モンスターハンターシリーズの顔、そして看板として、シリーズ皆勤賞である火竜リオレウス。
ゲーム内でも「天空の王者」「飛竜の王」などと誉れ高い扱いを受け、代々強大なモンスターとしてハンター達の前に立ちはだかってきた。
そのワイバーン然とした王道的デザイン、そしてモンスターハンターの顔を勤めている事からプレイヤー達からの人気も高い。
そして、いざ戦ってみると「高高度まで上昇し火球ブレスを放つ」「滞空状態になると蹴りで急襲してくる」など、まさしくコンセプトの「天空の王者」を意識した戦闘スタイルを持っていることがわかる。
…が、この戦法が王とは言いがたい戦い方だ、などと言われる事もある。
というかリオレウスは「ストレスを感じるモンスター」としてよく槍玉に挙げられ、そして一部では「ヘタレウス」などと呼称され蛇蝎のごとく嫌われているのだ。
MHP2G以前では
いわゆる「旧大陸」と呼ばれていた頃のリオレウス。
この頃から高い攻撃力などを有し、初見のハンターは間違っても太刀打ちできないような強敵だったが、よくよく行動を観察して見ると
「ただその場で垂直に飛び上がり、こちらの攻撃が届かない位置から、火球を放つか蹴るかした後に普通にそのまま垂直に降りてくる」
という行動を延々と繰り返すだけであり、落ち着いて立ち回っていればぶっちゃけそんなに強い印象がある存在でもなかった。
◆行動
- ワールドツアー
恐らくリオレウスがへたれ呼ばわりされる事になった最大の原因。
広大なエリアを飛び回りながらハンターを捕捉、その後咆哮をあげながら勢いよく滑空してくる技なのだが、そのエリア周回の時間が結構長く、ハタから見れば「ただそのエリアを長時間飛び回るだけ」というただの時間稼ぎとも取られかねない行動にしか見えないのである。
滑空に関しても攻撃性能が下手したらその場で全く動かなくても当たらないという残念性能。
滑空した後も勢いあまり、エリア外にカッ飛んだりする。そうなった場合リオレウスが元の位置に戻るまで移動するため、更に時間を食う。やっと降りてきてようやく攻撃できる…なんて思ってたらまたワールドツアーなんて事になったらそりゃストレスも溜まるだろう。
- 上空からの攻撃
真上へ空高く舞い上がり、上から蹴り、火球ブレスを放ってくるのだが、こちらの攻撃が届かないような場所で(ガンナーなら届くが)延々と攻撃してくるもんだからツライ。
しかも飛び上がられたところでこちらが真下にいれば全く攻撃が当たらず、お互い攻撃が当たらずただ時間だけが流れていく事も、プレイヤーがストレスを感じる理由だろう。
- エリアチェンジの頻度
これもかなり有名。当時のリオレウスの移動頻度は現在では考えられないほど不自然に高く、飛んで移動することからどこへ向かったのか分かりづらい、クエスト開始直後から移動しまくっているためそもそもリオレウスが見つからない、ということもザラであった。
やっと見つけていざ戦闘…と思ったら上記のワールドツアーを使用され、そのままエリア移動なんてされた日には泣きたくなるだろう。
…こういったまるで時間を稼いだりプレイヤーから逃げているかのような行動からプレイヤーからは「ヘタレウス」「空の王者(笑)」といった蔑称で呼ばれるようになってしまったというわけである。
実際に彼との戦闘での一番の失敗理由は時間切れである。
とはいえ、この時代のモンスターは全体的に仕様が荒削りで、モンスターの思考AIがまだ未熟だった事も理由にあるため、仕方ないところもあったりする。
…だがしかし、MH3以降からは技術の向上に加え、これらの要素が見直され、大幅にスタイルを変更した。
MH3以降では
いわゆる「新大陸」と呼ばれるようになった頃のリオレウス。
多すぎたエリアチェンジの頻度は普通のモンスター程度に抑えられ、ワールドツアーはかなり頻度が減り作品によってはあるステージ限定、などのように扱われた。
戦闘スタイルも大幅に変わり、ハンターの攻撃が届く位置である低空飛行(ホバリング状態)で攻撃してくるスタイルへ形を変えた。
これでもうヘタレなんぞとは言わせない、積極的に襲ってくる天空の王者らしい姿となった。
