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ミル(宇宙戦艦ヤマト)

みる

アニメ『宇宙戦艦ヤマト』シリーズの『愛の戦士たち』『ヤマト2』に登場した、白色彗星帝国またはガトランチスの軍人である。監視艦隊司令の肩書を持つ。リメイク『2202』にも登場。
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「私は、大帝に見たものをお伝えするだけの存在」

声優編集


劇場版『愛の戦士たち』編集

  • 所属:監視艦隊
  • 肩書:司令

 『宇宙戦艦ヤマト さらば愛の戦士たち』に登場した、白色彗星帝国の軍人。監視艦隊なる部隊の司令を務めている模様。容貌は中性的なもので、松本零士が直々にデザインしたものとなっている。故にまつげも長めとなっており、髪形もボーイッシュである。服装は下地が白の制服で、マントも白に統一されているが、靴は黒。

 デスラーを快く思わないサーベラーの指示により、監視付きとしてデスラーに同行するよう命じられた。


経歴編集

 デスラー艦に同乗し、ヤマトへの攻撃を見守っていた。瞬間物質移送機による奇襲攻撃を加えて優位な立場に立ったまでは良かったのだが、そこで貸し与えられた彗星帝国駆逐艦4隻をヤマトの包囲に使ったまま、デスラー砲で纏めて始末する手段に驚愕した。

「デスラー、大帝からお預かりした艦隊を!」

と抗議の声を上げたが、あくまでも叩く相手はヤマトのみだと言い切られ、そのままデスラー砲を発射される。

 だが、結果としてデスラー砲は外れ、味方艦隊も全滅するという大損を招いたばかりか、デスラー艦にヤマトの強制接舷を許す事態となった。

 やがて白兵戦も不利に陥った時、ミルは大帝へ報告する為にその場を離れようとした。それをデスラーに尋ねられたため、おくびれもせず「大帝にご報告を・・・」と言った途端に背後から射殺された。ただし、実際に即死していなかった。

 その後入って来た古代進森雪の内、雪が爆発で負傷したデスラーに歩み寄った際に、がれきの下辛うじて生きていたミルが銃を発射。しかしそれに気づいた雪が身代わりに当たってしまい、反撃に発射したデスラーの射撃でミルは遂に絶命する。


ヤマト2編集

  • 所属:帝国保安・警察局
  • 肩書:監視官

 立ち位置はほぼ劇場版と変わらない形で登場。ただし容貌はより男性らしくなったのが大きな違いである。また肩書・所属も異なる。


経歴編集

 デスラーの監視として同行していたが、彼のあまりな横暴なやりよう(作戦失敗したバンデベル将軍の処刑や、尊大なものの言いようなど)に堪り兼ねて、彗星帝国へと常に報告を送っていた。そのうち、ヤマトがデスラーの策略で空洞惑星に入り込み、電磁波で身動きが取れなくなった時に本国から緊急帰還を命ぜられた。

 それが大帝の名によるものだと確認したミルは、デスラーに本国からの通信だとしてデスラー砲発射直前に割り込んで伝えて来た。これがヤマトの脱出に少なからず手助けする事となる。デスラーは任務の途中だとして拒絶したが、本国からであると強調したことからやむを得ずデスラーも通信を受ける。

 だが帰還命令が大帝の受けた許可とはまるで逆だと反発し、強制的に通信を切り、発射を強行した。許可としてデスラー砲はハズレ、デスラーは作戦に水を差されたことやヤマトを取り逃がした怒りから発射トリガーを追って床に投げ捨てると、それがミルの額に跳ね返って当たった。

 これに耐え兼ねたミルも、「あなたは命令に背いた」と本国へ帰還するよう強く言い渡したが、逆に胸倉を捕まれ「作戦に水を差した礼をたっぷりと言ってやる」と反論された。彼が帰還後、登場はしていない。


2202編集

  • 肩書:将校

 容姿要望は、劇場版に準じているが、女性らしさはやや抜けている。ズォーダーやサーベラーと同様に、ガトランティス内部でも異質な存在としてあり、監視役としても彼の備える能力が強く作用している。性格はとても冷静で、常に「私は大帝にと伝えするだけの存在」に徹している模様。

 またズォーダーの意思から離れた存在を軽蔑する傾向も強く、感情を持った者を「汚染」として呼ぶほど(本国の官僚も同じことを言うが)。故に、感情とはガトランティスにとって不要以外何者でもないとしている。


特殊能力編集

 彼が有するのは、テレサの祈りと同じ仕組みの高次元通信こと精神感応『コスモウェーブ』であり、これを使う事によってズォーダーへ見たものをそのまま伝える事も出来、またスパイとして潜入している桂木透子と精神リンクする事で、レーダーが無くてもその位置を特定することも可能である。ただし何処の空間でも可能という訳ではない模様で、特殊な異空間では精神感応が届かなくなる。


