「オレが恐れるのはただひとつ。正義を失うときだけだからだ!!」
「それでもオレは人間を愛している」
CV:小西克幸
概要
『終末のワルキューレ』におけるギリシャ神話最強の英雄と謳われる半神半人・ヘラクレス。
神VS人類最終闘争(ラグナロク)において神側の闘士として選ばれ、第4回戦にて出場し、人類側の闘士であるジャック・ザ・リッパーと死闘を繰り広げた。
人物像
赤茶色の髪をした大柄の青年で、右半身には刺青を入れている。
性格は爽やかな好青年で、ワルキューレ達からも「兄様」と呼ばれ、他の神々からも同じく元人間の神とは対照的にヒーロー的存在として慕われている。
元人間であるが故に、多くの神々とは違って人類の終末には反対しており、ラグナロクでが自身が神代表として勝った際は人類を守るべく働きかけるつもりでいる。
義兄弟であるアレスからは、その強さの本質は神であるアレスのみならずゼウスにすら不屈を通した「強靭な心」であると言われており、何者にも屈せずに何度でも立ち上がることから『不屈の闘神』と呼ばれている。特にアレスからの信頼は厚く現在ではヘラクレスの足元にも及ばないが後述の過去の出来事から、ヘラクレスを誇りに思っておりヘラクレスと拳で語り合えたことも誇りに思っており、自分にとって最高の神友とまで断言する程。
一方でブリュンヒルデは内心でその強い正義感を見下していたらしく、彼の対戦相手には最初からジャックを選んでいたらしい。
しかし真相は『かつて誰よりも人間の可能性を信じていたはずの兄がラグナロク時に神側に着いた事への失望』というが正しいと言え、ヘラクレスが死亡した際にブリュンヒルデは人類側の闘士達と共に弔い、ラグナロクが終わった後には姉妹達を死なせた責任を取って自分もヘラクレスの後を追って死ぬ様な発言をしていた。
ブリュンヒルデが対戦相手としてジャックをぶつけたのもそれが理由であり、
『ヘラクレスの尊厳を守りつつ勝つ方法を模索した結果』と言える(仮にノストラダムスを除く他の人類側闘士と戦いヘラクレスが敗北していたら『人類を勝たす為にわざと負けた裏切り者』という烙印を押されてしまう事をブリュンヒルデは危惧していたと言える。)。
ヘラクレスは後述の過去にて「神に堕ちよう」と言っていたが知らず知らずの内に文字通り「神へと堕ちて」しまっていたと言える。
しかし最後の最後に妹達の真意に気付き跡を託している。
過去
神話ではゼウスが人間との間にもうけた息子となっているが、本作ではゼウスとの血縁関係はない。
人間時代はアルケイデスの名で、ギリシャの都市国家・テーバイで暮らしており、当時から正義感の強い性格だったものの、今とは正反対に非力だったらしく、悪いことをした相手に立ち向かっては返り討ちに合うことが日常茶飯事だった。
それでもそんな性格ゆえに、親友・カストルをはじめとした多くの人から慕われており、自分の正義を貫くためにと時間があれば己を鍛え続けた。
そんなある日、天界の人類存亡会議で人類を少し痛めつけようという判決が出てその場所がデーパイだったため、テーバイを縄張りとするアレスが軍勢を連れてテーバイへと降臨する事態が発生。
カストルを含めたほとんどの人間が絶望し怯える中、アルケイデスは屈することなく立ち向かうため、テーバイの神殿に納められていたゼウスの血(アムブロシア)を飲む。
人間が飲めば肉体が耐え切れずに崩壊してしまうアムブロシアに耐え抜いたことで神であるゼウスの力を手にすると、単独で神軍の先鋒を壊滅させ、大将であるアレスと互角に戦い抜いた(アレス曰く、長引いていれば自分が負けていたとのこと)。
見かねたゼウスに介入して戦いを止められるが、アルケイデスを地上に置いておくと面倒になりそうと手元に置いておいた方が良いと考えたゼウスから神になるよう提案され、それを了承する代わりに今後一切人類に仇さないことを誓わせた。
