フレクト・ターン
ふれくとたーん
『では、始めよう…人類の…救済を』
映画『僕のヒーローアカデミア THE MOVIE ワールドヒーローズミッション』の登場キャラクター。
「“個性”は世代を経る毎に混ざり深化し、いずれコントロールできなくなる」とする《個性終末論》を狂信し、個性を「病気」のようなものと捉えている中年男性で、世界中の“個性”所持者を殲滅せんと企む謎の組織・ヒューマライズの指導者を務める。
真っ青な肌が特徴的で、普段は赤いマントを身に纏っている。
個性は『リフレクト』。
あらゆるものを反射する常時発動型の個性。
外部骨格型装置「アラクネ」を用いて反射に指向性を持たせる事で、空中浮遊なども可能。
ちなみに光も跳ね返すためそのままだと目も見えず、眼窩に埋め込まれたアイマスクによってなんとか見えるようにしている。
本作の一連の事件における黒幕であり、個性因子誘発爆弾の技術を応用した兵器"人類救済装置"を使って「人類の救済」と称した無差別テロを起こすことにより、現在の個性社会を崩壊させようと企む。
彼は、''個性''を敵視するあまり「個性保持者も同じ人間」である点が完全に欠落してしまっており、その結果自身の理想を達成するために非情な手段を辞さず、「個性因子誘発爆弾の作成」をはじめとする研究・実験に多くの科学者やその家族、無辜の民をも巻き込んで強制的に協力させていた。
(本作の主要人物であるロディの父親も研究者であるため、上記の理由からフレクトに攫われた。)
当初はオセオンの警察にヒューマライズのメンバーを忍び込ませることで情報操作や、民間人殺害の容疑者を自身達ではなく秘密のアタッシュケースを持ったロディと交流を深めた別の人物に仕立て上げることで、警察の捜査を攪乱させることに成功する。
その後、徐々にヒーロー達やロディに追いつめられ、その影響で指名手配犯に仕立て上げた人物を追うことができない旨を警察長官になりすましたヒューマライズメンバーから伝えられたことで、次の一手として「世界中の25か所に人類救済装置を仕掛けた」ことをヒーロー達に通達する。
ヒーローたちはそれが罠であることを知りつつも各地でヒューマライズ団員と交戦し、更にデク達が全ての人類救済装置を制御するシステムがヒューマライズ本拠地に存在することを突き止めたことで、今度はヒューマライズ側が徐々に劣勢に追い込まれる。
そしてフレクトは、ヒューマライズ本拠地に乗り込んできたヒーロー三人のうち緑谷と交戦をし、当初は強力な個性によって緑谷を追いつめるが、最終的に彼がオールマイトから授けられた必殺技''ユナイテッド・ステイツ・オブ・ワールドスマッシュ''を炸裂させたことで、フレクトは敗れた。
その後、人類救済装置の起動まであと1分をきったところで、決戦時にフレクトに攻撃されて瀕死のロディに代わってピノが解除キーを制御システムに差し込んだことで、人類救済装置の起動は無事回避され、フレクトはヒューマライズの幹部達と共に逮捕された。
個性保持者でありながら、なぜフレクトは無個性者の救済を目指すのか。
それには彼の生い立ちが深く関わっていた。
フレクトの個性『リフレクト』は非常に強力な個性であったが、その力が強大すぎるため彼の人生に影を落とすこととなった。
(彼も自身の個性をコントロール出来る様に努力はしていただろうが)両親からは一度も抱いてもらえず、友人と呼べる存在もおらず、恋愛をすることも叶わない、他人どころか家族からの温もりも受けられない孤独な人生を強いられることとなった。
自身の将来を悲観し自ら命を絶とうともしたが、その個性故死ぬこともできないという生き地獄を味わうこととなる。
個性によってまともな人生を歩めなかった彼が『個性=悪』の思想を持つのは想像に難くなく、「無個性であること」に憧れた後に、世間的には俗説扱いされている《個性終末論》に傾倒し、ヒューマライズを結成して現在に至る。
- 本編では「無個性の苦悩」が度々描かれていたが、上記したようにフレクトはその逆で「持った個性により苦悩する」という緑谷とは対になるかのようなキャラであり、そして彼もまた、個性社会の負の側面を表しているといえる。
- 強力な個性がフレクトの人生に深い影を落としたことは確かに不憫と言えるが、そのマイナスの感情を八つ当たりのごとく社会にぶつけている時点で彼の思想・行動はテロリスト同然であり、決して許容されるべきものではない。
- ヒューマライズを結成して社会に個性の危険性を訴えている彼だが、その動機は結局のところ自身の私情によるところが大きいため、「無個性者の救済」を本気で考えていたのかどうかは疑問が残るところである。
- 個性保持者へのヘイトが彼の最大の行動原理であることを踏まえると、《個性終末論》を標榜することで自身の思想や行動を正当化したいという思いもあったのかもしれない。
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