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ロックマンを題材にした漫画、『ロックマンメガミックス』の続編。作者はありがひとし


概要編集

ロックマン3』『ロックマン バトル&チェイス』『ロックマンワールド5』が主な原作となっている。

宇宙の未知のエネルギーを巡るバトルなど、メガミックス以上のシリアスな展開が特徴。

ライト博士とDr.ワイリーとの、”心を持つロボットの創造主”としての在り方を巡るやりとりも見どころの一つといえる。


ギガミックス第二巻のあとがきによるとありがひとし氏本人は執筆中に右腕を痛めており(実は冷房により頸椎を痛めた事で連鎖的に引き起こされた)、日常生活でも箸を持っても落とす程に支障をきたしていた。しかも治療に通っていた整骨院も二巻作画の途中で閉院、そんな大ピンチに陥った中で出版予定を伸ばさぬようにと痛みに耐えながら作業していた。


そのため二巻、三巻は背景や効果トーンを担当しているアシスタントにもキャラのペン入れを手伝っており、ありがひとし氏と友好関係にある多数の漫画家やイラストレーター(この中には妻の古代彩乃や漫画版『ロックマンX』作者の岩本佳浩氏などもいる)が作画などに協力している。そのため、本来のありがひとし氏の画風と異なったイラストレーションになっている場面が多いが、新装版では近場で整体の先生と出会えたことで原稿の調整が出来る位には回復していた。


各ストーリー編集

第一巻編集

アステロイドブルース

ロックマン3 Dr.ワイリーの最期!?』がモチーフで、『メガミックス』における「R破壊指令」と「メタルハート」の間の時間軸に起きたストーリー。ロックマンとブルースの出会いが描かれている。


20XX年。

ロックマンとの長き激闘の末、ついに逮捕されたDr.ワイリーは、裁判にて禁固2000年の刑に服する事となり、刑務所の地下100mにて投獄の身となった。

それから約半年後、Dr.ライトの開発した探査艇が太陽系外の宇宙より飛来した謎の小惑星を発見。「α(アルファ)」と名付けられた小惑星には、地球外文明のものと思われる謎の遺跡が存在し、さらにその最深部に存在する祭壇のような場所には、今まで人類が手にした事も無い程の膨大なエネルギーを秘めた結晶である「エネルギー元素」が一つ置かれており、また、エネルギー元素を守る者と思われる自動兵器も存在した。ライトの分析の結果、小惑星αには回収して地球に送られたエネルギー元素と同じ物と思われるエネルギー元素がまだ8つ残っている事を突き止める。エネルギー元素が9つも揃えば1000年もの年月の間、エネルギー問題が解決される事から、世界政府はエネルギー元素全ての回収を決定。この事で、ライトは「今までの罪を不問にする」という条件で、服役中のワイリーの協力を得て、遺跡に侵入し自動兵器と戦って全てのエネルギー元素を回収できるロボットの製作に乗り出す。


3ヵ月後。宇宙に上がったライトとワイリーは、小惑星αに向かう探査艇の中で遺跡探査及び戦闘用の巨大ロボット「γ(ガンマ)」を完成させる。あと二日で小惑星αに辿り着く所であったが、ワイリーを連行する警備ロボットの前に正体不明のロボットが出現。警備ロボットを撃退するのと同時に、手錠で繋がれたワイリーを解放する。ワイリーはライトとγの設計と開発をする最中、密かにγの内部に予備のエネルギータンクと見せかけて「物質瞬間移送装置」を設置し、それを利用して隙を見て地球の秘密基地に戻っては、エネルギー元素全てを手に入れる為の戦力を整えていた。そして今、探査艇を小惑星に激突させようと暴れまわる正体不明のロボット達こそ、ワイリーが新たに生み出したロボット軍団「サードナンバーズ」であった。

地球に戻り、ドクロロボット達を引き連れて国際エネルギー研究所から既に回収されたエネルギー元素を奪取したワイリーは、小惑星に残った8つのエネルギー元素を奪うべく、サードナンバーズ達にγを起動させる指示をする。その一方、ロックマンの前に「ブレイクマン」と呼ばれる赤いロボットが現れ、ロックマンに挑んでくる。ロックマンがブレイクマンを撃退したその時、ライトからの通信が入り、通信越しでマスクの割れたブレイクマンの素顔を見たライトは、彼を「ブルース」と呼び、驚愕の表情を浮かべる。


