「貴方は吸血鬼?それともダンピール?もしくはただの人間?まさか吸血鬼ハンターじゃあないわよね?もしハンターなら既に紅い噴水になっているはずだもの。生存を祝して、貴方の血で杯を挙げましょう。どのみち命がない?冗談よ。」
概要
東方ロストワードのストーリーの一つである秘封ロストワードの記号E9「偽りの楽園を求めて」に登場する、運命を歪められたフランドール。
このフランドールは本来のフランドールとは異なり、費用対効果(コストパフォーマンス)の悪化を代償に、破壊の衝動と実能力を『その歪みを利用して抑え込む』ことによって、より使いやすい形に変換している。この場合は破壊力の塊をレーヴァテインの形状に成形し、さらに装甲魔術で封じ込めるという手法である。その結果レーヴァテインの属性は反転し、『熱的死』を体現した極低温の炎と化している。
このフランドールのいた世界ではレミリアを悪魔として退治しようとする旧信仰派組織も存続している。このフランはそのような『吸血鬼ハンター』たちへ専門的に対処することを主な役割としていた。
原作におけるフランドールとの違いとして髪が紫色になり、翼には七色の鎖が纏わりつき、黒い軍服をマントのように羽織っている。よく見ると瞳孔が白く描かれている。背景に映っている弾幕は、禁弾「過去を刻む時計」。
性格は二次創作作品ではあるが、原作のフランドールに近いものとなっており、冷静、大人びているというような印象を受ける。
汎異記号はE1。E1世界群は紅魔館の住人が何らかの要因により運命を歪められている。
経緯……?
彼女の世界では、フランドールの姉が早い時期に失踪している。そして中世期の西洋にて起こったルネサンスに端を発し、霊的世界観に大きな軌道修正が入った。多様な信仰心が内包された世界の西洋では長らく西洋妖怪が存続していた。
スカーレット家もまたその中の勢力のひとつで、悪魔令嬢として西洋の夜に君臨していたのが、フランドールの姉であり、組織性を持ちにくい妖怪たちをまとめ上げるカリスマの下、西洋最大の規模に至っていたが、それは奇しくも人間社会でも帝国を称されていた時代が終焉を迎えんとしていた時期に、令嬢の「突然の失踪」にて幕を閉じることとなった。
移民妖怪さえも抱えていたスカーレット家は、その後一瞬として散り散りとなり、残されたのはこのフランドールの他に門番妖怪、姉の友人の魔導師とその使い魔のみという状況に。
メイドはおろか、妖精ステップガールさえも残らなかったスカーレット家。フランドールは姉の失踪の理由を理解できなかったが、姉を恨むこともなかった。どこかで再会できる予感があったからである。
……という経緯は本来の歴史においては一切記録されていないが、このような過去をフランドールたちが語る以上は、ひとつの可能性としておいておかざるを得ないのが現状である。
プレイアブル化
実装形態 | 超フェス限定 |
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式 | 攻撃式 |
拡散 | ヒューマンマウストラップ |
集中 | ネックハントクロック |
スペカ1 | 禁弾『スターボウブレイク』 |
スペカ2 | 禁弾『過去を刻む時計』 |
ラスワ | 『インフォメーション・パラドックス』 |
2022年1月1日開催の『異色異能のバーサーカー 超フェス』で実装。もはや規格外の圧倒的な火力で秘封依姫や秘封魔理沙を差し置いてインフレの頂点に立つこととなった。
陰攻1750という高いステータスに加えて、超フェス限キャラのラスワと互角レベルの破壊力の通常スペル、「バフを配るなど味方のサポートも十分」「結界異常ブレイクコンボ」など、環境下で求められているもののほとんどを持っている。
結界異常をバフに変換して火力に上乗せするタイプのアタッカーで、ありとあらゆるものを破壊する程度の能力(歪曲)の効果で「凍結」「毒霧」の状態の結界1枚ごとに陽攻、陰攻、CRI攻撃、CRI命中が1段階アップする。「有利属性に与えるダメージを30%アップ」というダメージアップ効果も加わり、スキル1や禁弾「スターボウブレイク」で「毒霧」を2枚、スキル3で「凍結」を2枚自分に付与できる(ちなみに結界の上限は5枚。)。
味方へのサポートも非常に充実している。スキル3で3段階のCRI攻撃とCRI命中バフを味方全体に付与することで、命中率に不安がある破壊式と組ませると上手く噛み合うようになり、スキル1では味方全体の霊力上昇も可能。「毒霧」「凍結」が効かない破壊式の小さな悪魔令嬢やヘカーティア・ラピスラズリと組ませられる。チュートリアルのガチャに絞るならば、チルノと組ませるのが吉。
ラストワードは発動前の効果で相手全体の陰防2段階ダウン+自身の陰攻を4段階、CRI攻撃2段階アップ。さらに最適性の絵札である「正体不明の結界チーム」を装備させればエネルギー弾の威力50%アップ+陰攻2段階アップする。この場合陰攻はバフの限界値である10段階に余裕で達するため、文字通り「ありとあらゆるものを破壊する程度の火力」を生み出せる。