と思いきや…
◆行動
- 低空飛行
(特に剣士が)全く攻撃する事が出来ない時間も多かった過去作と比べ位置が下がったため、比較的攻撃を通すのは容易とはなったとはいえ、ホバリング状態では主に脚や垂れ下がった尻尾ぐらいしか当たる部位がなく、リーチの長い武器種ならともかく片手剣や双剣の様なリーチが短い武器使いは中々攻撃出来ないという状況となってしまった。
また人にもよるが、低い位置から迫ってくる姿が「なんか迫力がない」と言われてしまう事もある。
- 風圧
羽ばたきながら迫ってくるのだから当然風圧はくる。
特にガードが重要な役割を持つランサーなんかは度々風圧に動きを止められ、何もできないうちに被弾…という事になりやすい。
- バックジャンプブレス
最も凶悪な攻撃。地面へ火球を放った反動でそのままホバリング状態に移行する技。
新作リオレウスといえばこの攻撃ともいえる。ノーモーションでしかもカウンター気味に真横にいようがぶち当ててくるこの攻撃にイライラさせられるプレイヤーも多いかもしれない。
- 機動力
空の王者らしく、空での機動力はひたすらに高いものとなった。空中でもまるで地上で動き回るが如く激しく暴れる。そのため中々付け入る隙を与えてくれない。特に希少種あたりは物凄くすばしっこいので殆ど一方的な戦いになることも…
空中での行動が厄介になった分、飛行一辺倒になったこのリオレウスはかなり手強い。
と、こんな具合に今度はホバリングを多用してくる様から、ろくな戦いにならない事こそあれ空高く舞い上がり、広大なエリアを悠然と飛び回っていた以前の姿と比較され「低空の王者」と皮肉交じりに呼ばれるようになってしまう。
また機動力も強化されたため以前と比べて「クソモンス」呼ばわりされる事も多くなってしまった。
羽ばたきながらハンターを追い詰める姿は彼の「高い飛行能力をもつ」という設定を上手く表しており、ただその場で飛んで降りてを繰り返していた旧作よりも生物めいた姿となったと言えるのだが、空中でも機敏に動き回る全く別物になった戦闘スタイルはどうしても人を選ぶらしく、特に着地点で溜めながら待ち伏せできた大剣やハンマー使いからの評価は凄まじく悪い。
そんなこんなで、一部からは圧倒的な存在感を放つ強敵というよりは「ただ面倒なモンスター」「クソモンス」と酷評されるに至ったワケである。
へたれ扱いも未だにされており、現在でも「チキン飛竜」「ヘタレの王者」ならまだしも「フライドチキン」「ハエ」などあんまりにもあんまりな言われ方をされる事もある。
というかもうここまできたら単なる悪口じゃなかろうか
MHP2G以前のリオレウスはあんまり強くなかったこともあり、「へたれ」という呼び名も幾分「愛称」のニュアンスも含まれていただろうが、
MH3以降からは以前よりめちゃくちゃ強くなったこともあり憎悪剥き出しのマジな蔑称として使われることも多く、むしろ扱い悪化してると言えなくもない。
…ここまでくるとモンスターハンターの看板と言える存在なのに
「天空の王者」らしく空高く舞い上がればへたれ、ハンターにも攻撃が届く位置まで高度を下げれば「低空の王者」と呼ばれるリオレウスが不憫な気もする。
こんな具合にボロボロに言われてきたリオレウスであるが、MHWでは行動の低速化、隙の増加など戦いやすくなるような調整をされた。
MHWでは
今作ではリオレウスに限らず、モンスター全体にリアリティが追求されており、無理のない自然な挙動を振る舞うようにモーションが変更、または追加されている。
空中にいる時の行動は相変わらず厄介だが、今作からは明確に「地上モード」と「飛行モード」に切り替えて戦う、というスタイルに調整された。
従来までは地上行動と空中行動に区別がなかったため、仮に地上に降りてきても何かの拍子にすぐ飛び上がる…といった問題があったのだが、
この調整で空中である程度戦った後はモードを切り替え、しばらく地上で戦う、という思考ルーチンとなったのである。
地上での行動は大幅な弱体化を受けており、目に見えて「今がチャンスだな」と分かるような動きとなっている。
