概要
世界最大の人口を誇るアジアの連合国家で、神聖ブリタニア帝国とE.U.に並び世界を支配する三大勢力の一つ。共産主義を掲げながらも、天子を国家の象徴としてそれを補佐する「大宦官」による政治を行う君主制度も持ち合わせる。その他、首都である洛陽には議会も設けられている。
シャルル・ジ・ブリタニア曰く『富を平等にしたために怠け者ばかり』と称されている。
大宦官の専横による衰退と転換期
しかし、実態は既に制度としては崩壊しており、大宦官及びそれに近い軍人達による専横によって天子は只の傀儡と化し、人民の生活は崩壊し貧困に喘いでいる。
これらの元凶である大宦官を打倒しようと黎星刻率いる武官達がクーデターを画策しており、ブラック・リベリオン後には『紅巾党の乱』と呼ばれる武官達による反乱も勃発している。
中華連邦の出身者
大宦官
中華連邦各省の代表である8人組の宦官。
まだ子供である蒋麗華を天子の座に据え、国を私物化している。
- 高亥(エリア11総領事)
インド軍区
中華連邦に組み込まれた国の一つだが、「化外の地」と呼ばれ差別されており、独立を望んでいる。
ラクシャータが開発した高性能KMFを日本で製造しているが、先述の差別に対する反発からか、これらの技術は中華連邦側にはほとんど提供していない。
- ラクシャータ・チャウラー(黒の騎士団技術開発担当)
- ガナバティ(ピースマークの技師)
中華連邦の兵器
ナイトメアフレーム
中華連邦ではナイトメアフレームを「騎装兵器」と呼称する。
地上戦艦
- 竜胆
- 大竜胆
ブリタニア及びE.U.との関係
ブリタニアが侵略戦争に乗り出した際には当初E.U.と対ブリタニア同盟を結んでいたのだが、君主制共産主義国家の中華連邦と共和制資本主義国家のE.U.とでは元々思想的に相容れない部分が多く、最終的にはシベリア国境線沿いのサクラダイト鉱脈を巡った対立により同盟は瓦解した。その後も事なかれ主義のE.U.がブリタニア牽制の役回りを全て中華連邦へ押し付ける等の立ち回りを繰り返したため関係は悪化し続け、双方ともブリタニアの侵攻に対して孤立状態になる。
隣国である日本がブリタニアに占領されエリア11となったことは当然ながら中華連邦にとって重大な脅威であり、トウキョウ租界に総領事館を建てるなど一定の交流を持った一方で、裏ではレジスタンスに兵器を密輸したり、過去を想起させる麻薬リフレインを流通させたり、亡命政権を介してエリア11の一部を傀儡政権として独立させるなど、ブリタニアの植民エリア政策を妨害していた。ブラック・リベリオン後も敗退した皇神楽耶達を匿っており、ブリタニアとの関係は険悪であった。
しかし「紅巾党の乱」を鎮圧したグリンダ騎士団の活躍や、民の劣悪な環境を目の当たりにしたオデュッセウス・ウ・ブリタニアの「民が可哀想」という稚拙ながらも国民生活の改善という的確な指摘から、シュナイゼル・エル・ブリタニア主導で融和路線を採ることとなり、僅か一年で天子とオデュッセウスの政略結婚という形での平和的解決にこぎ着けた。大宦官はこの裏で領土の割譲と婚姻によってブリタニアの爵位を得て、自分達だけが得をしようとしていた。
ゼロの復活による大宦官の専横の終焉とその後
R2にて総領事館の一室を乗っ取ったゼロが復活を宣言したが、ブリタニアも丁度ユーロ・ブリタニア弱体化により本国軍とナイトオブラウンズをE.U.戦線に投入した為に戦力不足となっており、加えて政略結婚が秒読み段階だったため中華連邦との戦争を避けなければならず、復活したゼロが総領事館内にいても迂闊に手が出せず、国外脱出を許すこととなってしまう。
最終的に、星刻率いるクーデター派の武官とゼロを排除するべくブリタニアは急遽政略結婚を行おうとするが、ゼロによって大宦官の密約が露呈して全てが水泡に帰す。
大宦官が処刑されたことで中華連邦は一時軍閥が割拠する混乱状態に陥ったが、黒の騎士団と星刻派によって平定され、構成各国が平和的に独立して中華連邦は解体され、中華連邦自体は合衆国中華へと生まれ変わり、対ブリタニアの連合国家・超合集国の基盤となる。
背景
この国は、恐らく漢王朝と三国時代の中国をベースにしている。中華連邦に導入されている統治システムは、(モンゴル人の支配者により、元朝の首都として築かれた北京とは対照的に)漢王朝の歴史的な首都だった洛陽から国の大部分を運営する大宦官たちにより、三国以前(漢)と三国(呉、蜀、魏)時代の政府機構に似通っている。
戦闘の中で関わっている地域はすべて(小沛、徐州、剣門関)は三国時代に存在した地域で、さらに主要な例として、大宦官のメンバーも含め、三国時代の古風な姓がしばしば登場している(周香凛、曹)。劇中に登場するこの国の男性名は(近代の中国における三音節の名ではなく)二つの音節を持つ名が多く、中華連邦が大まかに『三国志演義』に基づいていることを信じる理由の一つになる。
さらに、天帝八十八陵と、言及されている88人の天子の存在は、それぞれの天子が各自25年程度の統治を行い、王朝が途切れることなく紀元前127年から継承されてきたことを暗示しており、その時代は漢王朝がその絶頂期にあった時期にあたる。
第6話の最後で、神聖ブリタニア帝国第98代皇帝は演説の中で、中華連邦が富の公平な分配により怠惰な人間の集まりと化したと語っている。これは毛沢東時代の中国(平均寿命が増大したにもかかわらず三年大飢荒を起こした)、もしくは同様に平等主義的な起源を持つ太平天国の乱のアナロジーのように見える。
中華連邦はジョージ・オーウェルのディストピア小説『1984年』におけるイースタシアとほぼ同じ国境線を有しているが、神聖ブリタニア帝国とオセアニアの間の確かな類似性を考慮すれば、驚くにはあたらない。最終的に、皇帝が第6話で述べたことが真実とするならば、中華連邦は「共産主義」国家であることから、イースタシアにさらに似通っていることになる。