガルド本国にへ帰還する道中、部下であるゴザイルの部隊が複数のバイオラプターとバイオメガラプトルに襲撃されているのを目撃。


ザイリン「……ん?私の部隊か…!? 何故攻撃を受けている?」


ザイリン「攻撃をやめろ! 私はザイリン中将だ!」


ザイリンはナンバーに攻撃の抑止を指示するが、


ナンバー「任務遂行ニ問題ヲ確認。」


ナンバー「敵ト認識、排除スル」


ナンバー「ディガー…」


ザイリン「敵?何を言っている? 私はザイリン中将だ!」


なんとナンバーはザイリンを敵と見なしてヘルファイアで彼も焼き尽くそうとする。


ザイリン「何をするか!!」


ザイリン「やむを得ん。 ならば倒すまで!!」


バイオラプターとバイオメガラプトルを倒した後、ゴザイルから機械化されて最早人間とはいえぬ悍ましい姿となったゲオルグに遭遇し、彼の唐突な指示に口答えをした所為で反逆と見做されて襲われていた事が判明。

「今やあそこは中将の知っているディガルドではありません。」

と帰還に反対するゴザイルらを押し切って首都「ディグ」を訪れると以前と比べて配備されているバイオゾイドが増えているのを目撃する(その中に量産型のバイオトリケラが並んでるのが分かる)。


異様に人の少ない城内にて邂逅した機械化されたゲオルグの「‘‘神’’のお陰で怪我が直った」と語る有り様や皇帝となったジーンのあからさまに自らを「‘‘神’’」と騙る姿に戸惑いつつも、ザイリンはジーンがソラノヒトであるという素性やヴォルケーノに搭載されていた‘‘妙な装置’’などソラシティで聞かされたそれまで自分が全く知らなかった情報について問い質す。

だがジーンは自分がソラノヒトであるという事は認めたものの、ヴォルケーノについてはしらを切られ、士官学校時代からの友情を持ち出された上に彼から部隊が再編されたと新たな隊員名簿を渡されるという形ではぐらかされてしまう。


自室に戻り、いつの間にやら編成された部隊の規模に驚きつつも名簿を確認していると、その中には彼と同じザルツ村出身で、ゾイドパイロットの適性がないはずの親友ウィプス・ド・ザルツの名前があった。


ザイリン「バイオラプター大隊…。ゾイドに乗れないあいつが…?」



不審に思ったザイリンは宿舎にいる事になっているというウィプスに会いに行こうとするが...



ザイリン「会わせられないというのはどういう事だ!? 私の部下となる人間だぞ!」


衛兵「規則です! 中将もご存知のはず。 中将をお通しすれば、規則違反で、わ、私が‘‘処分’’されます!」


ザイリン「‘‘処分’’だと...」


何故か入口前で衛兵に止められてしまい、‘‘規則’’を理由に顔を合わせる事は叶わなかった。

何故仲間同士で争いが起きているのか、人気のない城内などソラシティから帰還してからどこか異常な事ばかりを目にしていた。バイオヴォルケーノに搭載されていた‘‘妙な装置’’の件を問い質した際のジーンの態度、そして今、どこか慌てた衛兵の様子に不審感は募るばかり...。





真相を知るために深夜宿舎に忍び込んだザイリンだったが、そこには大量のナンバーが並べられているだけだった。


ザイリン「馬鹿な。ここが‘‘宿舎’’だと? バイオゾイドを操縦する機械兵の倉庫ではないか。」


ザイリン「……ん? これは…! 『二等兵 ウィプス・ド・ザルツ』…!」


そんな中で見つけた一体の『ウィプスの名がついたナンバー』がザイリンにウィプスの声で語り始めた。


ウィプス「機械兵などない。バイオゾイドと適合し、操縦ができるようにと、生きながらこんな姿にされたんだ……」


ウィプス「ここにいる者…、いや、バイオゾイドの操縦者は全て、元々は人間…。病人も、大人も子供も、関係なしだ…。」


ザイリン「なんだと…?!」


ナンバーの正体。それはディガルドが占拠したに暮らしていたゾイドパイロットの適性がなく、さらにディガルドにとっての労働力にもならない人間たちの成れの果ての姿だった。