バーニング・ホイール

『ロックマン バトル&チェイス』と『ロックマン7 宿命の対決!』がモチーフで、『メガミックス』における最後のストーリーである「史上最強の敵」の後に起きたストーリーである。


太平洋で建造されていた、日本の東京とアメリカのサンフランシスコを繋ぐ太平洋横断橋(ワールドブリッジ)が完成した。この全線開通記念イベントとして、WRU(世界ロボット連盟)はワールド・ブリッジを舞台にしたロボットの操るマシンによって行われる大レース「バトル&チェイス」を開催。WRUの名誉顧問であるライト博士は、渋々と式典への参加を余儀なくされる。そんな中、テレビでロールビートを改造したマシンである「ポップン・ビート」に乗って勝手にレースに参加する事を知ったロックは、ライト博士を引き止め、ライトットが勝手にラッシュを改造したマシンである「ラッシュ・ロードスター」に乗り、ロールを止めるべくレース会場に向かう。


しかし、レース会場へ向かう途中、Dr.ワイリーが新たに生み出した「セブンスナンバーズ」のメンバーであるスラッシュマンシェードマンの奇襲を受ける。彼らはロールのポップン・ビートにセンサー内蔵式の爆弾が搭載され、ゴールを通過するのと共に爆発を起こす事を告げ、助けたければバトル&チェイスに参加してワイリーとレースで勝負する事を要求し去っていく。

ようやくレース会場に辿り着いたロックだが、レースは既にスタートを切っていた。ロックがロールを助けるべく、やむなくレースに参加してコースを走る中、レースのトップグループを走るブラック軍団の一台が逆走を開始して正体を現す。その正体はフォルテと、彼の操縦するゴスペル・ダークスターであり、残りのブラック軍団も、ワイリー率いるセブンスナンバーズ達であった。フォルテが勝手に正体を現してしまった事で急遽正体を現さざるを得なくなったワイリーは、ワイリー軍団を総動員させて、レース場を大混乱に陥れる。


第二巻と第三巻編集

「バーニング・ホイール」の後に起きたストーリーとして描かれる。『ロックマン8 メタルヒーローズ』と『ロックマンワールド5』の2つのストーリーを組み合わせたストーリー展開で、ありがひとし氏のロックマン作品の最終章となっている。


また、スペースルーラーズは異星文明のロボット集団ではあるが、Dr.ワイリーが復活させたのではなく、遥か昔に白いロボットに封印されていた設定になっており、白い悪夢に登場するスペースルーラーズを封印したそのロボットは、ロックマン8の冒頭での、地球に来る前の姿のデューオを元にしている(地球に来る前の姿のデューオは、書籍『R20』に悪のロボット共々設定画が載っている)。


白い悪夢

「α(アルファ)」と名付けられた小惑星から謎の爆発が起こったのと同時に、正体不明の存在が『Dr.ワイリー』の潜む島・ワイリーシティに飛来する。宇宙から何者かが現れた事を、ロックを始めとする地球のロボット達は感じ取っていた。


「悪」であるDr.ワイリーを殺すべく、ワイリーシティに突如現れた正体不明の白いロボットは、フォルテを一撃で一蹴し、ワイリーシティの警備を行っていたセブンスナンバーズとサードナンバーズを難なく撃破。ワイリーシティの施設を次々と破壊しながら、Dr.ワイリーの司令室まで辿り着き、ワイリーに重傷を負わせる。ロックマンよりも遥かに冷酷無慈悲な白いロボットに追い詰められるワイリーであったが、セカンドナンバーズやシェードマンが犠牲になり、ワイリーナンバーズで唯一生き延びる事ができたシャドーマンによってDr.ライトの元へと運ばれる。


Dr.ライトの研究所にまで襲撃してきた白いロボットは「宇宙の正義を護る為に戦っている」と豪語し、ワイリーやシャドーマンだけでなくワイリーを庇うライトナンバーズやロックマンまで自分の意にそぐわない者・・・「悪」として断罪する事を宣言。


