概要
プロピレンという炭化水素が重合したプラスチック。略称はPP。耐熱性の弱い熱可塑性樹脂である汎用プラスチックに分類され、ポリエチレン、ポリスチレン、塩化ビニル(塩ビ)とともに4大汎用プラスチックとされる。
非常に安価、強度が高く酸にもアルカリにも耐える、紫外線で劣化しやすい、接着性や印刷性に難がある...といった性質は同じ汎用プラスチックであるポリエチレンによく似ており、ポリエチレンの次に生産量・使用量が多いプラスチックである。軟質で熱に弱いポリエチレンに対し、ポリプロピレンは硬質で高熱にやや強いという特徴があり、使い分けられている。
植木鉢、ロープ、家電や日用品、諸々の容器、医療器具(注射器の外筒はポリプロピレン製であることが多い)、など様々な分野に広く使われる。一般に「発泡スチロール」と呼ばれる発泡樹脂はポリスチレンではなくポリプロピレンで作られていることも多い。
ポリエチレンに比べれば熱に耐えるので電子レンジでも使用可能だが、200℃を超えるオーブンなどで熱すると溶けてしまう。
リサイクル性に優れている一方で、紫外線を含んだ日光に長時間晒されると容易に劣化・崩壊し、マイクロプラスチックとして環境中に撒き散らされやすいという性質も持つ。