ジーンは占拠した場所の人間達に、そこがディガルドにとって最大級功労地であったとしてもゾイドパイロットの適性があるかどうかを専用の石板を使って検査し、適性があるなら兵士として徴用するがないとほとんどが奴隷にされ、その中で労働力にならない者(或いは反逆者)はたとえそれが女性子供老人病人であろうとお構いなしに何らかの措置(おそらくバイオヴォルケーノに搭載されていた生命エネルギー変換装置と近いもの)を施してその体から(ソラノヒト曰く生体エネルギー)を抜き取り、ナンバーの動力にしていた。即ち彼らはパイロットであると同時にゾイドコアの補助パーツとして作られた生体部品だったのである。


ナンバー化してもある程度の意識は残るがバイオゾイドに乗せられると命令に逆らえなくなり、ただひたすら命令に従うだけの大量破壊兵器の人工知能となってしまう。

そして一度ナンバー化すると二度と元の体には戻れなくなる。

加えてナンバーは体の自由も奪われるために自分の意思で死ぬこともできない。魂が解放されるには戦闘で破壊されるか、外部から誰かに動力装置のある上半身部分を外してもらう必要があり、さらに自由になった魂は成仏する以外になく、「過酷な労働による衰弱死や事故死に病死」「兵士として強制教育されては戦場へ駆り出されての戦死や良心の呵責に潰されての自殺」の方が人間としての死を全うできる分マシと言えるほどの非情さ、まさに自分以外のすべての存在を野望達成の道具としか考えていないジーンの異常な傲慢さを象徴した悲劇の兵士、それがナンバーなのである。

またこの事実はディガルド内でも最高機密とされ、知るのはジーンと(おそらく)一部の人間だけでその隠蔽ぶりは徹底されており、実際にザイリンやボラーのような高官どころかナンバー製造工場の軍人達でさえこの事実を終盤になるまで知らなかったほどである。


ナンバーが導入された正確な時期は描写が無いため不明だが、第24話におけるザイリンの回想によれば、少なくともジーンが総司令に就任した頃には既に戦場に投入されていたようだ。それを考えるとおびただしい数の犠牲者が出ていることは想像に難くない。


ナンバーが搭乗しているかは不明だが、同じく第24話でザイリンが幼少期の頃からバイオラプターが村を襲撃しているシーンがあり、ジーンがディガルドに入隊しているかすら怪しい時期(そもそも彼は軍人としてはザイリンと同期)から各地域の侵略自体は行っていたようで、ゾイドパイロットの適正検査も行っていた。


ウィプス「もう誰も傷つけたくない、苦しい、ここから出してくれ!俺を楽にしてくれ!ザイリン、友よ!」


ザイリン「少し待て、ここが外れそうだ……今出してやるぞ!」


ザイリン「これは……」


ウィプス「これが、俺の魂……」


ザイリン「魂!?」


ウィプス「俺たちはもう元の体には戻れない。魂だけの存在……ああ、体が軽い!俺はもう自由だ!ありがとう、ザイリン!」


ザイリン「ウィプス……ウィプス…そんな、嘘だ!」


ナンバー「俺も助けてくれ!」


ザイリン「!」


ナンバー「私も楽にして!お願いだ!お願い!」


ナンバー「お願いだ……助けてくれ!」


ナンバー「楽にして、楽に……」



ザイリン「あ……うあぁ…ああああああああ!!!!!!!」


ザイリンはウィプスの頼みもあってその体から魂を開放。それを見て次々と助けを求めるナンバーの姿を前に、これまで人間を使い捨てにしてきたという事実にただ慟哭する以外なかった。


ザイリン「機械兵だと思っていた、ただの道具として使っていた!私は、間違っていた!私は過ちを犯した、その償いをしなければならない!……ようやく、解ったよルージ君


その後ザイリンは知らぬとは言え今まで道具として酷使してきた犠牲者達への謝罪の涙を流しながら施設にあったすべての魂を開放後、ナンバー製造工場を破壊し、ジーンと決別の意思を見せて対峙する。

