魔法そして魔法剣を学ぶ、名門キンバリー魔法学校。
ここでは卒業までに2割の生徒が、再起不能や行方不明、または発狂した末の死に至る。
つまり、“魔に呑まれる” ——。
その剣が導くは、復讐か、相愛か——。
⚠️本記事とネタバレについて⚠️
はじめて作品に触れる視聴者も多いことから、本記事ではキャラクターや用語についてはネタバレに配慮し、アニメ第6話(原作1巻の結末)とそれ以降の物語について原則触れないように記述する。Wikipediaはネタバレがあるので注意。
概要
タイトル | 七つの魔剣が支配する |
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推奨ハッシュタグ |
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英語版タイトル | Reign of the Seven Spellblades |
中国版タイトル | 七魔剑支配天下 |
著者 | 宇野朴人 |
イラスト | ミユキルリア |
出版 | |
刊行期間 | 2018年9月~ |
巻数 |
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『ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミン』の著者である宇野朴人の次作。イラストはミユキルリアが担当。
略称は「ななつま」が推奨されている。
著者の宇野によれば、内容は「児童文学じゃない(※)『ハリー・ポッター』」であり、『ハリー・ポッターシリーズ』以上にダークな魔法学園に「魔剣」という要素が加わる作品となっている。
(※正確に言えば『ハリー・ポッターシリーズ』は児童書として紹介されることが多いものの、著者のローリングに児童書という意識はない。)
『ラノベ好き書店員大賞2019』文庫本部門第1位。宝島社『このライトノベルがすごい!2020』では文庫部門1位・新作1位。2022年9月時点で電子版を含めたシリーズ累計部数は70万部を突破している。漫画化、TVアニメ化、audible化している。
あらすじ・試し読み
魔法使いが「杖」に加えて「剣」を扱うようになった時代。
大英魔法国(イエルグランド)の名門キンバリー魔法学校は、卒業までに「魔に呑まれる」者が多い、文字通りの魔宮。
春、キンバリーにオリバー=ホーンが入学する。穏やかで理性的だが、そこはかとなく影が見え隠れする少年。そんな彼を中心に、様々な出生や背景を持つ少年・少女たちが集い、魔法使いとなるべく切磋琢磨していく。 希望に胸を躍らせ、学園の門をくぐる魔法使いの卵たちに、魔法学校の脅威が牙を剥く。
そして、“七つの魔剣”を巡る因縁の物語が始まる。
主要な登場人物
同級生
オリバーとその仲間たち
⚫️オリバー=ホーン(Oliver Horn)
CV:田丸篤志
主人公。万能で、悪く言えば器用貧乏型の魔法使い。黒髪。温和で理性的。どこか影がある。
⚫️ナナオ=ヒビヤ(響谷 奈々緒)
CV:貫井柚佳
ヒロイン。東方(エイジア)、日の国(ヤマツ)出身であるサムライ魔女。ござる口調でポニーテール。殺し合いに生を見出す。「無垢の純白(イノセントカラー)」という特殊体質で、魔力循環の高まりによって髪の色が黒から白になる。
⚫️ミシェーラ=マクファーレン(Michela McFarlane)
CV:山田美鈴
金髪縦ロールで褐色の魔女。愛称はシェラ。大英魔法国(イエルグランド)南部の名家マクファーレン家の長女で、皆をよく見ている気配り上手。
⚫️カティ=アールト(Katie Aalto)
CV:大和田仁美
茶髪の巻き毛の魔女。北方の湖水国(ファーンランド)出身。あらゆる生物を愛する人権派。
⚫️ピート=レストン(Pete Reston)
