概要
1992年発売の東映動画・ショウエイシステムによるSFC専用RPG。副題は『天魔流星伝 哀★絶章』。
東映がアニメ制作を手掛けた「北斗の拳」を原案としており、メインライターは『北斗の拳4』同様アニメ「北斗」のシナリオの6割を執筆した戸田博史。ケンシロウを始め元になった作品のキャラクターが多数登場するが、物語は原作とは完全に異なるオリジナルストーリーで主人公もケンシロウではなく天帝の血を引くオリジナルキャラクターとなっている。
因みに東映動画とショウエイシステムが送り出した北斗ゲーはそのほとんどがクソゲーで、本作も例外ではない。
原作を冒涜しているとしか思えないほど酷い扱いを受けたキャラクターが多く、ざっと挙げても…
- ケンシロウ:オープニングで転がる岩の下敷きになってしまう(後に生存が判明するが)。
- リュウケン:中ボスクラスの敵に敗れて死亡。
- アイン:自分が砕いた岩の下敷きになって死亡。
- ジュウザ:名前が「ジューザ」と誤記。
- シン:ユリアの飛び降り自殺後自暴自棄になって酒びたりになり、ハートにサザンクロスを乗っ取られる。
- ハート:主人公一行が自分をデブ呼ばわりしたと言いがかりをつけ逆上して襲ってくる。それはギョウコだろう。東映北斗の例に漏れず、ひでぶの断末魔も無い。
- バット:登場するなりトラックで特攻して死亡(原作では死んですらいない)する上、原作でいつも行動を共にしていたリンとの絡みは全く無い。
- サウザー:登場するや否や余命が幾ばくも無いと明かされ、ケンシロウを蘇らせた時に彼だけ気を使い果たして死ぬ。使用不可。
- シャチ:バットとは逆に原作と違い死なない代わりに何の見せ場も無い。
- ジュウケイ:登場するなり女人像の封印を守れなかったことを嘆いて爆死。
- ユリア:本作のラスボスである魔皇帝の封印を解き、戦乱を引き起こした元凶。
また、これらを除いても
- 背景イラストが物理的におかしい。
- 武器を装備しても結局相手を撲殺する。
- セリフに誤記が多く、「西に橋がある」と言う村人がいるにもかかわらず橋は東にしかないなどの深刻な誤記まである。
- 物語途中で主人公が交代するが、二代目主人公はゲーム開始時には母親の胎内にいた初代主人公の息子。どう考えても(他のキャラが一向に年を取らないので)計算が合わない。
- 最終奥義が単なる仲間の召還。
- ラスボスを倒した後、主要な登場人物が唐突に現れ舞台挨拶の様に整列する。
- エピローグで、主人公(2代目)が息を引き取ったとも取れる描写がある。
- そもそも北斗の拳に魔族なんかいない
などのツッコミどころは多い。
原作を一切無視してゲームとして楽しもうと思えばそれなりに遊べるが、だからと言って何をしてもいい言い訳にはならないだろう。
余談
『北斗無双』の牙一族ステージでは、敵がものすごい数の不自然に丸い岩を坂道から落としてきて「死ねぇ~!」と嘲笑してくるトラップがある。…当たっても死なないが痛い。