飛行時も飛行時で全く手がつけられないわけでもなく、攻撃前後の隙の増加、飛行位置の低空化など、色々な調整を受けており、
ハンター側にも「環境利用」などのシステムが導入される等、戦いやすくなるような要素が多数追加された。
そんなわけで、MHWのリオレウスには好評価も比較的増え、「歴代で最も戦いやすい」と評価する声も挙がるようにもなった。
…とはいえ、まだまだへたれ扱いされることも多い。
- 森
彼の支配するフィールドである「古代樹の森」は非常に入り組んでおり、一度リオレウスがエリア移動すれば、追いつくのは容易ではない。
やっとこ追いついてまたエリア移動なんてされれば、倒すのも一苦労。
また一つ一つのエリアが狭く、しかもリオレウスは全く気にもせず暴れまわるため、戦いづらくなることも多くなるだろう。
- 拘束技
今作のリオレウスの拘束技は今までのように「押さえつけて食いかかる」ものではなく、「掴みかかって投げ飛ばす」というものに変更されている。
威力こそ低いが、どちらかというと「他の技へ繋げる」という意図で使用してくる。そして使用頻度がそれなりに多い。
投げ飛ばされ→蹴られる→また掴まれて投げ飛ばされる→火球でトドメ
なんてされる事も…
さすがに毎度こんなことをしてくるわけではないが、もしこんなハメみたいな事をされればイライラもするだろう。
- 閃光耐性
2作目のアイスボーンからは、リオレウスだけではないがマスタークラスのモンスターに閃光耐性が付与されるようになった。
具体的には全く閃光が効かなくなる、ということではないが「1度食らうとしばらくの間は効かなくなる」というもの。
今作からはいつでもモンスターに張り付いて攻撃することができる新要素「クラッチクロー」が追加されており、空中にいるモンスターに対応する手段が増えたための調整と思われるが、
言うに及ばずリオレウスに非常に高い効果を発揮していた手段が弱められてしまったのはかなり痛い。
ワールドシリーズのリオレウスは比較的狩りやすいと評価されていたのだが、この仕様の追加によってまた酷評の数も多くなってしまっている。
さらに今作の亜種は相当厄介なものに調整されているため(該当記事参照)、やはりまだ悪評も絶えない。
しかしながら、森と閃光の耐性はリオレウスに限った条件ではなく他のモンスターにも当てはまる。
むしろリオレウスは森の罠がある所にも積極的に向かう為、救済はいくらでも存在する。
また、アイスボーンからの新要素であるクラッチクローとの相性が良く、低空飛行中も他の飛行モンスターと比べ落とされにくい。
さらに加えるならば、ワールドからは低空飛行中でも風圧を気にする事も少なくなっており、近接戦闘をするならばいっそ足元に入り込めば、亜種であっても思いのほかしっかり戦えたりする。
総じて、ワールドのリオレウスにヘタレ扱いされるような要素はかなり少なくされており、比較的しっかりと戦えるモンスターに仕上がってるともいえる。
ムービー内では
ゲーム的にへたれ扱いされている彼だが、それ以外にもゲーム内の描写からへたれ扱いされる事も多い。
◆ムービーにおけるリオレウスの活躍
初代やMH3のものを見てみると、リオレウスの狩りの様子が描写されている。
その両者に共通するものは大体ランポス、ジャギィなどの小物から獲物を横取りしているというもの。
もっというとMH3では横取りした後に「大海の王者」ラギアクルスが現れるのだが、ちょっと威嚇した後その場から獲物を持って逃げ去るという行動に出ているのである。
この描写から「自分で狩りをしない卑怯者」「弱い相手にしか強く出れないヘタレ」というふうな扱いをされたりする。
しかし自然の世界に落とし込んでみれば「体力の消費を最低限に抑え食物を得る」のは自然に生きる生き物として当然のことであり、現実でも生態系において上位の捕食者が下位の捕食者から食料の横取りを行うことは日常茶飯事なのだ。
ラギアクルスが現れた時点で獲物を得ていたリオレウスがわざわざ戦う理由は何一つなく、縄張りを侵されたわけでもないし目的も達成したんだからその場を去るのも当然の行動であるし(むしろイャンガルルガの様に命の危機を顧みず好き好んで争いを仕掛ける生物の方が極めて異常なのであって)、リオレウスも野生に生きる動物であると考えれば、これは色々な意味で当たり前の行動と言える。
