LBX以外のベクターについては→ベクター
概要
ダンボール戦機Wで登場したLBX。
アーマーフレームのタイプはブロウラーフレーム。
黒色の装甲に走る緑色のラインと、悪魔を思わせる角を生やしたヘッドパーツ、更に赤く輝く単眼型のカメラアイが特徴。
名前の由来は、蚊やダニやハエなど、ヒトや動物間で疾病の原因となるウィルスや微生物の橋渡し役となるを媒介生物を指す「Vector」。
本作のラスボスであるミゼルが作り出したLBXであり、大量に生産され世界中を相手にした彼の攻撃における兵士として、主人公である山野バン、大空ヒロ達へ襲い掛かる。
既存のLBXを凌駕する強大なパワーと装甲強度が特徴。
特に防御面においては生半可な攻撃では傷をつけることすら困難であり、登場初期はバン達ですら大火力の必殺ファンクションを用いてブレイクオーバーへ持ち込むのがやっと、という堅牢さであった。
基本装備は大型の斧「ベクターアックス」、片手剣の「ベクターソード」、小型銃の「ベクターガン」のいずれかを携行している。
これらを装備した複数機による物量戦術で襲い掛かるのが基本であり、前述の堅牢さもさることながら純粋な「数の暴力」により、対ベクター戦では高性能なワンオフ機すら容易に行動不能ないしは撃破される危険性を伴う。
ブロウラーフレームの採用により、ベクターアックスのような大型武器を携行しても運動性に支障が無い積載能力も含め、まさに人類の脅威とも言える性能を有していると言える。
また、本来LBXは胴体部にモーター、バッテリー、CPUなどの駆動用パーツを一式で収納する「コアボックス」が存在しているが、ベクターのコアボックスはなんと何も入っていないがらんどうの状態であり、どのような仕組みで駆動しているのかは全くの不明。
いざ分析の為に開いた機体の駆動部が空っぽの状態と言う描写は、アンノウン機として登場したベクターの不気味さをより際立たせている。
ミゼルはこの機体をCCMを使わず操作しており、こちらも詳細な仕組みは不明。
プログラムの集合体であるミゼルゆえ、並列コンピュータのように各ベクターへ指示・操作を行っている可能性も有るが、現在もその駆動の仕組みと合わせて解明されていない。
製造はオメガダイン本部のLBX生産ラインにて大量生産されている。
その生産ラインはシークレットエリアとなっている為アラン・ウォーゼンを始めとした一部の者しか知らない隠し扉からしか入れず、更にその奥にはミゼルのアンドロイド素体も保管されている。
機体自体に飛行能力は備わっていないが、浮遊するプレート状の補助装置に乗って空中を移動する。
これにより拠点襲撃の際も迅速な侵攻を可能としている。
水中戦でも圧倒的な機動力を誇っておりハカイオー怒愚魔、ナイトメアフィアー、デクー改、デクーエースを難なく撃破している。
ゴーストジャック
ベクターの最大の特徴として『ゴーストジャック』の機能が備わっている。
これは、ベクターがマニピュレータを介して接触することにより、敵LBXのコントロールを奪取して友軍化するというもの。
本機が登場する「ミゼル編」の前章となる「ディテクター編」では、同様にLBXのコントロールを強制的に奪取し暴走させる「ブレインジャック」が登場していたが、ゴーストジャックはLBXだけでなく、コンピュータ制御された機械ならば何であれ強制的にコントロール奪取することが出来ると言う進化型のハッキング機能である。
これにより、ベクターはその一機一機がセキュリティ制御されたシステムや電子制御された車両などへのハッキングを行う端末として機能する。
ベクター本体=LBXが小型であることをふまえ、どこへでも侵入してハードウェアの暴走を引き起こすことを可能とする脅威のテロ工作マシンであると言え、直接接触により作用させるプロセスは、生物にウィルスを感染させるまさにベクター=「媒介者」のそれ。
劇中では一般のLBXがこの機能で暴走させられた他、風摩キリトの愛機達(ジョーカーキリトカスタム、ハカイオーキリトカスタム)もゴーストジャックを受けて強奪されてしまっている。
兵器ですら容易に支配下に置くことから、ベクターひいてはミゼルが世界にとって如何に危険な存在であるか、その証左の一つであると言える。
キット
バンダイより通常ラインナップでプラモデルがリリースされていた。
造形の完成度は高く、ペルセウス等と同様の旧型関節を使用している為に可動範囲は後発のWARSシリーズと比較するとやや遅れを取るが、配色バランスが黒ベースである為、素組みで組み立てても申し分の無いルックスに仕上がっている。
ベクターアックスを立ててどっしりと構えたポージングはなかなかにマッシブ。
ただし、ベクターガンのみ別売りのカスタムウェポンに入っている為、キットだけでは前述のフル装備に出来ない点は注意。
『装甲娘』において
こちらでは敵勢力であるミゼレム側のアンドロイド装甲娘として量産される形で登場。
LBCSの性能を最大限に発揮するために人類側から盗用した、育成することで人と変わらないレベルの疑似感情を得られる新型AI「emotion AI」を搭載している為、割と感情表現が豊かである他、既に個体ごとの個性が芽生えている。
AIが育ち切っていないためか性格は割と子供っぽい。
詳細はベクター(装甲娘)を参照。