クイックマン
くいっくまん
クイックマンとは、ロックマン2に登場するボスキャラである。
DWN.012 QUICKMAN
長所:早寝、早起き
短所:落ち着きが無い
好き:カーレース
嫌い:亀
「自らが光速に近づく」というテーマのもとに製作されており、自身の主観時間を増大させ高速で移動することができる。
動きの素早さと高いジャンプ力を自慢にしているスピード狂だが、その一方で正々堂々とした戦いを好む性格である。
タイムストッパー遮断装置に欠陥があり、素早い相手は動き止めればいいため、発動されると唯一ダメージを受けてしまうボスである。
そのため、一部のファンからはマグロに例えられている。ただしタイムストッパーで減るのはライフの半分まで。
また、クラッシュボムも弱点となっている。
効かない特殊武器で攻撃すると防御のポーズをとる。
この仕様は『1』及び『2』のプランナーであるA・K氏曰く、「自分自身が『ロックマン』で最もやりたかったのはステージを構成する様々な要素(敵キャラクター、壁などの障害物、背景の雲や森など)総てがいずれかの特殊武器で変化することによりプレイヤーの損得に影響する」という要素であったが実現は難しく、クイックマンの防御体勢やヒートマンがクラッシュボムで回復することなどが「やりたかったこと」の名残としてゲーム中にそうした事例が幾つか確認できるとのことである。
彼のステージといったら、触れると即死するレーザービームのトラップで有名。
タイムストッパーでトラップを停止させられるが、そうするとクイックマン戦で使えなくなってしまうため悩ましいところ。
ノーダメージ撃破は極めて困難で、ウッドマンと双璧をなす強敵。
しかし防御力は低く、単発攻撃力も常識レベルで、ある程度動きが見れるようになればバスターゴリ押しでも十分勝てる相手だったりする。
余談だが、スーパーアドベンチャーロックマンの設定や書籍によると、公式で美形設定である。原案ハガキのイラストは不明だが、名前は「ブーメランマン」だったらしい。
クイックブーメラン
前方に楕円状の軌道で飛ぶブーメランを発射。短射程だが連射が可能。燃費も良い。
メタルマン・バブルマンの他、ワイリーステージに登場する大型メカ達との戦いでも重宝する。
因みにボス部屋に入る前から攻撃ボタンを押しっぱなしにするとメタルマンはこの技に反応出来ず、ほぼ無抵抗のまま瞬殺可能。
と云うのは実のところ「概要」項目で言及したA・K氏らが開発当初から承知していた要素であることが、ありがひとし氏との対談(復刊ドットコム版『ロックマンマニアックス下巻』などに収録されている)で明らかになった。
メタルマンはそもそもプレイヤーの攻撃ボタン及びプレイヤーの接近を感知して回避行動を取るふうに設定されており、ボタンを押したまま攻撃できる『2』唯一の特殊武器であり尚且つ攻撃範囲がメタルマンのジャンプ移動を決定づける手前ギリギリの間合いであるクイックブーメランなら連続攻撃できるように当初から企図されていた。
A・K氏は他にも、「『2』の8大ボスめいめいの弱点は『1』のようにキャラクターの属性にあるのではなく、特殊武器の動きや特長を仔細に観察するとボスそれぞれの挙動に対応しているため、弱点武器が推察できる」ことを前提にして開発が進んでいたことを明らかにしている。
・『ロックマン3』
彼のプログラムを与えられたドクロボットが登場。
プレイステーション版ではナビゲーター役のブルースから「強敵だな」と言われている。
実際にドクロボットはクイックマンより身体が大きく強烈な威力の体当たりを避け辛い。
また、クイックブーメランの威力が半減した代わりに体当たりの威力は倍加しており、「クイックマンに当たらずブーメランに当たれ」の語源にもなった。
弱点はジェミニレーザーとサーチスネーク。どちらも当てにくいのが難点。前者はドクロボットに当たらないと次が撃てず後者は地を這うので、どちらも当てるには接近戦を余儀なくされる。E缶によるゴリ押しは必要だろう。