獲物を横取りするのも、単に狩りをして体力を消費するより他者から奪う方が効率的だから(生きるための行動)であり、むしろ他者から獲物を横取りできるのはリオレウスのような「強者」の特権でもある。
その後、続編のMHXでは飛行中に「電の反逆者」ライゼクスと戦闘する様子が描写されている。
この内容を見てみると、
- 飛んでいたリオレウスにいきなりライゼクスが急襲
- リオレウスが逃走しライゼクスがそれを追いかけ回す
- 迎撃に移ったリオレウスとライゼクスがもみくちゃになりながら転落
- 最後はライゼクスにマウントを取られ、そのままフェードアウト
というもの。
こんな内容からなおのことヘタレ扱いされたことは最早言うまでもない。
しかし、このリオレウスの行動もちゃんと理にかなったことであり、
いきなり不意打ちで来られたんだから態勢を整えるために一旦逃走するのは間違いでもなんでもない。もっと言うとライゼクスは本調子である電荷状態へ移行している上に、リオレウスの苦手とする雷属性を操る。
というかリオレウスもある程度逃げた後迎撃に移っており、ライゼクスの追撃を避けて、何度か上を取り蹴りも数発お見舞いしている。
最終的に組み敷かれはしたがよくみると口から火を噴き出しているため怒り状態になっていることが分かる。
基本的に自分と同格の存在が現れた時は極力戦闘を避けているためへたれ呼ばわりされる事が多いのだろうが、自然界においては命を落とすリスクのある戦闘は避けるのが普通である。
とはいえ、戦いそのものを好むような生物として異常なものもいるにはいるが。
…まぁしかし男子たるもの、モンスター同士の熱い戦いを見てみたいと考える気持ちは間違ってない。決して間違ってはいない。
しかし、後の作品であるアイスボーンでは同格の存在である歴代看板モンスター達に正面から猛然と襲いかかる姿を見せており、単に必要がない時以外はむしろ積極的に戦いを挑む事が窺える。
というか本当にそんな臆病な性格なら「飛竜の王」とか大層な称号はつけられないと思うが…
総括
よく空を飛ぶとは言っても、行動を妨害してくる風圧を防ぐために「風圧無効」をつける、飛び上がったリオレウスを地面に引きずり下ろすために閃光玉を用意しておく、バックジャンプブレスに対応するために「耳栓」をつけるなど、スキルやアイテムを自分のプレイヤースキルに応じて準備しておけばかなり快適に立ち回れる相手である。相性の悪い武器種であっても戦い方によっては優位に立ち回る事も可能。
弱点もそれなりに多く、準備さえしっかりしていれば全く理不尽なモンスターであるとは言い難い。
それ以前はともかく、MH3以降のリオレウスはゴリ押しが通用し辛く、「モンスターの行動分析とそれに応じた事前準備を考える」というモンハンの基本理念がより重要になってくるモンスターとも言えるため、この様に評価の差も大きくなってくるのかもしれない。
また否が応でもこのような対策を用意する事を強制されてしまい、狩りの自由が制限されてしまうという点も彼に批判が寄せられる事の一端であると言える。
飛行に特化し、「天空の王者」と呼称されるリオレウス。
結局「空中がホームグラウンド」という設定上、ハンターが戦いづらいというのは最早必然であり、悪評もある程度仕方のない事なのかもしれない。
とにかく散々な言われようだが、前述した通り「ヘタレウス」などの呼び方は「愛称」ではなく「蔑称」である。
モンスターハンターの看板として、単純に彼に好意をもっているプレイヤーも決して少なくない。
本人にその気は無かったとしても不毛な争いに発展する恐れもあるので安易に使うのはよろしくない。
他にもいるヘタレの皆さん
こんな風にやたらとリオレウスばかりが引き合いに出されがちだが、実はヘタレモンスターというのは何もリオレウスに限った話ではなく、他にも結構いたりする。
例えば、
- 天井に張り付き降りたと思ったら再度天井に張り付くフルフルやギギネブラ、ショウグンギザミ
