――でもよ、ハルウララなんだぜ?
あらすじ
その男には前世の記憶があった。
その男が生まれ変わった世界にはウマ娘という存在がいた。
だが、その男は競馬も競走馬もほとんど知らなかった。
その男が新人トレーナーになった時、一人のウマ娘に出会う。
そのウマ娘の名前はハルウララ。
競走馬をろくに知らないその男でも、聞いたことがある名前だった。
だからこそ、その男はハルウララをスカウトした。
そしてその男はハルウララを育成し始めて思った。
「え? 競馬を知らない俺でも名前を知ってるぐらい有名なんだし、ハルウララってすごいウマ娘じゃないの?」
概要
SS・小説投稿サイト「ハーメルン」にて連載されていた『ウマ娘プリティーダービー』シリーズを原作とした二次創作小説。作者は烏賊メンコ氏。
全145話(本編135話・スレッド回10話)。完結済み。
↓本作リンク先↓
https://syosetu.org/novel/259249/
二次創作の定番である「転生もの」だが、この手のSSでよく見かける「チート無双系」から外れた「スポ根もの」になっており、勝ったり負けたりを繰り返しながら一歩ずつトレーナーとウマ娘たちが絆を深めつつ強くなっていくのが見どころの物語。
主な舞台はアニメ2期辺りであり沖野Tや東条ハナやらも登場するがアプリ版のキャラである桐生院葵とハッピーミークも登場する。また、ウマ娘に性格は基本的にアプリ版よりの性格をしている。
登場人物
チームキタルファ
- トレーナー
本作の主人公。
名前は不明。周りからは「(キタルファの)トレーナー(さん)」と呼ばれている。
2人目のウマ娘を加入させて勝たせた功績を理事長と駿川たづなに評価されてチームキタルファを築く。
死因は不明だが死亡してウマ娘の世界に産まれた転生者でありウマ娘のレースに感銘を覚えて立派なトレーナーを志す。転生者だがチート等を持ち合わせていないのでスペック的には多少人生経験のある新人でしかないのだが、曲がりなりにも中央のトレーナーなので指導と読みは非常に的確であり過密なスケジュールの傍らでさらっとウイニングライブの指導までこなせている。指導内容は樫本理子と東条ハナが行っている管理タイプ。
競馬に関しては本当に無知であり、せいぜい『どこかで聞いたような競争馬と同じ名前をしたウマ娘は強い』『ハルウララは非常に有名だった』の2つしか知らないでいた。ハルウララをスカウトした当初は有望株だと思っていた彼女で体よく事を運ぼうとするような意識の低さを見せていて(後にトレーナーの顔をしていなかったという指摘をたづなさんから貰っている)イメージと全く異なるハルウララに大いに困惑を覚えていた。けれども無責任に見捨てるようなことはせず、忍耐強くハルウララを指導するにつれて彼女の事を純粋に見るようになっていき、3度目のレースでの敗北を境にウマ娘ハルウララのファンになったことで全力で彼女を導く決意を固める。また、ハルウララを見捨てなかった所から分かるようにトレーナーに相応しい善良さと強さを併せ持った好人物であり、ハルウララに対して困惑していた当初の時でも彼女のアイデンティティを頭ごなしに否定することは避けていて、自身のライバルになりえるウマ娘に対しても体が故障しないように気に掛けている。
ご存じ天真爛漫にして純真無垢の無邪気系ウマ娘。
選抜レースに出ても中々結果が出ずにいたせいでトレ―ナーが付かなくて困っていたところでキタルファトレーナーと出会い彼と契約を結ぶ。性格と実力は公式通りであり、勝ち負けよりもレースを楽しむ事を大事にしている落ちこぼれである。また、本作において勝負服が本作オリジナルの服になっていてY-SQUARED氏の手で描かれたオリジナル勝負服のハルウララは一見の価値あり。
当初は勝たせたいトレーナーと勝ちたい意欲が薄いハルウララとの間に温度差があったり、トレーナーがハルウララを前世で知った馬の生まれ変わりとしか見てなくて仲を深めても両者の間にどこか壁があった。