・『ロックマン2・ザ・パワーファイターズ』
「新パーツを取り戻せ!」シナリオに登場。
体力が半減するまではそこまで素早い動きは無く、クイックブーメランも破壊可能。
体力半減後は地上や空中から素早い突進攻撃を繰り返す様になる。
とはいえ普段の行動自体は変わらず割ともっさりしており、どちらかと言えば「緩急のついた攻撃パターン」と言える。
たまにアルゴリズムがバグって狂ったようにクイックブーメランを乱射する事があり(例:ブーメブーメブーメラントウッ!(突進)…等)、こうなるとさっさと怯ませるかほとぼりが冷めるまで手が付けられない。
体が軽いらしくエアーシューターが弱点(原作でも一応2ダメージ入る技)だが、威力が低めでやや当てにくいのでバスターでも十分かも知れない。
クイックブーメランはファラオマンと、原作通りメカドラゴンの弱点。
因みに彼と戦うときは彼のステージBGMではなく、「2」のボス戦のアレンジ版が流れる。
・『バトル&チェイス』
かつてカーレースでターボマンに敗北して以来身を隠していたが、プライドを取り戻すために大会に参加。「ソニックフォーミュラ」に乗って出場する。
ねっとりとした喋り方で、若干ナルシストの気がある。
全マシン中で唯一妨害系の能力を持たず、左右移動や急加速を駆使して走る。
妨害の激しいゲームなので、ウイングの能力を活かしていかに序盤でリードを取るかが肝となる。
CVは檜山修之。
・『スーパーアドベンチャーロックマン』
ワイリーに忠誠を誓いつつ、正々堂々とした戦い方を信条とする潔さを持つロボット。
故にロックマンの対等なライバル。現れたシャドーマンのシャドーブレードからロックマンをかばって、ワイリーの事を託して力尽きる。
終盤では他のボスと共に復活するが、事件の真相をロックマンから聞いていたジェミニマンと共にワイリーに「自分達はラムーンに操られているのでは」と警告をしていた。
CVは森久保祥太郎。
・『ロックマンX5』
直接登場しないものの、オマージュとして即死レーザートラップが登場するステージがある。
ありがひとし版のクイックマン
『ロックマンメガミックス』及び『ロックマンギガミックス』においては寡黙でクールな印象がより強調され、登場頻度こそ低いものの、重要な役割を担うことが多い。
自分なりのこだわりや美学があるらしく、加勢にきた(一騎討ちの邪魔をした)フラッシュマンをバラバラにしたり、ワイリーの造ったマシン(ソニックフォーミュラ)への搭乗を拒否したりと、フォルテほどでないにせよ勝手な行動が目立つ。
一方でワイリーの逃亡を阻止しようとするロックマンの銃撃を総て無効化したり、ワイリー軍団の根拠地「ワイリーシティ」崩壊時には命懸けでワイリーを脱出させようとするシャドーマンとシェードマンらに先行するよう促したりなど、言葉には出さないが造物主に対する忠誠心は強い。
また『2』のワイリー城に登場するボスロボットメカドラゴンを基地外の戦闘で多用する傾向がある(ロックマンとラッシュ、フォルテとゴスペルの関係に近いかもしれない)。但し初号機は「R破壊指令」でフラッシュマン共々容赦なく大破させている。
『ロックマン誕生』での初登場時にはローブをまとっており、50%の完成度でありながらロックマンのバスターを切り落とした。
『R破壊指令』では、ワイリーに迫るエレキマンと戦闘になり、一撃で沈めたがとどめは刺さなかった様子。その後スカル衛星上でロックマンと対峙し、しとめる寸前で、ロックマンを倒すことに執念を燃やすフラッシュマンに邪魔をされる。フラッシュマンに制裁を加え、再び斬り合いとなったが、僅差で敗北する。敗北後はそれを悔しがる様子もなく、バラバラになったフラッシュマンを放置して静かに立ち去った。
『バーニングホイール』では、レースに出場する予定だったが、命令を無視したらしくワイリーを憤慨させていた。
