「 この一矢の向こうに、わたしに出来る何かがある気がして―― 」
CV:若山詩音
人物
ヒロトの幼馴染。クガ家とは家族ぐるみの付き合いがあるムカイ家の一人娘で、医療関係者と思われる両親との三人家族。両親の帰宅が遅くなる日にはクガ家で食事の準備を手伝ったり、夕飯を一緒に食べたりと、クガ家にとっても家族同然の存在。
学校では弓道部に所属している朗らかな文系少女。弓の腕前はまだまだで、先輩にダメ出しされることもあるとのことだが、厳しい言葉をエールとして受け取ることの出来るポジティヴさの持ち主。
思うところあってか、ヒロトがGBNを利用している「G-CAFE」のスタッフとしてアルバイトを始める。ガンダム関連の知識には疎く、客と店員の間で飛び交うコアなネタについては、ヒロトに貸してもらった「ガンダム百科事典」なる書物で勉強中。店の新メニューを考案してきたりと、勤務態度も前向きで熱心。常連客からは看板娘のように親しまれ、マツムラ店長からも好印象で、店の馴染みでもあるヒロトとの仲を応援されている。
自分自身を後回しにして他者のために動けるヒロトの性分を「ヒーロー」に例え、それがすべてを背負い込もうとする態度と表裏一体であることを案じてもいる。
過去のトラウマから自己評価の低いヒロトが実際には「ヒロトの目標とする姿」にすでに到達していることに確信を持っている等、本人以上にヒロトの理解者といえる側面を持つ。
ヒロトがずぶ濡れでGBNから帰ってきた日のことをよく憶えており、ヒロトが自室に飾っているイヴとの写真と、それを見る彼の表情から「あの子と何かあったのでは」と察してはいるが、敢えて尋ねたことはない。
成り行きでストーリーミッションに巻き込まれたヒロトが、再びGBNで誰かと行動していることを喜びながらも、相変わらずどこか冷めたままの彼の様子を気にかけており、マツムラ店長に相談しながら、何かがあった「あの日」――GBN内で勃発した第二次有志連合戦と、そのきっかけとなった電子生命体・ELダイバーの存在を知ることになる。
イヴとの思い出を押し殺すヒロトの姿を見て核心を聞きあぐねながらも、「ただの記録」と自らに言い聞かせる彼に、「全部がヒロトを作ってくれた大切なもの」だという思いを伝え、再起の第一歩を後押しした。
しかしヒロトの前進を見守る一方で、弓道部の先輩であったミズキと病院で再会し、彼女の弟・マサキがGBNにログインしたまま意識不明に陥っていることを知り、漠然とした不安を抱くようになる。
さらにマサキの容体悪化を知ったヒロトたちが、同じ条件下での戦いに赴こうとしていることを知った際には強く動揺しており、一時は引き留めこそしたものの、ヒロトの決意を悟って送り出すと、自身はミズキの傍らでマサキの回復とヒロトたちの帰還を願った。
学外での弓神事に射手として選ばれたことも重なって、自分の心と向き合い、他者の支えになろうとする中で精神的に大きく成長していき、その後もエルドラへ通うヒロトの身を案じながら、誰かのために戦い続けるその背中を見送り、また、なおもエルドラを思うマサキの姿に戸惑うミズキにも寄り添って、帰りを待つ側としての思いを共有する。
ヒロトにとっても、事情を知る現実側の身近な理解者として心強い存在であり、その位置づけは「一緒に戦ってくれる仲間」そのものであったことが後に語られた。
第26話ラストでは「ヒナタ」のダイバー名でダイバールックを披露しており、BUILD_DiVERSの一員としてヒロトたちに連れられ、エルドラを訪れている。
アバターはリアルより少し髪の長い巫女風の意匠。GBN初心者にしてはアバターのデザインが凝っていることから、他者の意向も混ざっているのではと推察する声もある。
なお、この際の描写からフレディによる召喚ではないことがわかる(フレディの村を見渡せる丘に来たところで初対面となっている)ため、召喚権の枠が空いていたクアドルンに召喚してもらったと思われる。
余談
ビルドシリーズのヒロインでありながら終始ガンプラバトルに触れることがなかった、こちらもやや異色の存在。第1期のエンディングで、幼少の頃にヒロトとプチッガイを組んだ思い出が描かれているくらいである。
それゆえGBNを主な舞台とするダイバーズシリーズにあっては負けヒロインなどと揶揄する声も聞かれたが、物語も佳境に差し掛かり、ヒロトとの深い信頼関係が滲み出た、夫婦のそれとも思えるような遣り取りが見られるようになると、「実質内縁の妻」「正妻の余裕」との評価も。
ヒロトへの「憧れ」に端を発する強い信頼と、神事に携わることで培った芯の強さで、マサキをGBNから遠ざけようとしていたミズキの心を動かす一因になるなど、リアルの側で非常に重要な役割を演じており、特に第25話では弓神事に静かに臨む姿がエルドラでの決戦と同時進行で描かれ、「もう一人の主人公」と視聴者から称賛された。
また、ヒロトの代名詞たるコアガンダムのプラネッツシステムの各名称が太陽系に由来する中で、太陽と冥王星が採用されておらず、それぞれヒナタ(ヒナタ=日向=太陽)とメイ(冥王星)のダブルヒロインに対応しているのでは、との考察もある(ダブルヒロインについては、前作のモモカとサラを筆頭にガンダムビルドシリーズで共通しているものと考えられる)。
そしてその後、放送が決定された新作『ガンダムビルドメタバース』において新型ガンプラプルタインガンダムの登場が決定。機体名に Pluto+nine(太陽系時代の9番目の惑星)と太陽にいい素材を使ったエコプラの要素が混じっているが…?