しかし、とあるレースで重大な事故が起きたことによりみんなが必死で1着を目指す意味に疑問を覚えてトレーナーに1着を取らなければいけない意味を問うが返ってきた答えは「わからない」だった。けれども、この一件がきっかけでトレーナーが純粋にウマ娘ハルウララを見るようになり、問うた際に彼の人となりに初めて触れたことによって自分の為に一生懸命になってくれるトレーナーの存在を再確認して真の意味でトレーナーに心を開く。
ご存じ内気で健気な妹系ウマ娘。
こちらも史実と公式と同様に菊花賞で勝ったにもかかわらず誰からも賞賛されなかった経緯を持っているが本作では更に悪化しており、
- 賞賛されないどころかウイニングライブで自身のサイリウムを誰も挙げてくれないうえにブーイングまでされてしまう。(キタルファトレーナー曰く「ブーイングライブ」)
- アンチの魔の手が自身の担当トレーナーにまで及んでしまった結果、休職してしまう。(そのせいでフリーの身になった)
という酷すぎる目に遭っていて当然の如くもうレースに出たくないほど意気消沈していた。そんな時にキタルファトレーナーと偶然出会い、彼と話をして誰も褒めてくれなかった菊花賞1着を褒めてもらい感極まって嬉し涙を流したり、本当はレースに出て走りたいという願望がある事に気付く。その事がきっかけでトレーナーに信頼を寄せて彼を逆指名して彼のウマ娘になる。そして、自身と相性の良いウマ娘であるハルウララと友達になり傷ついた心を癒していき、トレーナーがあの手この手を尽くして史実では勝てなかったG1のレースで勝てたこと菊花では得られなかった青い祝福を受ける。
そうして、トレーナーに心からの好意を寄せるようになり彼からの許可を取りはれてトレーナーを「お兄さま」と呼ぶようになる。
ご存じ一流にこだわるお嬢様系ウマ娘。
有名な母の娘と見られるのを嫌っていて母の高名に負けないウマ娘を目指している。登場時期は少し遅れていてチームを築き上げてからしばらく経った時にトレーナーと出会う。その前までは電話越しかレースのみの出番だった。また、本作においてはキングの罵倒語録として有名な「へっぽこ」は一斉使わずに「おばか」に一貫しているという特徴がある。こちらも一流のウマ娘を目指すべく切磋琢磨しつつルームメイトであるハルウララの面倒を甲斐甲斐しくみていて、ハルウララを通してトレーナーと電話越しの関わりを持つ。当初はキタルファトレーナーとは別のトレーナーの下にいて、自身の母の高名に負けない様なウマ娘を目指していたが一向に母は褒めてくれないうえにそのトレーナーとの相性の悪さで決別することになった。そのことが原因で自棄になり雨の中で走っていたらキタルファトレーナーと出会い事情を聞かれて契約解除になった自身の身の上を話す。今後の事も聞かれて諦めてトレセン学園を去ろうと考えていることを言ったら突如トレーナーからスカウトを受ける。等のトレーナーは新人であるが故にハルウララとライスシャワーの育成とチーム運営で手一杯であり、その事を見抜き気遣って断ろうとしたが彼から以前から才能と実力を高く評価されていてどんな苦労をしてでも育てたいウマ娘だと熱烈に語られたことで折れてチーム入りを果たす。
学園関係者
ご存じトレセン学園のチビッ子理事長。
キタルファトレーナーの上司枠その1。
理事長であるが故に理事室でのみの出番となっていてたづなとセットで登場する。
当初は落ちこぼれであるハルウララをスカウトしたトレーナーに難色を示したりしたが、ハルウララとライスシャワーを勝たせた功績で彼を高く評価するようになり、たくさんのウマ娘を受け持って欲しいと思うようになる。
ご存じトレセン学園の理事長秘書。
キタルファトレーナーの上司枠その2。
直接的な上司みたいな立ち位置なのでそこそこ出番がある。
学園秘書として新人であるトレーナーを補佐するべく助言をしたりチーム運営を手伝ったり過度な残業をしないように釘を刺したりしている。
ちなみに、こちらでも例の疑惑はちゃんと存在しており、たびたび人間離れしたような描写があったり「時のウマ娘」という言葉で呼ばれたのだと勘違いしている。
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ウマ娘プリティーダービー(二次創作) 版権小説 ハーメルン(小説投稿サイト)