概要
キンポウゲ科オウレン属の多年草。日本固有種で、本州の福島県以南と四国の山地に分布する。
森林に群生し、冬から早春(12月~3月ごろ)に、茶色の花茎の先から大きな白い5弁の花を咲かせる。花弁に見えるのは萼片であり、真の花弁はその内側にある、柄のついた小さな黄色の5弁の器官で、ここから蜜を分泌する。
真冬の森の中でいち早く開花することから、春の訪れを告げるフクジュソウやカタクリ、ニリンソウ、セツブンソウなどのいわゆる「スプリング・エフェメラル」と一緒に扱われることがあるが、本種は常緑であり、通年で休眠せず葉を茂らせる。よって本種をスプリング・エフェメラルとして扱うのは誤りである。
植物学者の牧野富太郎が特に愛した草花として知られ、高知県佐川町の牧野の生家の裏山に群生地がある。