【『HUGっと!プリキュア』本編最終話のネタバレ注意】
概要
『HUGっと!プリキュア』最終話前半において、はなたちに別れを告げ、はぐたんやハリーと共に未来へ帰っていったルールー。
それから時は流れ2030年、研究所らしき建物の廊下を、ドクター・トラウムによく似た男性と、美しく成長したえみるが歩いていた。
「この日が来るのをずっと待っていたのです」と語るえみるが、招き入れられた一室で対面したのは……
誕生したばかりのアンドロイド、「この世界線」におけるルールーであった。
えみるの呼びかけにゆっくりと目を開けたルールーは、目の前のえみるに「あなたはだあれ?」と問いかける。えみるはそんなルールーを優しく抱きしめ、涙ながらに「あなたの親友です」と伝えた。
「心と身体を成長させる」と紹介されたこのルールーは、「彼女」の面影はあるが外見年齢はずっと幼く、11年前のえみると同じくらいに見える。
大人になり身長も伸びた現在のえみるとの対比は、11年前の2人とはまるで真逆であった。
上述の通り生まれたばかりであり、えみるとも「初対面」のため、11年前のことは何も知らないはずのルールー。そもそもこのルールーは、名前が同じなだけの全く別の個体である。
特に髪型と服装は全く異なっており、これは小さいお友達にも「別人である」という事実を理解させるためとも思われる。
しかし、隣でえみるが弾き語るかつての親友との想い出の曲に惹き込まれるような様子を見せた後、ごく自然に自身の歌声を乗せるのだった。
このルールーがどのように心と体を成長していくかは分からない。当然ながら「えみると親友だったルールー・アムール」とは全く異なるタイプになる可能性だっていくらでもある。
だが、ルールーを作った製作者は「彼女を失われたものの代用品にしてはならない」という矜持を持ち続けて、最終的にルールーを一人の人格として受け入れるに至った。そうしてくれたことはルールーにとっての幸福でもあった。
だからえみるも、そうするのだろう。かつてのルールー・アムールの代わりでは決してなく、新しい友人として、このルールーとゼロから親友になる。
だからこそ、このルールーはかつてのルールーの情報も記憶も一切を持たされていない……はずだったのだ。
このルールーが自分の望んだ輝く未来を自分で選ぶことができるように。それは「かつてのルールー・アムール」と同じであってもいいし、違っていてもいいのだから。
だが、上記の通り、そんな彼女もあの曲を歌って見せた事から、世界線すら違う、かつてのルールー・アムールから引き継いだ何かがある可能性は否定できない。
余談
ルールーが作られた研究所の傍には、良く見ると数体の人型ロボットと共にはなが社長を務めるアカルイアス社のロゴマークが描かれた看板が佇んでいる。彼女の開発には、家族として同居していたはなも間違い無く一枚噛んでいると見るのが妥当だろう。
そしてルールーの誕生から直ぐにはなもはぐみを出産。種族と場所は違えど、同じ日に2つの命がこの世に生を受ける形で物語は幕を降ろした。