「もう嫌だこんな人生!!!」
CV:矢尾一樹(03、09共通)
概要
元アメストリス軍中尉かつ元炭鉱経営者の中年男性。身長158㎝ぐらい。
光輝く広いデコとチョビ髭が特徴的。
物語序盤にやられ役として登場し早々に退場した取るに足りない雑魚キャラのように扱われていたが、そこで出番は終わらず落ちぶれた姿でその後も何度か登場。
傷の男やメイ・チャンらと行動を共にするようになり、最終的にはエルリック兄弟らと共にアメストリスの危機を救うために奮闘する主要キャラクターの一人にまでなった。
活躍
物語最序盤、アメストリス最東端の炭鉱街「ユースウェル」の名士として登場。
炭鉱のオーナーだが鉱夫たちの賃金を絞って私腹を肥やし、更に国軍中尉の地位を賄賂で手に入れて公的権力と政府高官の後ろ盾を得てユースウェルを掌握。
反抗的な少年を見せしめに殺害しようとする、鉱夫の溜まり場を焼き払うなど好き放題に振る舞っていた。
圧制を敷き、地位があるなら子供にも媚びる、上司に賄賂を贈る事で出世を企む、と言った具合に典型的悪代官な小悪党だった。が、国家錬金術師という地位を持つエルリック兄弟にすり寄った結果、炭鉱の権利書を騙し取られた挙句実力行使にも失敗、更にこれまでの悪事を東部軍の有力者にチクられて完全に失脚。
失脚後は浮浪者に身を落とし、行き倒れていたところをイシュヴァール人のスラム街に拾われる。
そのまましばらく世話になっていたが、同地に賞金首である傷の男が匿われていることを知ると用心棒を雇って襲撃をかけるという恩を仇で返す行いに出る。
しかし用心棒は傷の男にあっさり返り討ちにされてしまいまたも行き場を無くした。
その後は傷の男の小間使いとして同行させられるようになり彼を「傷の旦那」と呼んで媚び諂いつつ心中では愚民呼ばわりするなど増々小物化が進行。
やがてメイ・チャンやティム・マルコーらとも行動を共にするようになり(本人はそんなつもりは欠片もないのに)完全に成り行きでアメストリス国の存亡に関わる戦いに巻き込まれることになった。
この辺りになると一応彼らに身内意識を持ち始めていたが、マルコーに扮して囮になった際にキンブリーと傷の男の戦いに巻き込まれた時は「もう嫌だこんな人生!!!」と咆哮し、一人離脱して軍に保護を求めようとした。が、キンブリ―に面が割れてしまったため投降しても身の安全が保障されないと知り泣く泣く同行を続行した。
その後ブリッグズの廃坑街でエルリック兄弟と再会したが、顔も名前も完全に忘れられているという屈辱を味わうことに。
が、軍が待ち構えている上に吹雪が吹き荒れる中を逃走する必要があると周囲が頭を悩ませる中で(悪徳だが)元炭鉱経営者という経歴から「坑道を行けば良いじゃないか」とあっさり打開案を出し、雪中突破に一役買ってみせた。
この際、坑道内での注意事項の忠告や坑道の構造の把握、更に詳細な坑道図を正確に読んでみせるなど、炭鉱の管理自体は真面目にやっていたことが窺える一幕がある。
エンヴィーが生け捕りにされた際には「弱いモノは虐げる」という子悪党根性を丸出しにして弄りにかかるが、扱いにキレた彼に体を乗っ取られ人質にされるという憂き目に遭う。
が、周りの人間が誰一人としてヨキを助けようとしないという展開に乗っ取ったエンヴィー共々大きくショックを受ける。
結果エンヴィーは人質にすらならないと判断してヨキを解放したが、泣きながら「お前らなんか友達じゃないやい」と怒るヨキに対してアルフォンスは「やだなあ、知り合いだけど友達じゃないよ」とあまりにもドライな返答を返すのだった……。まあ実際元々は敵対してたので間違ってはいないのがなんとも哀愁を感じさせる。
と、そんな扱いを受けていたにもかかわらず物語最終盤、プライドと戦うアルフォンス達の救援に参上。「私にもカッコつけさせろチクショー!!」と相手にビビッて涙目になりながらもプライドを車で撥ね飛ばしてアルフォンスを救うというまさかの活躍を見せた。
最終回では、本編のその後を示唆するスナップの中に、ダリウス、ハインケルの待ってる人なんかいないからと戻らない事を決めたキメラの二人と共に映っている一枚が確認できる。
どうやらサーカスのように見えるので、親族が経営していると思しき「ヨキサーカス」(本編中背景にこっそりポスターが貼られている)に転がり込んだものと思われる。
『鋼の錬金術師4コマ』での特別描き下ろしにて、周りの人に自身の活躍を喧伝した結果、300年後に『アメストリスを救った英雄』として伝記や映画、ドキュメント番組になる等、偉人として親しまれている様子が描かれた。
アニメでのヨキ
03年版のアニメでは、ライラという錬金術師を雇っていた。失脚後にホムンクルスの罠にはまり、狙撃に見せかけてラストに暗殺される。これによりアメストリス兵たちは恐慌状態に陥りイシュヴァール難民に発砲、マスタング一派とスカーを戦わせるというホムンクルス側の狙いはまんまと成功してしまった。
彼も旧鋼放送時は原作漫画でまだ失脚後の動向が不明だったために、このような悲惨な扱いになってしまったと思われる。
FA版アニメではユースウェル炭鉱編のくだりは端折られてるため名前が登場した時には既に失脚済みであり、その後ブリッグズ編にて簡略的にヨキの回想という形でまとめられエドたちと知り合っていることが紹介された。…当の本人達からは忘れられていたが。