概要
260日周期の暦法「トナルポワリ」を構成する20の暦日名(センポワリ)の6日目の名称がミキストリであり、これは「死」を意味する言葉である。
この暦にはもう一つ「トレセーナ」と呼ばれる13の番号という軸があり、それぞれ日に関連する神が設定されている。
「13のミキストリ」には死の神、「1のミキストリ」にはテスカトリポカ、「5のミキストリ」にはトナティウやショチピリという具合である。
あくまで暦上の日の名前であり、アステカ神話に「ミキストリ」という名の神は登場しない。
「神としてのミキストリ」は日本で書かれた神話・伝説本やフィクション作品に登場するほか、英語のウェブサイトでも言及されているのが確認できるが大本の出典は記されていない。
「原典の神話には登場しない、暦上の日が神名と取り違えられて生まれた神」という点で福音派キリスト教徒による反ハロウィン運動から生み出された「ケルトの死の神」サムハインと共通点がある。
「ミキストリという神」が誕生した経緯についてはこちらのサイトで検証がなされている。
ミキストリという神
かつてウィキペディア日本語版に記載され後に削除された内容やgoogleで「mextli aztec god」と検索した際の結果を総合すると、以下のような特徴を持つ。
- 嵐と戦乱を招く軍神。
- 戦士の恰好で産まれた。
- 毎年何百もの生贄が捧げられた。
- 月神でもある。
- ミキストリ(Mextli)はメキシコ(Mexico)の語源となった。
- ウィツィロポチトリの別名が「ミキストリ」
- テクシステカトルと同一視される。
月神という属性は名前の語感が似ており、実際に神話に登場するメツトリ (Metztli)も持つが、こちらは女神である。
ミキストリが神として言及される作品
- 巻来功士の漫画『ミキストリ』:主人公がアステカの神官の遺体からミキストリをはじめとする神々の刺青を施された皮膚を移植されている。
- スクウェア・エニックスのアーケードゲーム『ロードオブヴァーミリオン』:種族不死の使い魔。「黒冥神」のタイプを持つ。
- 森川ジョージの漫画『はじめの一歩』:「死神(ミキストリ)」がボクサーアルフレド・ゴンザレスの二つ名となっている。
このほかFF13-2でモンスター名として採用されたりしている。