概要
『伝説巨神イデオン』において、主人公のユウキ・コスモ達と敵対する事となる人型異星人種族。
バッフ・クランとはあくまでもバッフ族という民族としての名称であり、バッフ族ではない同一人類の存在も暗示されている。
母星は地球で定義するところのアンドロメダ銀河に位置する地球から5千光年離れた「バッフの地球」と呼ばれる(翻訳機では「地球」と訳される)地球とは正反対の位置に存在する惑星で、コスモ達地球人の事は初めて接触したソロ星のバッフ・クラン側の名称である「ロゴ・ダウ」にちなんで「ロゴ・ダウの異星人」と呼ぶ。
種族
外見はコスモ達地球人と殆ど同一であり、負傷したコスモにバッフ・クラン人のカララ・アジバが輸血する事が出来たり、カララと地球人であるジョーダン・ベスとの間に混血児であるメシアを授かった事から、遺伝的・生理的にほとんど同じ生物であることが解る。
強いて違いをあげるならば眉毛と瞳孔と虹彩の境目が無く、よほどのアップでないとハイライトが確認できない所か。
また後述するように「サムライ」や「カミカゼ」「切腹」という概念があったり、ギジェ・ザラルが「(地球人とバッフ・クラン人の)メンタリティーは似たようなもの」と発言している事から、精神面でも地球人類、特に日本人と共通している。
なおバッフ・クラン人は左利きが多いらしい。
言語・文化
劇中バッフ・クラン人は地球の言葉とは異なる独自の言語を話すが、耳の中に「クズラウ式翻訳機」と呼ばれる豆粒サイズの翻訳機を入れている為、地球人と会話する事が出来る。
劇中では
- アス→数字の1
- デル→数字の2
- トプ→数字の3
- エトラ→リンゴに似た果物
- クレソン→オレンジに似た果物
- トラム→サンドイッチに似た食べ物
- ロゴ・ダウ→ソロ星
を意味するバッフ語が登場している。
バッフ・クランと地球の間では白旗の意味が異なっており、地球では「武力行使の意思なし」を意味する白旗は、バッフ・クランでは「相手を地上から一人残らず殲滅する」と言う最大限の宣戦布告となる。
バッフ・クランで「武力行使の意思なし」を表明する色はイデオンと同じ「赤みがかったオレンジ色」となる。
また一対一の決闘を尊ぶ風習が残っており、ビームソードを使い目付と呼ばれる立会人を用意する。
軍事力
現王であるズオウ大帝をトップとした徹底した階級制度による独裁政治を取っており、軍事力が過剰している。そんな体制下で育ったバッフ・クラン人たちは自分たち以外の種族となれ合おうとせず、その軍隊は「集団暴力」と呼ばれるほど野蛮なもの。
兵力は億単位と推定されており、戦力も一つの銀河を制圧する事が出来るほどで劇中ではソロシップ撃沈の為に350万光年範囲に包囲網を敷き、さらにそのうち100万光年範囲は目視が出来る状態で密集陣形を取り、ソロシップが数万光年レベルでワープしても逃亡が出来ない状況に追い込んだ。
階級
基本的に世襲制だが、上下することもある。中でも軍人にあたる「サムライ」という階級にはハング、グラバ、バクサ、サビアという4つの階層が存在し、その下にゾウトという足軽のような階級がある。
このサムライは前髪を男女ともに切りそろえ、後ろ髪を結っている。
このほかに「オーメ財団」という勢力があり、バッフ・クラン軍とは覇権争いを繰り返していたが私設の軍による作戦が失敗したことで宇宙軍と手を組み、イデオン打倒を目指す事となった。
伝説
バッフ・クランには無限力イデがおとぎ話として伝えられており、第1話の数年前からバッフ星に流星が落下する事件が多発し、流星発生源と呼ばれるソロ星の宙域に調査隊を派遣。その方角に「イデの星」があると考えていたらしい。
第1話にてカララが立ち上がったイデオンを「伝説の巨神」と呼び、バッフ・クランもイデオンを巨神と呼んだが、巨神の伝説についての言及は殆どなかった。
地球でもイデの伝説が伝えられていたが、多くの文化、宗教、政治形態がある地球では多くが失われてしまい、神話にとどまっている。
余談
"バッフ・クラン"という名前の由来は『幕府』ではないかと言われており、
- 幕→バク→バフ→バッフ
- 府→clan→クラン
と訛らせた可能性がある。
一見こじつけに見えるが、バッフ・クラン自体の性質と、『富野好きー→ミノフスキー』の前例から否定はできない。