CV:杉山里穂
両親は非魔法族であり、普通人枠から試験を受けて入学した努力家。銀髪に眼鏡、華奢な体格で中性的。
⚫️ガイ=グリーンウッド(Gai Greenwood)
CV:菅原慎介
魔法農家出身の長身で短髪の赤髪の魔法使い。体感派で、明るいムードメーカー。
オリバーたちのライバル
⚫️リチャード=アンドリューズ(Richard Andrews)
CV:千葉翔也
名家アンドリューズ出身の魔法使い。あずき色の長髪。ミシェーラの幼なじみ。プライドが高く、オリバーたちを敵視する。
⚫️アニー=マックリー(Annie Mackley)
CV:市ノ瀬加那
アンドリューズと同様、オリバーたちと対立する魔女。保守派の家柄のため、人権派のカティに目をつけている。茶髪。
⚫️トゥリオ=ロッシ(Tullio Rossi)
CV:神原大地
飄々とした性格の魔法使い。独特の剣技で戦う。靴国(ユタリ)訛り。長身に長い黒髪の癖毛。
⚫️ステイシー=コーンウォリス(Stacy Cornwallis)
CV:前田佳織里
マクファーレンの分家に生まれた魔女。本家のシェラへ張り合う。ボリュームのある金髪のツインテール。
⚫️フェイ=ウィロック(Fay Willock)
CV:橘龍丸
ステイシーの従者の魔法使い。ファー付きの制服を着ており、目の下に紋様がある。ハネのある黒髪で毛先は白い。
⚫️ジョゼフ=オルブライト(Joseph Albright)
CV:古川慎
武門の名家・オルブライトに生まれた魔法使い。実力が高く尊大。体格が良く、赤みのある黒の短髪。
⚫️イヴリン=オーデッツ(Evelyn Odets)
CV:本泉莉奈
ロッシが企画した一年最強が誰かを決める決闘に参加し、ナナオに勝負を挑み敗れた。めちゃくちゃ早口で喋る魔女。
上級生
協力者
⚫️ヴェラ=ミリガン(Vera Milligan)
CV:加隈亜衣
四年生。亜人種の生態を研究している魔女。人権派で、カティを気にかける。
長い銀髪の前髪で左目を隠している。一悶着の末にオリバー一派の協力者となる。
アニメ1期では死亡フラグを立てまくった末に死亡、
良くて後遺症不可避としか思えない重傷を負った際の断末魔が最後の台詞となったが
その後平然と無傷で歩く様を見せ、いい意味でネタキャラとなった。
(上記の一悶着の際も他所の作品なら死んでいてもおかしくない退場をしている)
迷宮の危険人物
⚫️オフィーリア=サルヴァドーリ(Ophelia Salvadori)
CV:茅野愛衣
四年生。サキュバス(淫魔)の末裔の魔女。自身から溢れる惹香で男性を魅了し、強力な魔獣を体内から生み出す危険人物。暗い桃色の長髪に妖艶なドレス。
⚫️サイラス=リヴァーモア(Cyrus Rivermoore)
CV:伊丸岡篤
五年生。死者の骨を操る魔法使い。好戦的な性格で、オフィーリアとよく戦っている危険人物。短髪に顎髭。
生徒会(スクールフォース)
⚫️アルヴィン=ゴッドフレイ(Alvin Godfrey)
CV:日野聡
五年生。学生統括で生徒会(スクールフォース)を率いる魔法使い。「煉獄」と称され、桁違いの火力を誇る。率先して学内のトラブルを解決している人格者。長い前髪を真ん中で分けている。
⚫️カルロス=ウィットロウ(Carlos Whitrow)
CV:山本和臣
五年生。桃色のショートカットで、中性的な容姿と美しい声を持つ魔法使い。生徒会に所属しゴッドフレイと行動を共にする。
⚫️レセディ=イングウェ(Lesedi Ingwe)
CV:芳野由奈
五年生。生徒会の古株である魔女。自身にも他人にもストイックな人物。
⚫️ティム=リントン(Tim Linton)
CV:玉城仁菜
四年生。生徒会の古株である魔法使い。小柄で可愛らしい外見とは裏腹に、短期かつ好戦的な性格を持つ。「毒殺魔」の異名で恐れられている。ゴッドフレイに好意を抱いている。
