概要
大魔王ゾーマ戦の前座三連戦において、最後に戦う相手。
その名の通り、地上の戦いで勇者たちに敗れた魔王バラモスが、ゾンビとして蘇った存在である。ゲーム中では復活の経歴は描かれていないが、『CDシアター ドラゴンクエストⅢ』では「ゾーマ様の力で蘇った」と明言している。
生前とは異なり、魔法や特技は一切使わず、ただひたすら通常攻撃のみで攻めてくる。その代わりに攻撃力、HPは非常に高く、回復量は落ちたものの十八番であるターン毎の自動回復能力も備えている。
スーパーファミコン版以降のリメイク版では、二回攻撃までしてくる強敵。
ただし、いずれも守備力と素早さに関しては「0」と皆無で、攻撃魔法に対する耐性も無い。補助呪文は「マヌーサ」が効く事もあるが、効き難いために「スクルト」で防御を固めた方が効率的である。
HD-2Dリメイク版でも出番は特に変わらず、紫色の煙のようなものの中から這い出して来るいかにもゾンビらしい演出が追加された。
また攻撃面でもすてみ、やいばくだきが技として追加されたほか、3回攻撃を行うことがあるうえに毎ターン300近い自動回復まであるなど侮れない強化を施されている。
また今作では多くのボスに効く眠りが効かないなど、一筋縄ではいかない難敵に仕上がっているため心してかかろう。
グラフィックは紫色のスカルゴン。
バラモスには無い翼、ツノの形、尻尾とどう見ても骨格が違う……というのはお約束の突っ込みどころ。
なお『ドラゴンクエストモンスターズ テリーのワンダーランド3D』などでバラモスのゾンビとして遜色ない形態のバラモスゾンビが出た後も、本家『ドラゴンクエストⅢ』のリメイク作品では一貫してこのデザインである。
…スタッフはこのデザインに何かこだわりでもあるのだろうか?
その他の作品での登場
後に『ドラゴンクエストモンスターズ テリーのワンダーランド3D』に登場。
後述する『ドラゴンクエスト 列伝 ロトの紋章』のバラモスゾンビを意識したと思われるオリジナルデザインとなっており、なぜか生前に比べてはるかに巨大化している。
具体的に言うと、『テリーのワンダーランド3D』は4つのパーティ枠にモンスターのサイズに応じて当てはめる形式なのだが、バラモスが1枠消費のスタンダードサイズなのに対しバラモスゾンビは3枠消費のギガサイズである。
他国のマスターがたまにこの2匹を連れていることがあるのだが笑ってしまうくらいサイズに差がある。
ちなみにこのデザインのバラモスゾンビにもちゃんと尻尾はある。
Wiiのゲーム『ドラゴンクエスト モンスターバトルロード ビクトリー』ではゾンビという点を意識してか腐肉を思わせる紫色に変色したバラモスのような姿となっている。
書籍作品での登場
漫画『ドラゴンクエスト 列伝 ロトの紋章』では、主人公アルスと仲間たちを抹殺すべく、魔王軍幹部である冥王ゴルゴナの手によってアルスの生家にしてかつてバラモス城だったカーメン城で復活した。
生前の面影を多分に残したデザインになっており、僅かながら肉体も健在である。なお衣服は無く、そのため巨大モンスターといった生来の風貌のままとなっている。
戦闘能力もゲーム中とは全く異なり、生前に使っていた呪文を多用し、なんと闇の衣まで纏っている。皮膚は腐り落ちると、そこからゾンビ系モンスター(くさったしたい・アニマルゾンビ等)が誕生するため、不用意に攻撃して肉を削ぎ落すと、逆に戦力が強化されてしまうという大変に厄介な相手。
ゴルゴナの悪趣味によってわざと半端な状態で復活させられたため、皮膚の無いむき出しの神経が空気に触れて一挙一動ごとに激痛が走り、その痛みと生前の憎悪からパワーアップしている。
再び安息の眠りを得るためにアルスたちと激闘を繰り広げるも、敗北。
ゾンビとなり果てても魔王としての威厳を保ち続け、若くして「ライデイン」を使いこなして自分を追い詰めたアルスに敬意を表するなど、その威厳を保ったまま潔く眠りに着いた。