概要
『コードギアス_奪還のロゼ』で言及された用語の1つ。
文字通り、ブリタニアに対するバッシングを行なう政治運動であり、ゼロレクイエムで神聖ブリタニア帝国が解体された後にブリタニアの旧植民地で発生するようになった。
解体後のブリタニアはナンバーズをはじめとする差別政策を撤廃して民主的な「ブリタニア共和国」へと生まれ変わったのだが、かつてナンバーズと蔑まれて差別的な扱いを受けた植民地の人々の恨みは深く、ブリタニア人を敵視する者が少なくなかった(元々植民地時代に生活や地位向上のために名誉ブリタニア人となった旧ナンバーズですら、「ブリタニアに媚びへつらい、祖国を捨てた裏切り者」として敵意を向けられていた)。
なお、ブリタニア人との混血がどうなっているかは確認されていないが、紅月カレンや皇サクヤのような例外でもなければその矛先が向いていた可能性はある。
早い話がブリタニアに対する報復であり、この手の運動にありがちな人種の一括りで善悪の見境もなく多くのブリタニア人が被害を受けていた。
その結果、行き場を失ったブリタニア人の受け皿というべきネオ・ブリタニア帝国が誕生する事となり、更なる戦乱へと繋がってしまった。
皮肉にも今は亡き神聖ブリタニア帝国の第98代皇帝シャルル・ジ・ブリタニアが語った「人は差別するためにある」という言葉がブリタニアに降りかかったと言える。
しかし、忘れてはならないのは神聖ブリタニア帝国が存在していた頃のブリタニア人によって多くの血が流された歴史であり、長きに渡るブリタニア側の所業を考えると、ブリタニアバッシングが発生するのは必然と言える。だからといって、何も知らない『孤児院の子供達』にまで矛先を向ける行為が正当化されるわけではない。
それと同時にブリタニアバッシングそのものが、全ての弱者のために戦った黒の騎士団とは似て非なる反ブリタニア勢力であり、黒の騎士団がなってはならないIFの姿であるとも言える。
尚、ユーロピア共和国連合の行ったイレヴン隔離政策に対する報復は明言されていないとはいえ、場合によってはE.U.在住の日本人による報復としてユーロピアバッシングも可能性としては起こり得る問題でもある。
更に言ってしまえば、いくら悪逆皇帝ルルーシュに全ての憎しみを集めてもそれは一時的に過ぎず、身も蓋もない言い方をするのならば、ブリタニア国内ならば『帝都ペンドラゴンを消滅させたナナリーとシュナイゼル、それと手を組んだ黒の騎士団』、遡れば『シャルル皇帝が始めた各国への侵攻』、『中華連邦における大宦官の悪政』、『E.U.で行われたイレヴン隔離や方舟の船団の事件での政府、軍の逃走』などルルーシュ本人が関与しようもないことまでも「全ては悪逆皇帝ルルーシュの仕業」などという強引かつ子供じみた責任転嫁が通じるはずのない事例は必ずどこにも存在しており、ゼロレクイエムも根本的な解決となるには至らなかったとも言える。
コードギアスに限った話ではないが、人々から個や獣性を消し去る道を否定・阻止した以上、いつまでも向き合っていくしかなのだろう。
そして重要なのは、相手を許すという事である。
余談
- 劇場版が公開される以前に、2021年に発売された『スパロボ30』で参戦作品の一つである機動戦士ガンダムNTの敵キャラクターゾルタン・アッカネンがルルーシュに対しての特殊台詞の一つに「諦めろよ!世界を変えても人は変わらないんだよぉ!」と皮肉まじりな正論を発言しており、ルルーシュや他作品の味方キャラクター達からしたら「そんなことはない」と否定するだろうと思われるのだが、「復活のルルーシュ」から数年後が舞台である「奪還のロゼ」を考えると何とも皮肉である…。