オリバーのいとこ達と同志
⚫️シャノン=シャーウッド(Shannon Sherwood)
CV:渡部紗弓
五年生。柔らかい雰囲気の魔女。金髪。
⚫️グウィン=シャーウッド(Gwyn Sheerwood)
CV:石毛翔弥
五年生。朴訥とした雰囲気の魔法使い。赤毛。
⚫️テレサ=カルステ(Teresa Carste)
CV:真野あゆみ
姿を現さずオリバーと言葉を交わす、謎の少女。
教師
⚫️エスメラルダ=カテナ=ドラクルーグ(Esmeralda Catena Drakrug)
CV:田中敦子
校長。魔法界の頂点に君臨する魔女。冷徹な性格の銀髪の美女。魔道の追求を是とし、生徒の生死をいとわない。
⚫️ルーサー=ガーランド(Luther Garland)
CV:興津和幸
「魔法剣」を担当する魔法使い。「剣聖」と称される達人。キンバリー魔法学校の教師の中では例外的な良識人であり、生徒にも好かれている。銀の長髪。
⚫️ダリウス=グレンヴィル(Darius Grenville)
CV:東地宏樹
「錬金術」の授業を担当する魔法使い。高圧的かつ侮蔑的で、指導のためには暴力も行使する。生徒を使い潰すという黒い噂もある。黒髪で鋭い目つき。
⚫️フランシス=ギルクリスト(Frances Gilchrist)
CV:加藤美佐
「呪文学」を担当する魔女。厳格。魔法剣を否定する。白髪の老婆。
⚫️バネッサ=オールディス(Vanessa Alldis)
CV:豊口めぐみ
「魔法生物学」を担当する魔女。粗暴。人のための資源として生物を扱う。ワイルドな外見。
⚫️エンリコ=フォルギエーリ(Enrico Forugyeri)
CV:大塚芳忠
「魔道工学」を担当する魔法使い。躁じみた言動。常にキャンディを持っている小柄な老爺。
⚫️ダスティン=ヘッジス(Dustin Hedges)
CV:深川和征
「箒術」を担当する魔法使い。黒髪。若い。
⚫️セオドール=マクファーレン(Theodore McFarlane)
CV:関俊彦
ナナオをキンバリー魔法学校に入学させた臨時講師。金髪縦ロールの魔法使いで、ミシェーラの父。飄々としており、謎が多い。
その他
⚫️マルコ(Marco)
CV:杉崎亮
ミリガンにより知性を与えられたトロール。純血のガスニー種。
オリバーら新入生の入学パレード時、脱走事件を起こし、処分されそうになるも、カティに助けられ、後に彼女の使い魔になる。
用語
💖魔法使い・魔女
杖(白杖)と剣(杖剣)を携える。そのどちらからも呪文を放てる。加えて、自分の身体のごく近く範囲に呪文未満の魔法を発現させることも可能で、これを領域魔法と呼ぶ。
魔法を扱えない人間は「普通人」と呼ぶれる。普通人からも魔法使いや魔女が生まれることはある。例えばピートなど。
✨呪文
魔法を扱うにあたって魔法使いのイメージと魔法現象を繋ぐ架け橋となる文言、およびその文言の詠唱によって発現する魔法のこと。
呪文が同じでも詠唱時のイメージの違いにより魔法の効果が変わるが、本作では魔法の効果は呪文を日本語で表記することで表現されている。例えば、起風呪文は「インペトゥス」と詠唱するが、日本語表記は「吹けよ疾風」、「貫け風槍」、「切り裂け刃風」と多様である。
詠唱する呪文の節が長いほど強力な魔法となり、例えば、同じ火炎呪文でも「フランマ」と一節詠唱するのと、「フォルティス フランマ」と二節詠唱するのとでは効果の強さに隔絶した差がある。しかし、強力な分だけ魔力消費量は多く、身体への負担も大きいため身体が未成熟な一年生が二節以上の呪文を行使するのは不可能であるとされる。
主な一節呪文
名称 | 詠唱 | 主な表記 |
---|---|---|
火炎呪文 | フランマ | 「火炎盛りて」 |
炸裂呪文 | フラルゴ | 「瞬き爆ぜよ」、「爆ぜて砕けよ」、「爆ぜて煙れ」 |
電撃呪文 | トニトゥルス | 「電光疾りて」 |
