バハムート(D&D)
ばはむーと
『ダンジョンズ&ドラゴンズ(D&D)』におけるドラゴンの種別の一つで、基本的に善の性質を持つ金属色の鱗を持つ「メタリック・ドラゴン」の神。トゥルー・ドラゴンでないドレイク類にも彼の眷属である竜種がいる(新モンスター フェルドレイク、スパイクト)。
赤や緑などの色彩の鱗を持つ悪竜族「クロマティック・ドラゴン」の神ティアマトは彼の姉妹にあたる。
もう一柱のきょうだいとして死と憎悪を司る竜神ヌルが知られている。ともに創世神アスゴラスの子にあたる存在だが、彼ら三柱は互いに対立関係にある。
ドラゴンとしての彼は白金の鱗を持ち、「プラチナムドラゴン」の異名で呼ばれる。
ティアマトがそれぞれ五色の首を持つ多頭竜であるのに対し、形態そのものはオーソドックスな西洋竜となっている。
白金(プラチナ)はバハムートの象徴するカラーであり、この名を冠したクラスも存在している(上級クラス プラティナム・ナイト、プラティナム・ウォーロード)。
バハムートは弱きを助け強き悪をくじく、慈悲と厳格さを備えた正義の神である。善のドラゴンたちの模範であり、他種族からも善神として崇められる。
ティアマトやその配下とは武をもって叩きつぶすスタンスを持つ軍事志向の神としても知られる(ウォーロード)。モンクやパラディンにバハムート信徒がいるほか、第4版では彼に従う善竜専用の上級クラスとしてバハムートの名を冠した竜用上級クラス セイクリッド・ウォーダー・オヴ・バハムートがあり、そこから更に神格に至ろうとする者もいる(竜用上級クラス ドラゴン・アセンダント)。
バハムートに仕える善竜たちはしばしば人型の姿をとって、人間等の信徒を教導する。ゴールドドラゴンかシルバードラゴンが担当する事が多い。師匠となる竜一体はいちどに一人の弟子しか持たないという狭き門である。ふたりは世の中に広まる悪の影響を直接見聞きする為に旅に出る事も多い(『信仰大全』 神格紹介)。
普段は七つの層なす天界山セレスティアに坐します彼自身も、ときおり人の姿となって世に現われる。高潔な老ウィザード、つつましい漁師、颯爽とした若きモンクといった人間態が知られている(『フォーゴトン・レルム探訪』の伝説たち)。魔法で人に化け物質世界を放浪する際にはエインシャント・ゴールド・ドラゴンたちが変化した7羽の金色のカナリアたちを連れている。
惑星アビア・トーリル(Abeir-Toril)のフォーゴトン・レルムに出現したティアマトのアスペクト(分身)と対抗すべく「マルドゥク」という化身をとって降臨した。
両者はアンサー(Unther)地域におけるパンテオン(Untheric Pantheon)の神とも認識された。
アンサーのパンテオンはメソポタミア神話をモチーフとし、かつそのメンバーの多くは現実世界の地球のメソポタミアで信仰されていた本人である。
竜神としてのマルドゥク(バハムート)とティアマトは地球出身の神とは明確に別起源の神であり、現実世界(地球)側にマルドゥクやティアマトが居たとしても別人ということになる。
現在版権を有するWotC社が展開するトレーディングカードゲーム『マジック:ザ・ギャザリング(MTG)』にも客演している。
登場エキスパンションは2021年7月発売の「フォーゴトン・レルム探訪」。
プレインズウォーカー「花の大導師」としてカード化。ただし、あくまでゲーム上での扱いであり、世界観やストーリー上でもバハムートがプレインズウォーカーというわけではなく、他のD&D出身プレインズウォーカー達もその扱いになっている(ダンジョンズ・アンド・デザインズ その1)。
老人として現われる事が多いバハムートだが、本作では若者の姿(メイン画像)で参戦している。
姉妹のティアマト(のアスペクト)はドラゴン・神のクリーチャー・タイプを持つ伝説のクリーチャーとして登場。
「花の大導師」もまた、条件を満たすとドラゴン・神のクリーチャーになる特性を持つ。