『白い悪夢』では、ワイリーナンバーズが全滅した後、ワイリーを逃がそうとするシャドーマンとシェードマンが白いロボットの攻撃を受けそうになったところを救いに現れる。他のナンバーズが手も足も出なかった白いロボットに手傷を負わせるなど、圧倒的な戦闘力を見せるが、白いロボットが起こした爆発に巻き込まれて物語から一時退場する。
『光る明日へ』で再登場し、マーキュリーとネプチューンを道連れに大気圏へ突入して落ちていくシャドーマンを、メカドラゴンに乗って回収(ちなみにシェードマンもホゲール轟沈後、ワイリーシティから間一髪離脱したクィックマンに救助されていた)。マーキュリーを撃破した。
なお、作中のクイックブーメランは手持ちの巨大なブーメラン型サーベル(ゲーム本編と同じブーメランを多数連結させた形態)になっており、剣の様に使う(接触ダメージの高さを表現するため、またありが氏のnoteによると『コミックボンボン増刊号』の読み切り(単行本『ロックマンリミックス』に「破壊指令」(『メガミックス』「R破壊指令」はこの作品の内容をぐっと深化させたもの)で「少ないページでも強そうに見えるよう」にするためだったと云う)。
通常のクイックブーメランの発射口も右手に装備しているが、作中で使うことはなかった。
セカンズ・サーズ・セブンスといったワイリーナンバーズの総攻撃で傷一つつかなかった白いロボットに傷を負わせる、クリスタルなしでマーキュリーを圧倒するなど、尋常ではない戦闘力の持ち主として描かれている。
「破壊指令」ではラッシュコイル使用時のロックマンと同じ高度にまで瞬時に到達する描写がある。
その圧倒的なスピードの設定としては光速度に近づくことで擬似的に時間を遅くしているとの事。
なお、特殊武器との相性については「フラッシュマンのタイムストッパーは現実には時間軸へ干渉しているのではなく、特殊なマイクロ波によって物質を構成する分子が重力と真逆のベクトルで連続振動することの副作用により、相対する面々が「光って止まる」効果が発生する。しかしながら抜きん出た機動性をクイックマンに与える彼の高速移動装置内部においては、分子が統率を失って発熱することによって大打撃を与える結果になる」ことを上述したA・K氏は創案していた。
さりながら、ありが氏が「技術屋の友達」の協力を得て練り上げた「自分以外の時空間における光に作用して完全に時間を止めるタイムストッパーの機能が、ワイリー博士が独自に開発した加速装置の性能と干渉して質量が急激に増殖してしまい、即ち相対性理論が指摘するところのブラックホールばりに過密した重力によってクイックマン本体に甚大な負荷が生じる」と云う設定がより説得力がある、と『メガミックス』の設定を称賛している。
『ロックマンマニアックス』の4コマでは、メガミックス・ギガミックスのキャラは消え失せ、ツッコミに奔走している。
『ロックマン2編』から初登場。
挑発的な性格で、ロックマンを罵倒しながら勝負を仕掛けた事がある。その分自由奔放な一面を持っているため、ロックマンを倒すためなら、ワイリーの命令を無視したり、ロックマンと戦っている(髪を見て戦意喪失中の)フラッシュマンに不意打ちをかけたりなどする。
だがフラッシュマンからコピーした『タイムストッパー』により動きを封じられ、意識が途絶えたままとどめをさされる。だがアメコミオリジナルストーリーの『エメラルド・スピアズ編』の最中、ワイリーがランフロント遺跡へ逃亡した際、ラ・ムーンの力により復活した。
『ロックマン2』ナンバーズの中ではトップにいるタイプで、リーダー格に当たるらしい。その上ロックマンに挑発的な言動を出すほど、ロックマンに対するライバル意識が強い。
ソニックとロックマンのスペシャルコラボ編では、ワイリーの時空データで『ロックマン2』当時のクイックマンを再現させ、ワイリー軍の一味として登場した。そこでソニックとスピード勝負するが、ソニックの圧倒的なスピードにやられながら、彼に対する恨み言を吐きながら激しく転がり倒れた。