起風呪文 | インペトゥス | 「吹けよ疾風」、「切り裂け刃風」、「貫け風槍」 |
火葬呪文 | イグニス | 「焼いて浄めよ」 |
凍結呪文 | フリグス | 「氷雪猛りて」 |
切断呪文 | グラディオ | 「斬り断て」 |
遮蔽呪文 | クリペウス | 「仕切りて阻め」 |
治癒呪文 | サナヴルネラ | 「繋がり治れ」 |
激痛呪文 | ドロール | 「呻き苦しめ」 |
🗡️魔法剣(ソードアーツ)
「攻撃において呪文を唱えるよりも剣を振るう方が速い間合い」=「一足一杖(いっそくいちじょう)の間合い」において用いることを想定した剣術体系のこと。
杖剣による剣技と、呪文未満の魔法行使(領域魔法)を組み合わせる。
基幹三流派
現在広く学ばれている魔法剣の流派であるラノフ流、リゼット流、クーツ流の三流派のことを言う。
(ラノフ流)
基幹三流派の中で、最も学ぶ者が多い。
領域魔法で自分のごく近い範囲の地面に干渉して足場を加工したり、相手を動きを読んでカウンターを取るなど地に足着いた技を基本とする。オリバーは正統なラノフ流の使い手。
(リゼット流)
刺突を主とした流派で、攻撃的な戦闘スタイルを持つ。
華麗で、雷属性や風属性などとの相性が良い。領域魔法は自身の動きを手助けすると言うより、刺突の威力をブーストするために使われる。ミシェーラやアンドリューズが修めている。
(クーツ流)
基幹三流派の中で最も使用者が少なく、また高いセンスが必要とされる。難解で繊細。才能がある者も他流派の技術を取り入れて修練する場合がほとんどで、純粋なクーツ流の使い手は非常に少ない。
領域魔法
魔法剣の発祥に伴い編み出された呪文未満の魔法行使。基本的に剣技と組み合わせることで使われる。
魔法使いが普通人と異なる点に、『自己』の認識が大きく違うことが挙げられる。魔法使いには『領域』が存在し、自分のごく近い空間を含めて『自己』と認識する。この自己領域内で領域魔法の行使が可能。
『領域』で起こることは自分の中で起こることと等しいので、五感を介さずとも認識が可能である。
基本は杖を持った状態でないと領域魔法は行使できない。例外的に、壁面歩行や水上歩行などは杖なしでも可能。
⚔️魔剣
本作品では、「魔法剣」と「魔剣」は別の概念を指す。
魔法剣が「一足一杖の間合いにある敵に対する剣技」であるのに対し、魔剣とは「一足一杖の間合いにある敵を絶対に斬り伏せる特別な剣技」を指す。
魔法剣の黎明期では頻繁に増減し、現在でも新たな魔剣を提唱する者は後を絶たないが、存在するとされる魔剣はここ二百年の間は「六つ」を維持したまま。
詳しくは→魔剣(七つの魔剣が支配する)(⚠️ネタバレ注意⚠️)
🏰キンバリー魔法学校
大英魔法国(イエルグランド)にある七年制の全寮制の魔法学校。連合(ユニオン)内に存在する魔法学校の中でもその頂点に君臨する。
基本的には15歳で入学することになるが、普通人家庭の出身の場合は諸事情で途中入学する者も多い。また、国内に限らず世界中から優秀な人材を募っている。
城塞じみた外見であり、外壁の華美な装飾と天を衝くような尖塔の高さを持つ。
校内には大広間が少なくとも20以上、小部屋が300以上存在し、その数は日によって上下する上に、新たな部屋が発見されることも当たり前にある。また、外観上の大きさと内部の容積が明らかに一致していない。
巨大で怪奇な「迷宮」に蓋をする形で建っており、夜の時間帯は、活動が活発化した迷宮との境目が曖昧となり迷い込んでしまう危険性がある。
迷宮に潜る際には、五~六人のパーティを組むことが推奨される。住み着いている魔法生物以外に同じ生徒からも襲われかねない場所であり危険性が高い。
学年が一つ違うだけでも大きな実力差が生じる。特に、下級生(一・二・三年生)と上級生(四・五・六・七年生)の実力には隔絶している。ちなみにキンバリー魔法学校の制服の色は学年によって変わる。