一方で、一部の高難度では防御面が薄くなる、ショットの性能がやや扱いづらいなどの短所があるが、ほとんどは持ち前の高火力でどうにか出来てしまう。ただ、初心者が使うとなると育成コストが高いこと(最近では天形代の配布はふえてきたが)や結界異常を利用して戦うこともあり、本来の強さを引き出すまでにはそれなりの時間がかかる。
また、ステージギミック(=自身の高火力が通しにくかったり、倒し損ねた相手)等に弱いという性質も持っており、高難易度イベントに於いてはフラン以上にギミック解除能力を持つ豊姫やセットアップで全てのキャラの火力を底上げ出来るサグメの方が評価が高くなっている。その後、エピックという別格のレアリティで登場した青霊夢に火力1位の座を明け渡す事になった。
処刑用BGM
ハンター狩りの吸血鬼のテーマ曲は、Hachimitsu-Lemon(はちみつれもん) × あんかけスパの「禁じられた紅輝心」。原曲は、「U.N.オーエンは彼女なのか?」、「亡き王女の為のセプテット」/「月時計 ~ ルナ・ダイアル」。ただし表記上は「U.N.オーエンは彼女なのか?」のみ。
ちなみに「禁じられた紅輝心」は東方二次創作ゲーム「東方紅輝心」にてフランドール・スカーレット戦、フランドールの回想イベントのボス戦のBGMとしても使われている。この時、レミリアver.と咲夜ver.の2バージョンがあり、どちらでプレイするかでアレンジ元の原曲が変化する仕様になっている。
↓(咲夜ver.)
↓(レミリアver.)
余談
気質は「脈動オーロラ」。脈を打つように明滅するオーロラのことを指す。
ハンター狩りとして存在しているこのフランドールは、元々のフランドールとはやや異なる「壊れかた」をしたため、オーロラのように不安定な存在なのかもしれないとされている。
幼いレミリアの保護者的な立ち位置であるため、ボイスはかなり大人びたものも選ばれている。
小ネタ
ショット
ショットの弾幕の元ネタは「ヒューマンマウストラップ」が禁忌「恋の迷路」、「ネックハントクロック」が禁忌「禁じられた遊び」。
ショットの名前を直訳すると「人間(用)鼠取り」「首を刈る時計」。どちらも対ハンター想定の罠らしいが……殺意しか感じられない。
スペルカード
スペルカードはどちらも東方紅魔郷からの採用。
「スターボウ(starbow)」は亜光速で宇宙を航行する際に見えるとされる光の筋のことで、日本語では「星虹」と言われる。雨が作る弓型"rainbow"から「星が作る弓型」という意味で作られた造語。
『インフォメーション・パラドックス』は「失われた姉の痕跡を強引にでも辿るため、フランドールが導いた答えの一つ」として全ての情報をフランドールの内側に閉じ込める弾幕としていて、"集めた情報が合理に合わず矛盾しているように見えるが、よく考えると一種の真理である"という意味で名付けられたと考えられている。
恐らくQED「495年の波紋」の派生系であるオリジナルのラストワード「閉じゆくシュワルツシルト半径」からさらに派生したもので、元ネタは世界中の物理学者を悩ませる「ブラックホール情報パラドックス」。量子力学と一般相対性理論の組合せに起因するパラドックスのこと。ブラックホールは物理的情報を破壊し、多くの量子状態が同じ状態を取ることを許容させる性質を持つ。これによって「情報パラドックス」が発生し深刻な問題になる。
また「熱的死」は最近のインフレーション宇宙論の研究では『熱的死』の概念が逆転させられているため、このような熱的死の概念の変化「インフォメーション・パラドックス(”情報”の”逆説・背理・逆理”)」も含めたダブルネーミング可能性がある。
Wikipediaの項目も参照。
CV
鬼頭氏は鬼で狩人な国民的妹キャラを演じておりこのフランの声優にピッタリだろう
関連イラスト
デザインの良さや上記のぶっ壊れ性能も相まって、ロストワードのオリジナルキャラクターの中では人気が高く、イラスト数も多い。
関連タグ
フランドール・スカーレット(フランドール・スカーレット(二次創作)) パラレルワールド
[紅]悪魔の妹 フランドール・スカーレット・・・同じく、東方ロストワードに登場する別世界のフランドール。
- シュガードール・スカーレット・・・別所のフランドール・スカーレットの二次創作キャラクター。禁弾「スターボウブレイク」も使用している上、本気になると目が赤くなる共通点を持つ。ただし出自はこちらの姉に近く、彼女の状態はというと…。
- ブロフラ・・・東方とは別の作品の手加減を知らない人同士とのカップリングタグ。特にブロリーは氷漬けになっていた経験がある上、近年の劇場版では別の運命が描かれている。だがこのフランは立場上ではパラガスに近い。