概要
くもの大王の上位種に当たるモンスター。金色の雲に乗った魔人。
『ドラゴンクエストⅦ』では過去の聖風の谷地方に現れ、邪悪な黒雲で風を止め、風を浴びて力を得る民族であるリファ族を困らせていた。そして前座のやみのまじんをぶちのめしたあと真の元凶として登場。
強そうな見た目どおり威厳ある態度とかなりの実力でプレイヤーからさん付けや先生呼びされるカリスマを持つ。自身に「このヘルクラウダー様」と様付けするちょっぴりオチャメなところはあるが、そこもヘルクラウダーさんの魅力だ。
はっはっはっは！ 大したものだ！ 恐れ入ったぞ！
この像から 見事に黒雲を払いのけるとは！知恵も勇気も人間にしては 上出来だ！
だが この地に風を戻したくばこの ヘルクラウダーさまを倒さねば ならん！
勇気のほどを 見せてみろ！ かかってこい！人間ども！
その強さ
今作のシナリオ本編で最も苦戦を強いられやすい屈指の難敵で、強烈に印象に残りやすいボス。
そのあまりの強さゆえ、その後しばらく後続するボスたちの敵としての印象がほぼ空気になってしまっているほど。
まずHPは3000を越え、これまでのボスに比べて500近く高い。あとは攻185・守91・素96。1～2回行動。
見た目どおり「バギ」系の攻撃は通じない（あと吹雪系が強耐性で4割くらいまで減る）し、ボスなので状態異常も効かない。そして軍隊系への完全耐性を持っているため、それまでのボス戦で御用達だった「とおぼえ」や「どとうのひつじ」も完全無効。
これら以外の属性には耐性がないため、逆に炎系でも使っとけば通りが良い。この辺はヘルクラウダーさんの良心か。
しかしコイツ自身の攻め手は結構強く、バギ系の高威力の特技である全体攻撃「しんくうは」（90くらい）や単体攻撃「かまいたち」（110くらい）を放ってくる。こちらは最大HPが200越えてたら御の字という時期であり、一発で半分くらい削られ、またその時点では軽減手段も少ないためあまりにツラい。
PS版では耐性呪文「マジックバリア」で特技も軽減でき、せいれいのよろい、メルビン・ガボの素の耐性などバギ耐性を持つものもチラホラあったが、3DS版ではそれらが皆撤廃されてしまった。
バギ系特技への耐性を得るにはまほうのほうい、マジカルスカート、プラチナメイルなどの装備かモンスター職が必要で、そのうえ「しんくうは」や「かまいたち」のダメージが20程度増しているのでなおさら危険。
しかも行動にローテーションなどの一定のパターンがない運ゲーとしての要素もあり、対策という対策を取りづらいのも厄介。
調子がよければ2回行動からの「しんくうは」や「かまいたち」も自重しないので、運が悪いと「しんくうは」2連発でなす術もなく複数の味方が一撃死するデスコンボに見舞われる…が、逆に1回行動ばかりでこれらをあまり使わないヌルゲー仕様になる事もある。こればっかりは運次第。
そのうえ、仲間呼びでベビークラウドを呼び出すことまである。
こちらは攻撃力は低いものの、高い素早さで「ラリホー」を使い鬱陶しく足止めしてきたり、「バギマ」の全体ダメージでチクチク削ってきたりと無駄のないアシストを披露する。
回復は行わないのが救いだが、本来ザコとしても少し後に登場する敵であり、HP 188と単体で見てもかなりタフで、一撃で一掃するのは難しい。
唯一、ベビークラウドには状態異常が通用する弱点があるので、「メダパニダンス」や「ステテコダンス」などで行動を封じ無力化しておけば安全。
ボス戦ではザコをいくら倒しても経験値やゴールドが増えるわけではないので、こいつらを黙らせたうえでヘルクラウダーを叩こう。
また、よりにもよってこのイベントの直前でマリベルがパーティーから一時離脱してしまうことも戦闘の難易度を一層引き上げている。
マリベルは素の性能やキャライメージから僧侶や賢者等の回復役となっていることも多いが、その離脱直後に代わりに仲間になるのは踊り子兼戦士のアイラ。
つまり主人公、ガボ、メルビンをアタッカーとして育てていた場合アイラもアタッカーキャラなので全員アタッカーの脳筋パーティの完成である。
魔法や回復のリソースが全くない状態ではもちろん勝てるわけがなく、力押しするにはレベルをかなり高く上げる必要がある。
ぐっ ぐふっ……。バカな……。きさまらは いったい……
私が 油断していたのか……。いや そんなはずはない……
人間とは なんだ……。信じ合い チカラを束ね……
3DS版
クリア後に追加される配信石版「なつかしき友の記憶」にもボスとして登場。
キーファの試練の最後の障壁として立ちはだかり、彼を戦闘不能に追いやる。そのまま止めを刺そうとしたところで主人公達と戦闘になる。
この時わずかにセリフがあるが、「グフ…グフ…」と下卑た笑い声（？）を発する程度。間違いなく別個体と思われるが、清風の谷にいた個体がずば抜けて強かったエリートなのか、こちらの個体が単に言語能力がないだけなのかは不明。
『ドラゴンクエストⅨ』
ラストダンジョンの「絶望と憎悪の迷宮」などで普通のモンスターとして登場する。
通常モンスターになったので強さは大分引き下げられ、ベビークラウドも呼ばないが、それでもラスダンのモンスターだけあってそれなりに手応えのある奴で、「つきのはどう」で攻撃力を下げてきたり、「はげしいイナズマ」で30～40ダメージくらいの全体攻撃をして来たりとなかなか攻守揃った敵。
見た目どおりというべきか土・風・雷属性半減だが、光属性が苦手で2倍のダメージ。コイツ自身
金ピカなくせして、やはり黒雲と光は相性が悪いらしい。
「みやぶる」で判明する情報によると、フロストギズモが突然変異を起こした個体らしい。
またコイツ自身の上位種にヘルミラージュが登場。
金色の奴の上位種ということでどんな華やかな奴かと思えばめでたい紅白。しかし宝の地図の洞窟にいるためザコ枠のくせして結構強く、1～2回行動でまもりのきり・こごえるふぶき・いてつくはどうと鬱陶しい。
だが攻撃力や守備力を下げてしまえば戦いやすく、あつらえ向きにこれらは効きやすい。炎系・光属性も弱点なのでバシバシ使うべし。
余談
DQ7には過去作のセルフパロディのようなネーミングのモンスターがよくいるのだが、コイツも前作『ドラゴンクエストⅥ』に登場したヘルクラウドが由来と思われる（あちらは城塞そのものであり、今作とはキャラも戦闘性能もまるで異なる）。遅れてやってきたヘルミラージュもアルミラージを思わせるネーミングであった。
関連イラスト
関連タグ
キラーマジンガ…ヘルクラウダーと同じくプレイヤーから恐れられる存在。中ボスのくせして鬼のように強いので、一部のプレイヤーは闘争心を刺激され、あの手この手で撃破作戦が構築された。
