概要
秋田県に伝わる鬼の一種で、江戸時代の女流文学者である只野真葛の著書『むかしばなし』に記録が残っており、好物の酒を飲みに酒屋に現れ、代金を踏み倒して去っていく。ここだけ見れば迷惑な妖怪に思えるが、その本質は代金の10倍の薪をくれたり、力仕事を手伝ってくれる親切な存在である。つまり、お互いにwinwinの関係が成立しているので代金を要求するのはタブーだとされる。
秋田県の太平山には三吉霊神(みよしおおかみ)という土着神を祀った太平山三吉神社が存在し、力仕事を手伝うという三吉鬼の性質は力や勝負事を司る三吉霊神の性質と酷似しており、三吉鬼は三吉霊神の一側面なのかもしれない。
創作作品での活躍
水木しげる作品
氏の妖怪画ではミノを着た顎が角ばっている男性の姿で描かれている。
妖怪の飼育員さん
第83話に登場。三本角の鬼のような姿をしている。
作中で快傑ズバットの名乗りをパロディしているためか、Googleのサジェストでも「三吉鬼 ズバット」と出てくる。
あやかし郷愁譚
この作品では「サキ」という個人名を持っていて、可愛らしい少女の容姿をしている。
伝承通り、秋田県の生まれであるが、とある事情から高知県の茂伸という隠れ里に落ち延びてきた。
関連イラスト
女体化
関連タグ
なまはげ:同じく秋田伝承の鬼。彼らも元は神霊の類であった。