プロフィール
概要
物語開始時の同盟最高評議会議員の一人で、人的資源委員長。
ジョアン・レベロとは友人関係で帝国領侵攻の議題で共に出兵に反対した。
更には同盟内のマンパワー不足による経済崩壊を危惧し、レベロと共に一定数以上の軍人や技術者を民間に復帰する様に要求したが、受け入れられることはなかった。
トリューニヒト政権の成立後も、帝国領侵攻に反対したことで政界に残り続けた。
宇宙歴798年、前年に起きた「救国軍事会議」が起こしたクーデター鎮圧のため、イゼルローン駐留艦隊司令・ヤン・ウェンリー大将の演説を自由惑星同盟最高評議会議長・ヨブ・トリューニヒトが問題視、極秘に「査問会」が開かれるが、ホワンは非トリューヒト派でありながら唯一出席、「査問会が茶番」であることを見抜き、退屈そうにしながらも、その内容をレベロにも知らせている。その後、帝国軍がイゼルローン要塞近くににガイエスブルク要塞を丸ごとワープさせるという大胆な戦術で危機にさらされ、査問会は中止しヤンはイゼルローン要塞に戻ることになる。その際のヤンの態度に腹を立てるトリューニヒト派の政治家たちに対して、ホワンはこう皮肉を述べている。
「政治家とはそれほどえらいものかね?私たちは社会の生産に何ら関与しているわけではない。市民が納める税金を公正かつ効率よく再分配するという任務を託されて、給料をもらってそれに従事しているだけの存在だ。彼の言う通り、私たちはよく言っても社会機構の寄生虫でしかないのさ。それがえらそうに見えるのは、宣伝の結果としての錯覚にすぎんよ。」
ラグナロック作戦での同盟の敗北後、同盟存続を優先させようとして精神的に追い詰められていくレベロと意見が合わなくなっていく。
ヤン脱出後に彼との面会を試みるが拒否され、長年の同志だったレベロと事実上絶交してしまった。
その後「オーベルシュタインの草刈り」で政治犯の一人として逮捕されてしまう。
同盟の政治犯は「ラグプール刑務所事件」において多数が死傷しているが、ホワンの安否はいずれの媒体でも描かれていない。
皮肉めいた発言が多いが、帝国領侵攻に反対し、トリューニヒトと距離を保ち、暴走するレベロをしばしば窘めるなど、同盟の政治家としては数少ない、終始良識的な立場を保った人物である。
他方、査問会に出席しながらも査問を即座に止めたりすることはしておらず、同盟を率いるほどの強力なリーダーシップがあるわけではなかったと思われる。
余談
道原かつみのコミック版では名前こそ出てこないが、議会などでホワンの台詞はいかにも切れ者と言った風情の女性が発言してあり、性別が変更されたものと考えられる。
(ルビンスキーと同様)