あまりにも偏った正義を掲げる白いロボットのやり方に納得のいかないロックマンは、ライトナンバーズやシャドーマンと共に白いロボットに立ち向かうが、圧倒的な戦闘力の前に徐々に押されていく。しかし、クイックマンに付けられた傷により僅かながら白いロボットの内部が露出して、そこにスーパーロックマンのロケットバスターが命中。白いロボットが深手を負いふらついたその時、白いロボットの内部からいくつものロボットの手が白いロボットを蝕んでいくかのように現れ、白いロボットが爆散したのと同時に爆発の煙から9体のロボット達が現れる。


9体の黒い眼光を放つロボット達は、かつて白いロボットが封印した凶悪な戦闘ロボット「スペースルーラーズ(宇宙の破壊者達)」であった。


暗黒の月

自分達が「宇宙を破壊し尽くす存在」であると豪語したスペースルーラーズは、上空に飛び上がって街を破壊し始めた。ロックとエレキマン、カットマン、ラッシュはそれを止めようと飛び出すが、返り討ちに遭い撃墜されてしまう。を中心にしてスペースルーラーズは世界各地へと散り、世界各地で活躍する元Mr.エックスナンバーズを次々と破壊。スペースルーラーズ殲滅の為に結成されたロボット軍団もアース一人が約30分で全滅させる。


絶望的な現実をテレパシーで見せ付けられた人々は恐怖し、Dr.ライトも半ば諦める中、Dr.ワイリーは負傷したファイヤーマン達を修理すると言い出す。ファイヤーマン達を道具のように扱うのかとライトは詰め寄るが、逆にワイリーから「自分の都合を押し付けるお前こそロボットを道具のように扱っている」、「自分達が何故ロボットに『心』を持たせたのかを思い出せ」と突き付けられる。そこへスペースルーラーズのジュピターとビーナスが現れ、容赦無い攻撃を仕掛けてくる。


一方、ロックとエレキマン、カットマン、ラッシュは、自給戦隊アルバイターを自称するワイリーナンバーズのフィフスナンバーズに救われ、地下道にいた。それでもスペースルーラーズの執拗な追撃は続き、マーキュリー、サターン、ウラノスの三人がロック達を襲撃する。フィフスナンバーズはロックマン達ならばスペースルーラーズに勝てると信じてロック達を逃がそうとするが、敵の圧倒的な戦闘力の前に次々と破壊されていく。散ったフィフスナンバーズから託された思いを無駄にしない為にも、ロック達は諦めずに立ち向かおうとするが、その姿に苛立ちを覚えたスペースルーラーズの要請を受け、アースが新たに巨大ロボットダークムーンを召喚。24時間後にダークムーンによって世界を破壊し尽くす事を宣言する。


ダークムーンの唸り声が世界中に響く中、更なる絶望が襲い掛かっても、自らの意思で立ち向かおうとする「心」を持ったロボット達に、ライトもまた、かつてワイリーと共に「心」を持ったロボットを造ろうと情熱を注いだ日々を思い出す。身を挺してライト達を護ろうとしたロールに、ビーナスが攻撃しようとしたその時、謎のロボットが現れ、ビーナスの身体を一撃で貫き、破壊する。


圧倒的な戦闘力を見せ付けたスペースルーラーズの一人を一撃で破壊した一体のロボットに誰もが驚く中、そのロボットは自らの名をデューオと名乗る。


光る明日へ

突如、現れた謎のロボットデューオは、ロールやライト博士達の危険を無視してスペースルーラーズに攻撃を仕掛けるも、それをカリンカが制止。デューオは攻撃を中断して、ライト博士達の防戦へと移行する。デューオはコサック博士が造り出したロボットだった。


一方、スペースルーラーズに追い込まれたロックマン、カットマン、エレキマンの三体は、救援に現れたコサックナンバーズによって難を逃れるが、彼等は様子がおかしい。何かに操られるように突進してきたウラノスを集中砲火によって撃破。苦しみ出した彼らの身体から「超エネルギー結晶」が出てくる。


