概要
本名:佐野 淺雄〈読み同じ〉、神奈川県横浜市(現在の区分では保土ケ谷区)出身。
18歳で苦楽座に入団、戦争により佐野は本土決戦に備える特攻隊に応召し、劇団を離れた。しかし、劇団員9人は8月6日の広島市への原子爆弾投下により後に全員が死亡してしまった。無論、この事を相当気にしており、「これまでは自分だけが生き残ったことが後ろめたかった。しかし、仲間を知る人がいなくなった今こそ」と言う理由から、2007年8月6日、東京都目黒区の五百羅漢寺で仲間への思いを初めて語り追悼している。
戦後、劇団民藝の結成に参加したが、1971年の内部での対立により退団。
劇団民藝時代には日活の映画に多く出演していたが、これは日活が劇団民藝と提携していたため。
テレビドラマでも活躍しているが、特に1993年から2000年まで「水戸黄門」(TBS系列局ほか)の徳川光圀役を務めた事で知られる。庶民的で優しいキャラクターで「泣き虫黄門様」と親しまれた。
1954年からNHKラジオ第2で放送されている童話朗読番組「お話でてこい」に開始当初から携わった。それが長じて「せん爺さんの太鼓」という創作童話を上梓した事がある。
実家が青果商だったこともあり、晩年は横浜市中央卸売市場の仲買業者の社長も務めている。