「殺しちゃうの!」
プロフィール
概要
名門貴族出身のお嬢様だが、紆余曲折あって兵士になる道を選んだ。相棒はラズワルド。
無邪気で子供っぽい性格だが、一方で戦うことが大好きで殺人・加害に一切抵抗がないという狂気の一面も持つ。
天賦の戦闘技術を持ち、本人曰く「えいっ」とすればすぐ倒せてしまうとのこと。作中では相棒のラズワルドと組んでの2対1で、白夜軍最強の剣士であるリョウマ相手に正面から打ち合った(あくまで演出で、実際のゲームでやったらまず返り討ちなので注意)
平時でも強いが危険を感じると大泣きし、動きがより一層凶暴になる。ゲームでも必殺の一撃を繰り出す時は泣き喚いているのが分かる。
ほか相手の実力を見抜く力もあるようで、ある会話では経歴不明のラズワルドに対して「血の臭いがするから好き」と言い、彼が戦闘経験豊富であることを感じ取っていた。
片目隠れで分かりづらいが左右で目の色が違うである。マスカラを付けており、泣き出すと涙のように黒く流れる。鎧で隠されているが、本人曰く巨乳らしい。ほか笑うとギザ歯が見える。
人物
一人称は「ピエリ」で、語尾に「~なの」とつける。それ以外の言動も全体的に子供っぽい印象が強い。
一応、その気になれば大人らしい話し方もでき、ラズワルドとの支援会話では実際に披露していたが、本人は『やっぱり変な感じ』と少し恥ずかしがっていた。ほかDLC『絆の白夜祭』でもラズワルドと結婚した場合、娘のソレイユ相手にたまに普通の話し方をしていることを明かす。
敬意を示す意味合いで「人殺しだから好き」と言ったり、恋人に「殺したいくらい好き」とアプローチしたり等、「殺す」という言葉を感情の表現に使っている。人との接し方や、感情の表し方がいまいち分かっていないのかもしれない。ほかカムイに「この手で何人殺したの?」とゾッとするような質問をしている。
おしゃれやお茶会など女性らしいことも一通り好きで、特に服装へは強いこだわりがある模様。例えば「プリンセスリボン」などの大半の女性ユニットが喜ぶ頭装飾品を渡しても「普段のリボンの方がいい」として喜ばない(喜ばないのは全ルート通してもアンナ、キヌ、ゼロ、そしてピエリの4人のみ)。逆に、大半のユニットが喜ばない「身にまとうもの」(水着、下着のカテゴリ)を贈られて大喜びするなど感性が独特。他にアンナほか仕立て屋に頼んだ服の採寸が間違っていた時には不機嫌になっていた。殺人嗜好を除けば普通のお嬢様そのものである。
軍の中で一番、料理上手。その腕はルーナが敵わないほど。こちらも才能によるものらしく、スズカゼは「ここまでの腕前になるには、血のにじむような努力が必要」と不思議がっていたが、本人は「みんなが褒めてくれたから作っただけ」「料理も殺人も同じくらい簡単」としている。
これはゲーム内にも反映されており、彼女を食堂に配置すると能力の補正効果が極めて高い「極上の」料理を高確率で作ってくれる。アクセサリーのコック帽を入手したら、ぜひ彼女に装備させて食堂に立たせてあげよう。
殺人嗜好と過去
殺しが趣味という狂気の持ち主だが、これは元からそうだった訳ではなく、過去の凄惨な事件に由来している。
元々彼女は暗夜王国有数の貴族の家に生まれたお嬢様で、母からは手料理を学ぶなど、戦いとは無縁の生活を送っていた。しかしある時、従者の執心により愛する母が殺害されてしまう。その従者は処罰されたのだが、まだ幼いピエリにはどの従者も同じ姿に見えたため、母を殺した犯人がまだ屋敷にいると思い込み、手あたり次第に武器で刺して回った。
この時の従者が血しぶきをあげて倒れる様や、返り血を浴びる感覚に快感を覚えてしまい、以降ピエリは殺しが趣味の危険人物と化してしまった。なおその場には父親も居合わせていたのだが、何も言わなかった(しなかった)とのこと。
その後も事あるごとに癇癪を起して従者を攻撃していたが、やがて誰もいなくなったことで外に出るようになり、戦場に行き付く。そこは殺しが正当化される場所で、ピエリは敵兵を殺せば褒められる環境に大喜びし、貴族の令嬢から一転、兵士となる道を選んだ。