性格も似ている事もあり、同じスピードの持ち主である事から、ソニックに対するライバル意識もある。
「ロックマンエグゼ」のクイックマン
CV:茂木優
初登場はロックマンエグゼ2。
ネットマフィア『ゴスペル』に所属する速見ダイスケのネットナビ。デザインは本家とほぼ同じ。
作中での活躍
ロックマンエグゼ2
ゴスペルの協力を得ておくデンダムに時限爆弾を仕掛け、デンサンシティを水没させようと企んだ。
両腕から突き出るアームガードを一時的に片方はずして大きなブーメランとして使い、殆どの攻撃を防御する。攻撃を当てられるタイミングは移動中、もしくは攻撃する瞬間以外には存在しない。
技はアームガードを投げて手元に戻す「クイックブーメラン」、縦3マスを額のパーツで斬る「Vソード」。「クイックブーメラン」がメガクラスチップで使用できる。
ロックマンとの戦いの末敗れるが、クイックマンそのものが最後の起爆プログラムであり、敗北すれば自動的に爆弾の起爆スイッチが入るような仕組みになっていた。
「駆け抜けた人生に満足!」と叫び、自爆しようとするも爆弾はすでに解体されていたうえ。爆発寸前に駆けつけたブルースに切り裂かれデリートされた。
クイックマン自体は2番目のボスキャラだが、その圧倒的なスピードと隙の無さ、そして一個前のボスであるエアーマンがお世辞にも大して強くないため、油断して初見でこいつにやられた人も多いのではないだろうか。
これは「3」に登場するビーストマンにも同じことが言える(2番目に戦うボスキャラだが攻防共に手強く攻撃も当てにくく、初見での勝利が難しい)。
ロックマンエグゼトランスミッション
時系列的には1と2の間。
ゼロウイルスに感染し、銀行のセキュリティ(本家の例のレーザービームのトラップ)を自慢のスピードで掻い潜り銀行を占拠した。
ゼロウイルスによって暴走しているため戦闘になりロックマンに倒される。しかし正気に戻るだけでデリートされてはおらず、プラグアウト命令でプラグアウトした。つまり通算してロックマンとは2回戦っていることになる。
クイックマンの暴走を止めてくれたお礼にダイスケからサブチップ付きのメールが届くが、既にゴスペルと関わっているためか、ダーク・ミヤビ同様「?」の顔アイコンでの登場となる。
ロックマンエグゼ(アニメ)
第一期中盤で登場。
ゲームと同じく「ゴスペル」の速見ダイスケのネットナビ。
ダムの爆破予告をするが、あくまで彼らの目的は理不尽な自然開発をネット犯罪というかたちで警告するという狂言であり、本気で爆破するつもりはなかった。だが計画を実行しなかったため、彼らの後を追っていたゴスペルのカットマンの襲撃に遭う。
第四期ではグレイガ軍のゾアノロイドとして登場。獣化前の姿は比較的オリジナルの姿に近い他のゾアノロイドに比べシルエットがダイスケのクイックマンと大幅に異なる。獣化後の姿はロックマングレイガビーストに近い姿となり、頭のブーメランの形状がV字型から✔︎字になっている。
コピーロイドにプラグインして実体化、獣化してCFロックマンと互角の戦いを繰り広げたが、ゾアノゲートマンの干渉で動き出したトラックに轢かれて怯んだ所にワイドショットを食らって倒された。
ちなみに一人称はゲーム版とは異なり「僕」になっている(ゾアノロイドの方はゲーム版と同じ「オレ」)。
ワイリーが学生時代にスピードギアシステムを開発していたため、コンセプト上クイックマンに技術が応用されている可能性がある。
(このシステムが登場したロックマン11の冒頭までワイリー自身が存在を忘れていたのであくまで可能性であるが。)
本家
メガミックス
エグゼ
トーチマン:実に30年ぶりに登場した『ステージが難しい上にボス自体も強い』という後輩。
キャシャーン:頭にVの字繋がり。100年後の未来世界がよりキャシャーンの世界観に近づいたりするのだが、それはまた別の話。
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