一年生:赤
二年生:緑
三年生:橙
四年生:紫
五年生:藍色
六年生:
七年生:
🦴亜人種
魔法生物学で30万年前に人類と同一種だったとされる生き物のこと。そのうち人権が認められているのはエルフ、ドワーフ、ケンタウロスの三種。トロールやコボルト(犬人)も亜人種だが、人権は認められていない。キンバリー魔法学校でも、どの種に人権を認めるかで派閥が分かれている。
TVアニメ版
2021年12月にTVアニメ化が発表された。
2023年7月7日から放送開始。(2023年夏アニメ)
毎週の放送・配信スケジュール
✅:最新話無料
【金→土曜】深夜0:30 | |
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【土曜】21:00 |
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【火曜】 |
スタッフ
OPテーマ「剣花」
EDテーマ「アイム」
各話リスト
01 | 「入学式(セレモニー)」 |
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02 | 「魔法剣(ソードアーツ)」 |
03 | 「死兵(ソルジャー)」 |
04 | 「円形闘技場(コロシアム)」 |
05 | 「蛇眼(グレアー)」 |
06 | 「顕現(アライズ)」 |
07 | 「両極往来者(リバーシ)」 |
08 | 「挑戦者(チャレンジャー)」 |
09 | 「迷宮探索(エクスプロア)」 |
10 | 「主従(マスターアンドナイト)」 |
11 | 「責務(デューティー)」 |
12 | 「生還率(ポッシビリティー)」 |
13 | 「賑わいの森(ノイジーフォレスト)」 |
14 | 「淫魔の末裔(サルヴァドーリ)」 |
15 | 「聖歌(ラストソング)」 |
ミニアニメ
ここでは一部を抜粋。
『キンバリー魔法学校のゆかいな日常』入学式前 オリバー編
『キンバリー魔法学校のゆかいな日常』ナナオの水垢離 編
『キンバリー魔法学校通信』第2話振り返り
『キンバリー魔法学校通信』第3話振り返り
漫画版
えすのサカエによるコミカライズも月刊少年エースにて(2019年5月25日 - 2023年11月25日)連載した。
単行本はKADOKAWA〈角川コミックス・エース〉より刊行。全8巻。
朗読(audible)版
ナレーターは1巻は花守ゆみり。2巻以降はひなたたまり。既刊8巻。
全巻、Audible会員プラン聴き放題の対象。
関連イラスト
関連タグ
公式サイト・公式SNS
原作など
アニメ版
漫画版
audible版
グッズ
外部wiki
⚠️ネタバレ注意⚠️
⚠️アニメ第6話「顕現」以降のネタバレ⚠️
立ちはだかるヴェラ=ミリガンに対し、ナナオは「七つ目の魔剣」を顕現させる。
それから一週間後、迷宮では一人の生徒と教師が対峙していた。
「始めよう。間合いはとっくに一足一杖だ。好きに抜け、グレンヴィル」
オリバーの裏の目的は、彼の母親クロエ=ハルフォードを裏切り拷問し責め殺したキンバリー魔法学校の教師たちへの復讐。その一人ダリウス=グレンヴィルを、「魔剣」により殺害した。そして、同じく復讐を望む同志らの君主として戴冠する。
討ち果たす魔人は、
- 驕慢の錬金術師、ダリウス=グレンヴィル
- 魔法生態系の君臨者、バネッサ=オールディス
- 千年を生きる至高の魔女、フランシス=ギルクリスト
- 魔道築学の理に遊ぶ狂老、エンリコ=フォルギエーリ
- 知を超えた無知の哲人、デメトリオ=アリステイディス
- 遍く生命を嗤う呪者、バルディア=ムウェジカミィリ
- そしてその全てを見下ろす孤高の峰、キンバリー学校長、エスメラルダ=カテナ=ドラクルーグ
の七名。