マークスの配下になったのは「面白そうだから」という理由で貴族の武術大会に出場したことがきっかけ。高順位になったことで、大会を観ていたマークスに興味を持たれ、直属の臣下に取り立ててもらった。
「~なの」という口調は母が殺された当時のままで、彼女の精神が成長していないことを示唆している。本人も「ピエリの話し方は、お母さんが殺されたときのままなの」と自覚している素振りを見せる。
このような経緯を持つので、軍では無差別殺人鬼だという悪い噂が流れている。ただマークスに迷惑がかかるという理由で普段は殺人衝動を抑えているため、無差別に襲っている訳ではない模様。とは言え本人としては我慢は不本意らしく、時おり癇癪を起して「殺す」「殺したい」とのたまっているそうなので、そのような噂が立つのも無理はない。
なおここまでの流れで想像がつくように、殺人に対する罪悪感はほぼない...というより殺人が忌避される理由を分かっていない。レオンとの会話では戦争での殺しは正当化されるのに、普通の殺しは何故駄目なのか(要約)とまで言っている。
とは言え全く更生の余地が無い訳ではなく、ラズワルドとの会話では敵兵にも家族がいることを考えるよう諭され、始めは理解できなかったものの、後に自分も母を亡くして悲しかったことを思い出し、考えを改めている。
ほかDLC『絆の白夜祭』での各子供との会話では、自分の「えいっ」とやっちゃう癖を真似する子に対して、そういうことはしないよう注意する描写がある。パートナーとの生活の中で心境の変化があったのかもしれない。ほか得意の料理を子供に教えたりしているらしい。
他の登場人物からの扱い
仲間内では単なる優秀な兵士と思われているようで、支援会話で初めてその本性が明かされ、相手が絶句ないし戦慄するか、冗談として聞き流すのがお決まりのパターンになっている。
レオンは殺人が忌避される理由を論理的に説明しようとしたが、戦争で殺しが正当化される訳を問われて上手く返答できず、逆に言い負かされてしまった。
フランネルはピエリの無意味な殺しは否定しつつも、狩りで獲物を仕留める快感という点では共感を示し、最終的には意気投合している。
マークスはピエリのことを露骨に贔屓しており、他の臣下からピエリの素行(過去の噂、敬語を使えないなど)について指摘されても許すよう言ったり、DLC『楽園争奪戦』では臣下にあてた手紙に『ピエリ、寂しくても泣くんじゃないぞ』と残したり等、相当に可愛がっている。
本性を知らないだけとも取れるが、更生させようとしたサイラスを咎める描写があるため、おそらく知ったうえでの行動と思われる。首を傾げるような話だが、他のきょうだいも自分を殺そうとした暗殺者や元犯罪者を臣下として重用しているので、暗夜の王族は皆そういうところがあるのかもしれない。
ユニット性能
初期兵種はシリーズおなじみのソシアルナイト。
FEでも割と珍しい2色髪だが、そのかわり彼女の上級職には専用モデルが用意されていない(ソシアルナイト以外の胴体部分のモデルは汎用モデルである。敵として出て来た時の上級職はグレートナイトで汎用モデルだが、色は青のままである。)。上級職に専用モデルがないのはif全キャラクターの親世代だとフェリシア、オロチ、ベルカ、ピエリだけである。
もう一つの素質はダークマージ。
主に力・速さ・魔防が良く伸びる。反面HP・技・特に守備の伸びはあまり良くないという騎馬系としては異色のキャラ。
暗夜の騎馬職キャラは速さが伸び悩むユニットが多い為、回避性能や攻撃の手数を重視した戦法が出来るという点では独自性がある。
但し守備が紙なので不意に突っ込ませると呆気なく死んでしまう為、壁や切り込み役としての運用には向かない。言葉通り「確実に殺す」に特化すべきだろう。
ソシアルナイトなので「救出」を使えるが、味方を助けたら代わりに自分がやられる、ということになりかねない。
技が低いことは、ダークマージでレベルを1上げるだけで習得可能な「呪縛」でカバー可能なものの、耐久を補える「金剛の一撃」「生命吸収」などのスキルが上級職の後半に集中しており、弓矢・暗器といった相性のいい武器も素の資質では使用できず、低レベル体での運用は慎重を要する。