- 地面に潜ってばかりいるモノブロスやディアブロス、ダイミョウザザミ、アグナコトル
- エリア移動ギリギリのところやマグマの中などで熱線や龍光弾ばかり放ってくるグラビモス亜種、ジンオウガ亜種
- ハンターの間合い外から蜘蛛の糸や泡などトリッキーな独自攻撃で翻弄するネルスキュラやタマミツネ
- リオレウスを超えるレベルで低空飛行し続け、風圧でハンターを寄せ付けない…だけでは飽き足らず、翻す様な移動と下がりながらの攻撃により行動の大部分が逃げと待ちになっている上に大量の設置技でハンターの行動を阻害する4~XXのクシャルダオラ
と作品の仕様次第でそういった要素を持つモンスターはそれなりにいる。
リオレウスだけがここまでへたれ呼ばわりされるのは、モンスターハンターシリーズの看板であり、ハンター達にとって無くてはならない存在だからなのかもしれない(高空と低空を行き来するというMHP2G以前の戦闘スタイルがハンターから見て「逃げ」を彷彿とさせるというのも否定できないが…)。
そして…
ワールドにて調整は見受けられたが、それでもイメージが大きく変わる事はなく、
へたれだのチキンだのと一部から散々な罵声を浴びせられ続けてきたリオレウス。
そして月日は流れ、ワールドの次作品にあたるMHRiseの発売が予告された。
シリーズの看板として当然彼の登場は確定されていたものの、ハンターからの反応は嬉しい者には嬉しい反面、一部からは「もう来なくていいよ」とまで言われてしまう始末であった。
そんな複雑な評価の中、いざ発売された作品内でハンター達が見た物は…
今までの評価を良い意味で裏切る、全く新しくなって帰ってきたリオレウスだった。
今までリオレウスに挙げられてきた不満点が全て改善され、戦いやすい相手として大幅に刷新されたのである。
- 「飛行状態」の撤廃
ワールドでは「地上モード」「飛行モード」を切り替える、と言う形で対応されていたものの、今作ではその飛行モード自体がなんと撤廃。
「戦闘の基本としては地上で行い、あくまで攻撃の一環として飛行を用いる」というスタイルに変更されたのである。
今まで高評価されていたライゼクスの動きを取り入れたような形であり、飛び上がったとしても、攻撃が終了すればすぐに着地する。
- 隙の大幅な増加
リオレウスに限らず、ライズでのモンスターのほとんどには顕著なのだが、攻撃の直前には分かりやすく身体を動かしたり、攻撃した後には大きく威嚇したりするような動作が多数追加された。
モンハンの主軸であるいわゆる「ターン制バトル」の印象が色濃く表れており、相手の攻撃を凌ぎきれば、今度はこちらが攻撃を仕掛ける番…といった「駆け引き」を楽しみやすくなったのである。
これだけ様変わりしたというのもかなり驚きではあるが、こちらが付け入りやすくなったという事は、リオレウスにとってはかなりの弱体化を受けたという事に…
というわけでも決して無い。
むしろ攻撃面に関しては歴代史上最も強化されていると言って良いほど苛烈になっており、
それこそほんの些細な油断が命取りとなるレベルの圧倒的火力をもつことになった。
閃光耐性に関しては廃止になるどころかしっかり続投しており、墜落させても直ぐに立ち上がり、何度か喰らわせると一切効果を受けなくなってしまう。
空中からの攻撃は今まで以上に痛烈、閃光耐性をもち空中行動を制限させるのは困難。
だがこちらが付け入りやすい隙は大きく、こちらの攻撃をしっかり通す事は可能。しかしあまり調子に乗るとかなりの痛手を負う…
といった具合に「空中からの攻撃は脅威」という印象はそのままに、「相手の攻撃を凌ぎ切れば反撃のチャンスはある」という「リオレウスの強大さ」と「戦いの楽しさ」を両立させた評価を獲得したのだ。
総評して、ここにきて彼は
名実ともに「天空の王者」、「シリーズの象徴的存在」と呼ばれるに相応しい実力者として評価される事になったのである。
これから先、リオレウスは恐らくこのモーションが基礎となると思われる。
「ヘタレウス」…などの蔑称は、もはや過去の話になるのかもしれない。