経歴編集

第4章編集

 冒頭から登場しノイ・デウスーラに同乗している。「執念というものが見たい」というズォーダーの御心をまだ理解しきれていない部分もあるようで、その感情が原因で暴走する第八機動艦隊の残存艦を見やり、感情という劇薬に刺激されて勝手に動き始めた集団『汚染物質』でしかないと切り捨てている。

そして、デスラー砲によって第八機動艦隊残存艦は消滅する事になるが、その直前に彼は、

「個人の感情に支配されなかったがゆえに、我らガトランティスの栄達はあった。正直、ヒューマノイドに深くかかわるのはゾッとしませんね」

と漏らしている。

 その後、彼の持つコスモウェーブによって桂木透子の位置を把握、それを基に瞬間物質移送機によるミサイル奇襲攻撃を実施。最初は効果を着実に上げていた。ヤマトが攻撃を避ける為に増速したために位置修正を余儀なくされるも、位置を把握し散る事に変わりはなかった。

 ところが、ヤマトがミサイル包囲攻撃の一瞬のスキを突いてワープを敢行したことに驚いている。それもデスラーの罠の内だったが、それはミルにとっても思わぬ落とし穴となった。超新星の残骸が高密度に充満した異空間内では、コスモウェーブによるやり取りが制限されるばかりか、通常空間との通信まで遮断されてしまったからである。

 実は、それもデスラーの用意していた罠で、ミルを特別な存在として看破していただけでなく、かのアケーリアス人だったミーゼラ・セレステラらと同じ精神感応の持つ主であることを看破していたが故であろうと思われる。デスラーの口からも

「コスモウェーブからなる高次元通信‥‥‥テレサの祈りとやらも、確か同じものだったね」

と明かされていたことから、彼がそこまで精通している事に驚きを禁じ得なかった模様。さらに、その能力の保持者であり、ヤマトに潜り込んだスパイの事も知っていた。

 やがて円筒形天体に逃げ込んだヤマトを指揮下のラスコー級が捜索する傍ら、デスラーが再び

「いったい、進化の誰が大帝の御心を、誰が理解しているのだろう‥‥‥君らには汚染源でも、彼には芳しき毒臭、お気に入りの玩具では?」

「おそらく大帝は、ヤマトの殲滅を望んではいない。ヤマトとその乗組員は、久しぶりに興味を示した存在」

と、何やら危険な雰囲気を言いだしたことから、密かに銃殺しようと銃をホルスターから抜いたが、咄嗟に身をひるがえしたデスラーによって銃を掴まれた挙句に、顎に重心を押し当てられてしまう。その際に、デスラーは、自身がヤマトを仕留めても何ら意味はないことを漏らしているうえ、ズォーダーも始めから知っていると公言。

 その後、ミルも、この空間に誘ったのもコスモウェーブを断つためのものだと気づき、尚且つデスラーが屈辱を晴らすために不安定な空間でのデスラー砲使用を批判した。それでも発射を止めずに放たれたデスラー砲は異空間コアであろう円筒形天体を破壊、ラスコー級も破壊したことで通常空間に戻る。

 通常空間に戻るということは、コスモウェーブが使える事だが、その真意を理解できなかったミルの前にデスラー支持派のガミラス艦隊が集結。それに驚愕した間に、眉間に銃を突き付けられ、拘束されてしまう。拘束中、不思議な結晶石が独房の周りを覆っているが、これはコスモウェーブを遮断する役割を担う模様。

素性(2202のネタバレ)編集

ガトランティス人全てがそうであるが、彼もまた人工細胞から作られたクローン体である。ガトランティス人のタイプはいくつかに分かれるが、彼がズォーダーと常時リンク可能なのは、その来歴による。















彼はズォーダーの幼生体であり、次期大帝となる存在である。

ズォーダーと同じく高度な頭脳を持ち、また代々のズォーダーの記憶を全て引き継いでもいる存在であるため、ズォーダーと同じように人間や自分達ガトランティス人の存在に付いて思考し、同時に同じ存在であるはずの自分とズォーダーの思考が完全には一致していない事に疑問を抱くようになる。

やがてその思考はヤマトクルーやガミラス人との接触を通し「人間や我々自身について我々は知らない事が多過ぎる」と言う結論に達し、ズォーダーの意図を越えて古代に停戦を提案するに至るが、その直後、事情を知らないガミラス兵に射殺される。

ズォーダーとサーベラーにとっては1000年前の記憶の中の自分達が失った赤子に重なる存在であった。


関連タグ編集

宇宙戦艦ヤマト 宇宙戦艦ヤマト2202 白色彗星帝国 ガトランティス デスラー

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