一時はジーンに押されるがフェルミの助けを借りる事で一時離脱できたザイリンはディガルド討伐軍に合流し、この事実は討伐軍側に伝えられることになった。

これにより討伐軍は、真に倒すべき敵はディガルドではなくジーンであるとしてジーン討伐軍に方針を転換。ザイリンの恩師であるボラーの協力のもと、ソラノヒトが作った通信装置による衛星放送でナンバーの事実が世界中に露見。結果ディガルドからは多くの離反者が出ることとなったが、それでもまだ大多数のナンバーが残されていた或いは解放できなかった植民地の住民達、自国の民、真実を知らされても甘い蜜吸いたさにジーン側に付いた軍人達の魂を抜き取っては数を増やし、それらをグイ以外の量産型バイオゾイドに搭乗させ、自由の丘での最終決戦に挑んだが、最終的にジーンがバイオティラノ毎討ち取られたことでティラノに搭載されていたと考えられる制御装置も破壊されたのかすべてのナンバーが停止。その魂達はすべて昇天していった。



余談編集

当初は人間の脳が組み込まれているという設定だったが、朝に放送する子供向けアニメでやるにはグロテスクすぎるとして、魂という比喩的な表現になった。


  • 弱者や反逆者の体から魂を抜き取って自由を奪い、文字通り命令に従うだけの人工知能へと変える
  • ナンバー化すれば適性が低いバイオゾイドのパイロットを補え、さらに命令に逆らわないため兵器としても効率がいい
  • 加えてパイロット適性がない人間や動けなくなった奴隷は山ほどいるため好きなだけ使い捨てにできる

というあまりにも非人道的すぎる生い立ちからゾイドアニメひいてはロボットアニメの中でも指折りの非人道兵器と上げられ、トラウマになる視聴者も多い。




とはいえ、野生体からゾイドコアを抜き取り兵器の動力にし操るゾイドとは、対象が金属生命体か人類かの違いだけでジーンの非道と変わりない、双方似通った実状と言える。つまりナンバーとは人間版ゾイドと言っても過言では無い。

余談だがゾイド核問題は実はファンの間でもかねてから物議をかもしてはいた。しかし、戦争の悲哀を描く上で機能していると古参のファンからは好意的に受け止められ、批判は押し殺されていた風潮があった。そこに、ナンバーの倫理問題が批判的に描かれた事で、ゾイド核問題が若いファンにやや否定的に広まってしまう遠因を作った。後年のシリーズでは化石発掘から復元して兵器ないし相棒として共存する設定に替えられたため、やはりゾイド核やナンバーは令和の時代においては残酷すぎると製作者側も考えたのだろう。


先に挙げた通り、ナンバーは単なるAIではなくゾイドコアの補助パーツとして作られた生体ユニットの側面がある。ゾイドの生物としての中心器官であるゾイドコアに関連する部分を機械的に補完することは、たとえどのようなオーバーテクノロジーを用いようとも不可能である。『ゾイドジェネシス』以前のアニメシリーズでもゾイドブロックスのようにバイオテクノロジーでゾイドコアを人工的に作り出したり改造したりする描写は存在していたが、『ジェネシス』の時代では高度なバイオテクノロジーはロストテクノロジーとして失われている。そのため簡単に生体ユニットとして集めることが出来る人間という材料を使っているのである。

また機械の体としてよみがえったゲオルグの体がどことなくナンバーを思わせる姿なのも、この技術が使われているものと思われる。



真の関連タグ

生体ユニット 生体部品

哀しき悪役 みんなのトラウマ

ゾイド 金属生命体版ナンバー

カートリッジ・・・人間の命を使い捨てにする非道技術つながり。また、先述の初期設定の時点で見れば殆ど類似している。

サイバトロンX・・・タカラトミー作品における人間の精神をロボットのボディに転送した存在繋がり、(状況が状況とはいえ)寄りにもよって味方側の技術の産物である。但し、こちらは元の肉体に精神を戻すことができる為、組み込まれた人間の扱いはどちらかというとパイロットに近いと言える。

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