概要
『ベイブ』とは、豚が主人公のアメリカ合衆国の映画、及びその主人公の子豚の愛称。
1998年には続編にあたる『ベイブ/都会へ行く』が製作されている。
あらすじ
養豚場で生まれた子豚のベイブは、“天国”へと向かう母を見送った直後、イベントへの出し物のために連れ出される。縁あって牧場主のホゲット氏の元へやって来たベイブは、クリスマスのメインディッシュになる運命も知らないまま、牧羊犬のフライを親代わりに牧場のルールを学んでいく。
一方、牧羊犬コンテストで実績を上げてきたホゲット氏は、ベイブの不思議な才能を目にして奇妙な考えに取りつかれ、妻を言いくるめてベイブの命を繋ぐと、彼に牧羊犬としての訓練を受けさせるようになる。
妻が婦人会の催しで留守にする間に開催される牧羊犬コンテスト。その規則の中に「豚の出場を禁じる項目」が存在しないことを確認したホゲット氏は、出場申請用紙の犬の名前欄に“PIG”と書き込むのだった――。
登場人物・動物
ベイブ(声:クリスティーン・カヴァナー)
養豚場生まれの子豚。マイペースなのんびり屋。「子豚の体重当てコンテスト」に出されるために無料で引き取られ、賞品としてホゲット氏の牧場へやって来る。フライを「ママ」と慕い、次第に牧羊犬の仕事に興味を持つようになる。一時はフライの指導で牧羊犬流の脅しをかけるものの、メーの助言で自分なりのスタイルを身につけていく。
吹替えはオリジナルが田中真弓、日本テレビ版・山田千晴、NHK版・くまいもとこ。
フライ(声:ミリアム・マーゴリーズ)
ホゲット牧場の牧羊犬。情の深いメスのボーダーコリー。新入りの子豚に名前を尋ね、養豚場で呼ばれていたように「ベイブ(坊や)」と呼ぶようになる。レックスとの間にもうけた子犬たちが買われていったことで気を落とすも、ベイブの面倒を見ながらホゲット氏の意図を察し、牧羊犬としての振る舞いを教えようとする。普段は穏和だが、仕事中は羊たちを相手に凄みを利かせ、怒鳴り散らしている。
レックス(声:ヒューゴ・ウィーヴィング)
ホゲット牧場の動物たちのリーダー格。オスのボーダーコリー。優秀な牧羊犬だが、かつて豪雨の中で羊を誘導しようと一晩中奮闘した結果、聴覚にハンデを負う。現在は繁殖犬として、パートナーのフライと共にホゲット牧場で仕事をしているが、ホゲット氏がベイブに目をかけるようになったことで苛立ちを募らせていく。
フェルディナンド(声:ダニー・マン)
牧場で飼われているアヒル。食用アヒルの未来を悟っており、朝を知らせる雄鶏として地位を得ようと早朝からやかましくしている。目覚まし時計を敵視しており、牧場のルールを知らないベイブを巻き込んで時計の破壊を企む。
メー(声:ミリアム・フリン)
牧羊犬たちを「オオカミ」と嫌う牧場の羊たちの中でも年寄りの一頭。ベイブを可愛がっており、牧羊犬の真似事を始めたベイブに対して支配よりも協調を説く。
アーサー・ホゲット(演:ジェームズ・クロムウェル)
のっぼで無口な牧場の「ご主人」。工作が得意。時折目にするベイブの振る舞いと動物たちの不思議な行動に突拍子もないひらめきを得て、食卓に上がるはずだったベイブを“牧羊豚”として育てはじめる。
ベイブには特に名前を付けず、終始「PIG」(吹替えでは「ブタ公」)と呼んでいる。
エズメ・ホゲット(演:マグダ・ズバンスキー)
料理上手なホゲット氏の妻。ベイブをクリスマスのご馳走にしようと張り切って餌を与える傍ら、夫の奇妙な行動を気にかけている。牧場のある地区では婦人会の副会長をしている。
評価
第68回アカデミー賞に作品賞など7部門でノミネートされ、視覚効果賞を受賞した。