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概要

1999年4月から9月にかけて放送された円谷エンターテインメント円谷プロダクションを退社した元専務の円谷粲が1989年7月に設立した映像会社)製作の深夜特撮番組。テレビ朝日にて全20話が放送された。

「『サイバー美少女テロメア』『美少女新世紀GAZER』『仮面天使ロゼッタ』の流れを汲む『円谷美少女特撮』の決定版」「いわゆる『萌えアニメ』的要素を実写ドラマでやろう」というのが本作のコンセプトであり、基本的にコメディタッチで進むが、第16話から登場キャラが次々と無惨に死亡するシリアス路線に転向。

特に最終回は難解を通り越して意味不明な内容となり、多くの視聴者を困惑させてしまった。


当時はまだ若手だった堀江由衣が顔出し出演していることでも有名。


あらすじ

会社をリストラされ、アルバイト生活に明け暮れるオタク青年・藤田和幸の家に、ホームヘルパーとして「ありす」「あきら」「あいり」という3人の美少女が転がり込んできた。

3人の正体は、伝説の勇者アレスト・ホルンに仕える正義の騎士ヴァニーナイツであり、和幸こそがアレスト・ホルンの生まれ変わりなのだ。

そうとは知らない和幸は、悪の魔族アモル・ゴアに襲われてしまう。ヴァニーナイツは和幸を守るために戦うこととなった。


最終回「わたしだけのアレスト」

今作を悪い意味で有名にしてしまった原因。

このエピソードは、前半こそヴァニーナイツとアモル・ゴアの最終決戦が描かれているが、後半は一転して不条理かつ著しく生理的不快感を煽る映像が挿入され、何が起こったのかわからないまま物語が完結してしまう。


具体的に説明すると

  1. 最終決戦を前に、和幸がアレスト・ホルンに覚醒するが闇堕ちする。
  2. アレストとアモル・ゴアは「魔剣エクスカリバー」の力で人類を滅ぼそうと目論む。和幸を救うためにヴァニーナイツはアモル・ゴアと戦うが、その戦いの中であきらとあいりが死亡。
  3. ありすが生き残り、和幸の下へたどり着くが、最終的にアレストの意思に抗った和幸が自刃。しかしエクスカリバーが発動してしまう。
  4. おそらくは和幸の精神世界と思われる空間の中で、和幸が口から大量のゴカイを吐き出す、意味もなく哄笑する、「虫が、虫が」と言いながら両手の指がすべて血まみれになるほど頭をかきむしる、魔族と化したあきらとあいりが血まみれになって共食いを起こすといったグロテスクなサイコホラー的描写がなされる。
  5. 地球から光の玉が宇宙へ飛び去っていく。
  6. 林原めぐみの歌う主題歌が流れる中、光に満ちた空間でありすが和幸にキス。
  7. 和幸が目覚める。

これを読んで意味が解らないと思った方。あなたは正しい。

これでもかなりわかりやすく書いたつもりである。


上述の説明を物語としての体裁を保ったまま解釈するとすれば──

  • 地球はアレストの覚醒と闇堕ちによって滅びた。
    • 後半から突然始まる意味不明精神世界サイコホラーの裏の現実世界では地球滅亡が進行していたという解釈。要するにエヴァのあれと同じ。
  • ラストで宇宙へ飛び去った光の玉は和幸・ありす・あきら・あいりの魂。
  • 彼ら4人(あるいは和幸とありす)のみ人生がリセットされ、別の時代もしくは世界へ転生し、新しい生を始めることになった。

という、今で言うまどマギ龍騎的なラストだった、ということになるのだろうか。


ただし、これとて数ある解釈の一つに過ぎない

とにかく「こうである」と確定するための情報が最終回後半の映像からほぼ読み取れないので、誰であろうとも「多分こういうことなんだろうなぁ」レベルの推測しかできないのである。


これについては、放映直後から公式サイト宛てに「なぜ?の嵐」と形容されるほど抗議もしくは困惑を示す意見が殺到。

同業者からも「60時間かけてやった大作RPGがバッドエンドを迎えた様な喪失感と虚脱感を感じました」「エヴァンゲリオンの真似をするにしても、もう少し巧くやれ!」といった厳しい批判が寄せられ、出演者すら苦言を呈するほどだったという。

  • 「初めに聞いたとき分からなくて、監督さんに聞いても分からないっていわれてしまって(笑)」和幸役・渡辺慶
  • 「ありす的にはハッピーエンドだと思っています。でも、誰も死なずに最後まで平和で終わればうれしかったですけどね」ありす役・栗林みえ女史
  • 「最後はハッピーエンドなのかそうじゃないのかよく分からない。ただ、ありすと和幸の物語と言う意味ではハッピーエンドなんだろうなと思っています」あきら役・益子梨恵女史

プロデューサーの畑澤和也は公式サイトにて、

  • 製作状況やストーリー構成が破綻した結果ではなく、制作陣たちがキャラクターや物語に真剣に向き合った結果の結末」
  • 「おざなりでご都合主義的なハッピーエンドにはしたくなかった」
  • 「視聴者の想像の余地を残したかった」

と釈明しており、整合性のない一連の映像についても、公式サイトやDVDの解説書に一応の解釈を記述しているものの、「これは製作側の公式発表というよりも自分の個人的な解釈であり、見る側によって全く違う解釈を行うこともできる」と念を押している。

また同時にムック本では終盤の展開はありすのきわめて個人的な戦いであったと明記されている。というのもヴァニーナイツは特撮テレビドラマという体はとっているものの、正義の味方ではなく彼女たちが守るのは世界ではなくアレスト・ホルンであり、そのアレスト・ホルンが敵となった時にありすが決めた決断が和幸を取り戻すということ。結果、世界や人類が滅びたとしてももはやありすにとっては関係なく、たとえどんな結果になろうとも愛する人を取り戻したいというヒーローものにあるまじき私的な理由からこの結末となったようである。

一方、最終回に至るまでに物語を盛り上げておきながら物語としての結末をはぐらかす結果となったことについては公式書籍で反省の念を述べており、第15話までで本来のコンセプトをやり切ってしまい、残り5話で物語を詰め込みすぎたこともこれほどの負の反響を呼ぶ最終回となった要因の一つとして挙げている。


畑澤Pは「(最終回に対して)皆さんが感じたのが怒りであれ虚脱感であったとしても気持ちが伝わったという事ですからね。どういう風にでも「何か」が残れば、感じてもらえれば、と思っていました」と件の釈明文を結んでいるが、それにしてもはっきり言って意味不明な展開にしか思えない。


というわけで、放送からかなり経った現在でも往時を知る特撮マニアの間では「あの終わり方は納得できない」と語り草になっている。


関連動画


関連項目

特撮番組 変身ヒロイン 超展開 問題作


外部リンク

プロデューサーの釈明

小説家・早見慎司氏によるレビューと最終回解釈

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