※記号E9「偽りの楽園を求めて」の最大のネタバレを含みます。
「どうも心が騒いで……記憶を失う前の私は、どれだけ凄惨苛烈な時を過ごしていたというの?思い出せない。私の名前は……たぶん、『十六夜咲夜』。吸血鬼ハンターとして派遣された……ハズよ。」
概要
『秘封ロストワード』のストーリー「記号E9『偽りの楽園を求めて』」で初めて登場した運命を歪められた十六夜咲夜。
彼女の世界では遠くない過去に『吸血鬼ハンター』が実在していて、本来の運命の道を大きく踏み外した、全く別世界の咲夜とされている。
吸血鬼退治の道具を纏っていて、立ち絵では棺桶、斧、ボウガン、薬品(聖水?)、腰には懐中時計やロザリオが見られる。
マントなどの服装はとある吸血鬼の屋敷の備品を奪ったもの。
この咲夜はその『吸血鬼ハンター』に属していて、『秘封ロストワード』のストーリー内では『吸血鬼ハンター』として動き、時を操る能力によって屋敷の面々を葬ってきた。
しかし、本当は正式な吸血鬼ハンターであるかが怪しいらしい。
この咲夜の世界における吸血鬼ハンターという職業は、当時の大手宗教組織によって運営されていたと推測されているが、この咲夜を見る限り信仰心の類はまったく見られない。それゆえ『彼女は信仰心ゆえに吸血鬼ハンターになった』のではなく、『信仰心さえ持たない彼女を、その悪魔根絶の腕と執念ゆえに後付で(大きな組織が)ハンター認定した』ことが考えられる。
本来の咲夜と同様に時間を操作することができるが、時間を戻すこともできる点が大きく異なる。ただし大きく戻すことはできないらしい。
タイムパラドックスを意図的に成立させて、『別時間軸の微妙に異なる自分自身』を一時的に呼び出す芸当も可能。恐らくこの能力は時を操る能力と自分自身の細胞の群体を利用していると思われる(『秘封ロストワード』のストーリーではその正体は細胞1個1個が1人の十六夜咲夜という群体であることが明かされていて、そこから3人の咲夜を生み出している。)。そのため別時間軸に干渉していることは事実であると見てもいいようだ。
なお、スペルカード使用時に時を止めているが、その際には懐中時計を使っている。
バックストーリー
"これは断片的で不確定な、物語とも呼べない些末な情報である。
ひとりの少女は自身を普通の人間だと思っていたが、時間を操れる力が自分にしかないことに気付いた。
それ以降、彼女の感覚は余人に理解しがたい方向へと成長してゆく。
ゆえに筆舌に尽くしがたいが、少なくとも近い能力を持つ者でなければ理解者となりえない……独特な『孤高』と『孤立』の風味を帯びた、時間軸方向に広がる裏側の自我だった。
脳裏に広がるのは、豪邸の正面側からは決して見えない『秘密の裏庭』。
ある日彼女は、その領域を不意に横切る飛行物体に気付いた。
竜の子のような、大きなコウモリのような、翼を駆って飛ぶ――運命の紅い影。
彼女はそれを、必死で追う。
霧と煙に閉ざされた都に始まり、それは『帝国』の圏内のあらゆる地へ及んだ。
そして最終、東洋のとある『租界』で再邂逅する。
人間は決して蘇らず、今生の別れとなった人とは二度と会うことも話すこともできないことを、彼女はよく知っていた。
だからその『天使』こそは、『そういう運命をも超越する』と強く信じた。
だから彼女の『確かめ方』は、『人間』と『悪魔』を除外し、『天使』だけを選別するものであった。
『運命の紅い天使』、ただひとりを。"
(能力『「時間を操る程度(歪曲)」』より)
もしかしてプレイアブル化ですかーッ!?
実装形態 | 超フェス限定 |
---|---|
式 | 破壊式 |
気質 | 明けの明星 |
拡散 | ジャック・ザ・ルドビレ |
集中 | ジャック・ザ・リッパー |
スペカ1 | 奇術『幻惑ミスディレクション』 |
スペカ2 | 幻世『ザ・ワールド』 |
ラスワ | 『インパーフェクト・アウトサイダー』 |
テーマ曲
吸血鬼ハンターとしての十六夜咲夜のテーマ曲は梶迫小道具店の「PARLOR TRICK」。原曲は月時計 ~ ルナ・ダイアル。
メインストーリーでは
第4章第1編「永遠戦線」の終盤に登場。何故か『親衛隊』の一員としてレミリア側に付いていた。「メイド」として横に付いてる上、ちゃんと「お嬢様」と呼んでることからこちらの世界線の咲夜はちゃんと本来の運命を辿れたと思われる様子。
第2編では紅魔館の一員として、紅美鈴と共に対抗勢力である別世界のお空や別世界のお燐と激突。互角の戦いをしながら密かに時間を操作し、パチュリーと小悪魔の魔法の詠唱にかける時間の短縮に陰ながら貢献している。
余談
気質は、『明けの明星』。夜明けの東空に輝く金星のことである。
この咲夜は『吸血鬼ハンター』としての咲夜だが、東方求聞史紀では咲夜は元吸血鬼ハンター(ヴァンパイア・ハンター)という推測がされている。
髪色が緑がかっているのは東方緋想天の2Pカラーを意識したものと思われる。
ちなみに、咲夜のデザインのモチーフとなったキャラクター「ナッジ」が登場するとある漫画にも、多数の人間の命を持つと言われる怪物が登場している。咲夜の正体はそちらもイメージしたのだろうか。
どちらかというとこの咲夜はその護衛メイドとあのゲームのヴァンパイアハンターを足して2で割ったような感じである。
「別の時間軸への干渉ができる」という点から(少なくともすでにそっちの世界線にも干渉している可能性もある)、今後のストーリーの展開次第ではかなり重要なキャラクターになり得るかもしれない。
小ネタ
ショット・スペルカード
幻世『ザ・ワールド』の元ネタは言わずもがな荒木飛呂彦氏の漫画『ジョジョの奇妙な冒険』第3部のボスであるDIOが使用するスタンド「ザ・ワールド」だが、ザ・ワールドの名前の由来であるタロットカード「世界」は逆位置であれば「未完成、臨界点、調和の崩壊」を意味するため、この咲夜のスペルカードとしてはぴったりのものである。