とりあえず難を逃れたロックマン達は、ライトットが密かに建造していた移動研究所「ビッグエディー」の中で修理を開始するも、休む暇を与えないようにアースがビッグエディーを強襲する。すぐ様デューオは攻撃しようとするが、サターンのブラックホールによって宇宙へと飛ばされてしまい、残ったスペースルーラーズのメンバーによってデューオは破壊されてしまう。さらにアースによって、意図的にロックマンとアースの激しい攻防戦の映像が世界中に向けて流され、人々はロックマンに希望を託していたが、ロックマンが窮地に陥ったその時、突如何者かの攻撃によって、ロックマンの頭脳部分が狙撃されてしまう。それを行ったのは、他ならぬロックマン打倒に執念を燃やし、密かに開発していた強化スーツを身に纏ったワイリーだった。アースは自らの手でロックマンを倒す事で、世界中を絶望に染めて「真なる破壊神」を目覚めさせようとしていたが、予想外のワイリーの蛮行によってロックマンは倒れ、アースの目論見通りに世界中は一気に絶望の淵へと叩き落されてしまう。そんな中、タンゴに助けられていたブルースは、自らを助ける為に機能停止したタンゴにマフラーを託すと、スペースルーラーズと決着をつけるべく、単独で宇宙に向かう。


最後の一撃を放ってアースが去って行った後、死んだと思われていたワイリーナンバーズのメンバーが現れた。彼等は真っ先に逃げ出そうとしたダークマン達によってガメライザーの中へと運び込まれていたのである。恩を仇で返してロックマンを撃ったワイリーに怒りを向けるライトナンバーズと、ワイリーを守ろうとするワイリーナンバーズが衝突する中、それをライト博士が制止する。実はワイリーは、ロックマンを仮死状態にしていただけで、それを行ったのも、今のロックマンではアースに太刀打ちできないと判断したからであった。ライトとワイリーは、急遽ロックマンの蘇生処置を開始するが、ロックマンの電子頭脳部分に、ワイリーが撃ったのとは異なる極小のレーザー跡があるのに気付く。アースはワイリーが一芝居打っていたのに気付いており、逆にそれを利用してロックマンの電子頭脳部分に致命傷を与えていたのだ。諦めずライトとワイリーの二人は、ロックマンの修理を懸命に続けるが、そこへカットマンが現れて、ある提案を出す。


スペースルーラーズを倒すには、コサック博士が自身のナンバーズ達に搭載した「超エネルギー結晶」の力が必要不可欠であるとエレキマンが言う中、ゴスペルにライトットを脅させて修理を終えたフォルテが、7本あった超エネルギー結晶の内4本も持ち出して、単独で宇宙に向かってしまう。超エネルギー結晶の力を制御できず暴走するフォルテは、先に宇宙に向かっていたブルースやスペースルーラーズを無差別攻撃。夢の中で、デューオの意志に今まで自らが行ってきた罪を追及され、苦悩するロックマン。そこへ現れたカットマンの意志に導かれ、ロックマンは目覚める。ロックマンとほぼ同型のロボットとして開発されたカットマンは、ロックマンの電子頭脳からデータを引き出し自らの電子頭脳に上書きさせてロックマンの人格データを保護したのだが、カットマンの人格データは消えてしまいカットマンは犠牲になった。


ロックマンは超エネルギー結晶を自らに搭載する事を決意する。肝心の宇宙に向かう方法は生存していたシェードマンから提案があった。ワイリーが第二次世界征服計画の際に使用した基地に残されている「スカル衛星」にスターマンのバリアを展開させて宇宙へ上がるというものだった。全てのナンバーズ達を破損したパーツとして代用し、機能停止していた基地は再稼動する。コサック博士はリングマン、ワイリーはシャドーマンを選抜し、それぞれに超エネルギー結晶を搭載。三人の博士やナンバーズ達に希望を託されたロックマン達は、バリアを展開したスカル衛星にのって、破壊神「サンゴッド」が眠り続けるダークムーンのいる宇宙へと旅立つ。


余談編集

  • 作中のモブキャラクターの中にはロックマンエグゼシリーズやロックマンゼロシリーズのキャラクターが登場している。
  • 最終章でブルースは生死不明のままになるがその後のシリーズを踏まえるのならば恐らく何らかの方法で救出された可能性があると言える。
  • 本作のデューオは二種類のデザインに分かれており、前者は原作の「ロックマン8」の冒頭で登場した姿だと思われる。また、後者は吹き飛んだ腕をコサック博士が作りかけのロボットに移植したものでこれは8開発時の初期のデューオの設定を基にしたと思われる(開発当初はコサック博士の作ったロボットだったのだが後に宇宙から来たロボットと設定変更された)。
  • 本作では若き日のワイリーとライト博士の姿が独自に描かれ、こちらは「ロックマンエグゼ」のデザインを基にしている。

関連タグ編集

ロックマンメガミックス…前作

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