どちらかといえばゲーム後半で、敵の攻撃がピエリでなくとも耐えられなくなるほど苛烈になってきて、殺られる前に殺る殲滅力が重要になる辺りで真価を発揮する大器晩成型のキャラ。
騎馬系として運用するには守備が脆い為バディ・マリッジで弓か暗器が扱える職にチェンジするのもいい。幸い同性の支援相手にルーナがいる為、ルーナ経由からのバディでボウナイトになれる。また透魔編ではカゲロウとも支援が組める為カゲロウ経由ならば扱いやすいスキルが豊富な忍・絡繰師になれる。また、ヒナタと結婚することで兵法者や剣聖になることができる。前者では死線を、後者では剣の達人を覚えられる。特に前者は、勇者系の武器や、後述の疾風迅雷と組み合わせることによって、殺られる前に殺るを徹底した、とがった性能のユニットが出来上がることになる。
専用スキルは「殺戮本能」。
自分から攻撃を仕掛けて敵を倒した際に、力・魔力・技・速さが1ターンの間4上がる。
その性質上「攻め」向けであるが、前述の通り突っ込ませると後が怖いのでアクアの「歌」やスキル・ダークペガサスで入手できる「疾風迅雷」など行動回数を稼ぎながら立ち回るのが効果的。スズカゼと結婚するかカゲロウとのバディ(透魔限定)でクラスチェンジした絡繰師で入手できる「写し身人形」もオススメ。
残りのスキルも「自分から攻撃した際に発揮する」もので揃えれば豪快な攻めが期待できる。
(「疾風迅雷」に関しては単騎限定である点に注意)
但し各種「叫び」とは重複しないので、「叫び」を軸とした戦法とは相性が良くない点に気をつけるべし。
白夜王国編では12章と26章にマークスやラズワルドとともに敵として登場するが勝利条件の関係で戦う機会が少ない。前者は主人公が離脱するだけで、後者は主君のマークスを倒せばいいだけであるからだ。
彼女の名を冠した「ピエリの小槍」は威力は低く追撃されやすい欠点があるが、間接攻撃が可能。また、手槍と違って奥義、必殺が普通の武器同様に発動する。特に手槍が入手しづらい白夜篇では貴重な間接攻撃可能な槍である。
ヒーローズ
属性 | 青 |
---|---|
武器種別 | 槍 |
移動タイプ | 騎馬 |
武器 | キラーランス+→ピエリの小槍(専用) |
奥義 | 凶星 |
A | 魔防3 |
C | 守備の威嚇3 |
配信開始時から実装されている。属性は槍・騎兵。
武器は奥義が発動しやすくなる「キラーランス」。奥義「凶星」は与えるダメージが1.5倍になる。ステータスは原作同様力・速さ・魔防が伸びやすく攻めるときは強いが、守備が低いため仕留め損ねると高確率で沈む。そのため原作同様「殺られる前に殺る」という立ち回りが重要になる。
2019年4月のアップデートでは専用武器「ピエリの小槍」が追加された。キラーランスの上位互換武器で、特殊効果錬成ではHPが満タンでない時に戦闘中の全ステータスが+4される効果が追加される。
関連項目
ファイアーエムブレムif 暗夜王国 マークス隊 マークス ラズワルド
ソワレ:前作覚醒に登場した、初期兵種が同じソシアルナイトのキャラ。こちらはピエリとは対照的に「軍の中で一番、料理が下手くそ」である。
ヘンリー:前作覚醒に登場した、同じく殺人に抵抗を持たぬキャラ。
感情が希薄すぎるヘンリーに対し、ピエリは感情が豊かすぎるタイプであり、性格は対となっている。
ピエリのサブ資質がダークマージなのは彼を意識しているのかもしれない。
なおヘンリーはラズワルドの父親になれるため選択次第では親子二代で殺人鬼と結婚することになる。
クロニエ:本作発売から4年後の風花雪月に登場した同じく殺戮特化女性キャラ。メカクレで、照合してみると髪色以外ほぼ一致。中の人はミドリコで、選択次第で母娘の関係になる。
シャミア=ネーヴラント:上のシリーズに登場の自分から戦闘を仕掛けて敵を撃破すると一ターンの間能力に補正がかかる個人スキル所持繋がり。そのスキル名に『本能』が付いているのも共通。
レギン:ヒーローズ第5部に登場したキャラで一部の性格・口調が似ており、料理得意も共通している。こちらは殺人までは好まないが、真の敵を前にすると……。