以降は神となる証として十二の難行を見事成し遂げ、ゼウスの正妻であるヘラに因んでヘラクレスの名を与えられることになった。
戦闘スタイル
神話通り怪力を誇るが、無論これは屈強な筋肉を持つゼウスの血を飲んだ結果と言える。武器は先端部がライオンの頭部を模した棍棒。
独自の能力として、十二の難行を成し遂げたことで習得した十二の災禍と罪過(エルキュール・エクソダス)があり、前述した刺青はこの能力によるもの。使用するたびにこの刺青が身体に広がっていくが、1mm広がるだけでも普通の神なら失神するほどの激痛に苛まれ、全身に広がってしまえば完全消滅するというリスクを抱えている。
技一覧
- 第一の御業:大地を喰らう咆哮(ネメアの獅子)
棍棒からライオンの頭部を模した凄まじい衝撃波を放つ。
由来は勿論、第一の難行であるネメアの獅子の討伐から。
- 第六の御業:飄風を呼ぶ鳥(ステュムバリデスの怪鳥)
棍棒の先端部を鳥の頭に変化させて突風を放つ。
由来は第6の難行であるステュムパーリデスの鳥の討伐から。
- 第七の御業:怒れる奔牛の蹄(クレタの牡牛)
棍棒の先端部を牛の頭に変化させる。ジャックの攻撃により不発となったため詳細は不明。
由来は第7の難行であるクレタ島の牡牛の捕縛から。
- 第十二の御業:冥界より出でし厄災(地獄の番犬ケルベロス)
棍棒を上空に投げて、冥界へとつながる空間からケルベロスを召喚してその身に纏わせる。「十二の災禍と罪過」の中でも圧倒的な破壊力を生む反面、その代償も大きく、相手を屠るか刺青が広がり続けヘラクレス自身が死ぬまで御業が終わらない禁断の技。
由来は第12の難行であるケルベロスの生け捕りから。
- 大英雄の拳(アフェリス・ヘロス)
巨大化させた拳で殴り飛ばす。
ギリシャ語で「純真な英雄」を意味する。
登場時の謳い文句
ネメアの獅子を・・・
地獄の番犬ケルベロスを・・・
素手で屈服させた剛勇!!
与えられし十二の難行を突破し
半神半人の神へと昇った!!
地上と天上にあまねく光をもたらす
正義の使者!!
剛勇 無双
ヘラクレース!!
余談
- アムブロシア
本作では「ゼウスの血」となっているが、神話上では不死の効能を持つ神々の食物であり、英雄アキレウスも軟膏として肌に塗っていたことで知られている。
- カストル
人間時代の親友として登場したカストルだが、神話上ではヘラクレスに武術を教えた師匠であり、共にアルゴナウタイに参加している。なお実際の神話では、テーバイ人ではなくスパルタ人である。
- 実際の神話での人物像
本作では正義感の強い善神として描かれているヘラクレスだが、実際の神話ではかなり性格に難のある人物として描かれている。
一応、不義の子として生まれたが故にヘラの嫌がらせとして発狂させられたのも影響しているが、実の妻子を含めて多数の人間を殺害しており、父ゼウス譲りの女癖の悪さが災いして敵に唆された妻に殺害されるという末路を遂げている。
- スピンオフでは…
本作の第1回戦にて出場した呂布奉先の生前を描いたスピンオフ作品『終末のワルキューレ異聞 呂布奉先飛将伝』では、ローマ編において「ヘラクレスの血を承けし者(リターン・オブ・ヘラクレス)」と謳われる剣闘士・オクタヴィヌスが登場する。
暴君コンモドゥスのお気に入りで50戦連勝という戦歴を誇ったことからこの二つ名で呼ばれるようになったものの、他の剣闘士たちと違って呂布の実力を見抜けず、異民族(バルバロイ)と侮った結果瞬殺されるという噛ませ犬であった。
- 考察
読者からは『ヘラクレスが人類側で参加していたら』という考察がされる事がある。
- 中の人ネタ
ヘラクレスを演じている小西氏とブリュンヒルデを演じている沢城氏は別の作品で本当に兄妹の役を演じている。