CV:花守ゆみり
概要
『たとえばラストダンジョン前の村の少年が序盤の街で暮らすような物語』(略してラスダン少年)の主人公。
軍人になることを目指してコンロン村から出て来た少年。アザミ王国のマリー宅で居候し、その後紆余曲折あって候補生として士官学校に入る。
素直でお人好し、家事上手な反面、「故郷で一番弱い」と言われ続けていたため、自己評価が恐ろしく低い。
だが、英雄の子孫揃いかつラストダンジョン手前の魔境で生まれ育ったコンロン村の住民は総じてチート級の身体能力と魔力を有しており、その基準から見れば弱いというだけで、他の土地に行けば十分チート級の強さである。だが、当人は故郷の価値観が基準になっているため自分の凄さに一切気づかない。
- 村から王都まで汽車などを使って6日ほどかかる距離を走って6日で辿り着く。
- 骨折したとしても約3時間放置するだけで自然治癒する。
- 普通の動植物とモンスターの区別がつかず(トレント=木、王都に出現する巨大イナゴ=生ゴミにたかる害虫、など)、モンスターはみんな童話に出てくる魔王のようなものと認識している。そのため騒動が起こっても、その大半が彼にとって日常的な出来事でしかないため、自分が活躍したことすら気付かない。
- 詠唱を噛んだ超初級魔法が大魔法レベルの威力を発揮して相手を瞬殺する(本人と周囲の大半は相手が魔法制御失敗により自滅したと誤解した)。
etc.
これだけやって当人が何も気づかないことに対し、周囲はツッコミを入れつつ実力を気付かせようと試みているが「弱い自分を慰めている」と受け取るため毎度失敗している。付き合いの長い者は諦め、それどころか各々の私欲のためにロイドの無知を利用することもある。
ただし、「人間社会における問題にコンロンの住民を巻き込まない」という村の掟があるため、マリーは(アルカのお仕置きが怖いこともあって)内乱や国際問題にロイドを巻き込まないよう配慮している。
上記の通り自己評価は非常に低いが、周りが真実を教えようとしてもコンロン村の常識が全ての判断基準となっているため、頑なにその指摘を受け入れず自分の思い込みを貫いてしまうという頑固な一面も持ち合わせている。周りの称賛を頑なに「弱い自分を慰めている」と受け取ってしまう事は勿論の事、巨大イナゴのモンスターに関しても故郷では害虫扱いだったため『イナゴをモンスターだと言っている人達がおかしい』かのように解釈してしまう。
マリーの所へ居候する際に「世界の常識を教えてください」と言ってお願いしているのにもかかわらず、いざその常識を教えられるとコンロン村の常識を基準にして否定してしまい、実は全く常識を学ぶ意志が無いという矛盾を抱えている。
…一応フォローを入れておくと、ここまで彼の察しの悪さと頭の固さが改善しないのも、
根本的にこの作品は登場人物同士の”すれ違い”で進行していく作風なので主人公で中心人物の彼の価値観が改善されてしまうと物語が成り立たなくなってしまうからである。
また、彼の周りにも生活力ゼロの同居人、やベーストーカー、脳筋の自称弟子等かなりの変人が集まっているので彼女達にツッコミを入れたりすることも少なくない。
彼がこうまでして自分を卑下するのも前述の通り村の中で凝り固まってしまった劣等感が主な原因なので、話が進むにつれ少しずつ自分に自信を持ち、軍人としての具体的な目標も持つようになる。
そして周囲もロイドを利用するだけでなく、仲間として対等に接し共に戦い共に笑い、支え合う関係が成り立っている。
彼もまた、物語の主人公として恥ずかしくない強さと優しさを持った少年なのだ。
…天然が過ぎるのはもうフォローのしようがないが。
能力
素手のパワーや身のこなしは、現役軍人が一目見ただけで怪物クラスと認めるほど。自分の数倍の体躯を持つモンスターでさえも軽々放り投げて倒してしまう。仲間内でまともに組手ができるのはフィロ程度。
魔法については、世間一般から忘れられ、扱える者もほとんどいないとされる「古代ルーン文字」を標準で扱える(コンロンでは常識)。
反面、知識のない人物にとっては単なる落書きにしか見えないため、士官学校の筆記試験で使った際にはこれが災いして不合格になった。
- 解呪
ロイドが最も使用する魔法。あらゆる呪いを簡単に打ち消してしまう。
マリーがアルカに師事して3年がかりで会得した高難度魔法だが、ロイドの場合は布に付与して掃除や汚れ落としという、本来とは明らかに違う用途に使っている。しかし、知らないうちにセレンの「ベルトの呪い」を解き、アザミ国王に憑依していた魔王を浄化してしまった。
- 雨を降らせる魔法
こちらも古代ルーン文字を用いた魔法。紙等に記したものを空に飛ばして数分後、雨が降り出す。当然ながら世間では規格外の魔法だが、ロイド本人は「自分にはこの程度しかできない」と思っている。
- エアロ
風の超初級魔法。詠唱により発動するが、訓練や試合などでの緊張ゆえに詠唱がカミカミになって「エアりょ」と発音してしまう。
...のだが、そんな不完全な詠唱であっても巨大な魔法陣と共に初級呪文とは思えないほどの突風が発生する。
なお、単に高威力というだけであり、細かい加減には難がある。
訓練では他に「フレイム」(火の超初級魔法)、雷と水の超初級魔法も習ったが、的を外して倉庫を吹っ飛ばす、的を粉々にするなど人を殺しかねない威力を出したため、使用を止められている。
余談
名前の由来はオオカミナスビと呼ばれる植物のベラドンナからと思われる。ベラドンナの根茎や根は薬である「ベラドンナコン」として日本薬局方にも記されているが、アルカロイド系の毒を含むため素人が手を出してはならない危険な代物である。ちなみに村長のアルカと合わせると「アルカロイド」となる。
最終巻によるとベラドンナ総アルカロイドという成分名からとのこと。
関連タグ
主人公 落ちこぼれ チート(無自覚チート) ルーン文字 ピュア 天然ボケ
まるで学習していない:無自覚チートの無自覚の部分(作中世界の一般常識の疎さ)が一向に微塵も改善されないロイドに当てはまる言葉。
他作品の類似・関連キャラ
セト(RADIANT):中の人が同じファンタジー作品の主人公であり、人知を超えた身体能力と膨大な魔力を備えているといったロイドと同じ繋がりを持つ。
以下、ネタバレにつき閲覧注意
最終巻ではなんとコンロン村の出身ではあるが、彼らとは血縁もない捨て子であったことが判明する。
だが、そんな彼のすごいところはコンロン村の出身者と同じ技能を身につけたことであるといえる。