概要
「宇宙戦艦ヤマト」シリーズの古代進と森雪によるカップリングタグ。
記念すべき第1作「宇宙戦艦ヤマト」(TVシリーズ)から登場する由緒正しきカップリングであり、オリジナルシリーズ・リメイク版共に成立している(あと実写版でも)。
一方で、なかなかに波瀾万丈なカップルでもあり、成立までなかなかな歳月を要した。
ざっくりとした経歴
オリジナルシリーズ
オリジナルシリーズでは、イスカンダルへの大航海の最中に絆を育み、互いを大事に想うように。終盤のデスラー襲来時に雪が発した「古代くんが...古代くんが死んじゃう！！」の叫びは有名。
この一件で雪はコスモクリーナーDの欠陥により命を落としてしまい、古代も失意に沈むが、地球を目前に奇跡的に雪は蘇生。互いに想いを伝え合ったのだった。
その後、劇場版『愛の戦士たち』ならびにテレビシリーズ『2』では、復興した地球で仲睦まじく暮らしていたが、正体不明の救難信号に向かうため、古代は雪を置いてヤマトで出撃。しかし雪は古代を案じるあまり密かにヤマトに乗り込んだ。古代に密航がばれた際の、「艦を降りろ」と迫る彼に、「宇宙遊泳するなりなんなりして帰ります」と言い放つ雪が印象的。
なお、劇場版『愛の戦士たち』では彗星帝国との最終決戦で雪は戦死し、その後古代は彼女の亡骸を抱えて彗星帝国へ特攻し物語の幕が閉じるが、テレビシリーズ『2』では、退艦命令を無視した雪が古代とともに最期を迎えようとするも、テレサの捨て身の特攻により生き残るという別の結末を迎えている。
(以降は『2』に続く時間軸となる)
『新たなる旅立ち』では、一度結婚のことは保留として、二人一緒に生きていくことを仲間たちに名言。
そして劇場版『永遠に』では、敵の攻撃により雪が地球に取り残されるという最悪の事態が起きる。しかも雪は敵軍の情報将校であるアルフォンに言い寄られていたり、古代は古代で姪のサーシャに好意を寄せられたりしていたのだが、互いに苦難の果てに再会する。
そして『完結編』では、互いの親友である島大介を失う。彼が死に際に遺した「雪を幸せにしなかったら、許さないぞ」という言葉や、沖田艦長との今生の別れの言葉に後押しされたこともあって、全ての戦いが終わったあと、無事に結婚式を挙げた。
その後、一人娘の美雪にも恵まれたが、古代は『復活篇』では平穏な地球に馴染めず三年間も家族をほっぽり出して貨物船勤務をしていた。それでも二人の絆は健在であり、古代が不在な中、地球の一大事と聞いた雪は、「古代進ならこうするはずだ」と自らが陣頭指揮を執ることを決心し、第一次移民船団団長に就任。そのまま彼女が行方不明になったと聞くや、古代も「何がなんでも探し出す」と決意を新たにしているし、何か重要な決断を下す際には心のうちの雪に問いかけるなど大切な心の支えとしている様子。
リメイク版
リメイク版では、よりイスカンダル航海での二人の仲の変化が深掘りされている。
初対面こそ、古代の方が兄の戦死で頭に血が上っていたこともあり好ましい雰囲気ではなかった(しかも二回目に会った時も古代は沖田艦長のことで頭がいっぱいでノンデリを炸裂させ、雪は腹を立てていた)ものの、衛星エンケラドゥスでの任務やミレーネルの精神攻撃の際に行動を共にしたことにより互いに信頼するように。
特に、精神攻撃の際には追い詰められた雪の「助けて」という叫びに古代が幻影を打ち破って駆けつける、雪の方も「私も大切な人に会えたよ？」とそれとなく好意を伝える、そして惑星ビーメラで古代が置き去りにされそうになった時には、無事帰還した彼に抱きついて安堵するなど、互いのことを大事に思い始めたことがはっきりと描かれた。(なお、精神攻撃の際、古代はそれまでの「森くん」呼びから、はじめて「雪」呼びをした)
その後、七色星団決戦でイスカンダル人に間違えられた雪が拉致された際は、古代は怒りにかられ必死にその行方を捜索。その後彼女がデスラーと共にいることを知ると、救出のために戦術長の職を辞してユリーシャと共に出撃し、彼女を奪還したのだった。
だが、イスカンダルからの帰路でデスラーの襲撃を受けた際に雪は重傷を負い、その傷のため死去。一人残された古代は「君のいない地球に意味なんかあるのか...」と涙に暮れるが、そんな古代の慟哭に応えるようにコスモリバースシステムが起動。その光を受けた雪は奇跡的に蘇生し、二人は喜びのうちにキスを交わしたのだった。
(なお、オリジナルシリーズでのキスシーンが『完結編』の結婚式でのものだったのに比べると、かなり早い段階にキスをしていることに)
続編である『2202』では、正式に婚約しており、他の人と同様に何気ない幸せな家庭を築くことを互いに夢見ていた。だが、テレザートへ向かう際に、古代の「雪を危険に巻き込みたくない」という想いと、雪の「記憶のない自分は仲間だと思われていない」という思い込みのすれ違いにより、雪は古代の下を去ってしまう。
しかし、旧作同様雪はヤマトに密航。古代は彼女を地球に帰すため、十一番惑星の避難民の護衛を命じるが、ここでズォーダーによる介入を受け、雪の乗るガミラス艦に危険が迫っていることを知る。一方の雪も、自分のせいで古代が苦しむことを察し、彼の足枷にならないために「古代くん、選ばせない！」と艦上から身を投げる。これを見た古代は「俺は...選ばない！！」と雪を救うことを選択。二人は再び共にヤマトに乗ることとなった。
しかし、彗星帝国との決戦の最中、雪は負傷の影響で直近数年の記憶を失ってしまい、古代への想いも無くしてしまう。それでも、古代が自らの命と引き換えに時間稼ぎをせんとしていることに気づいた雪は、彼のそばに居続けることを選び、共に光のなかへと消えていったのだった。
その後、高次元世界で雪の記憶は無事統合されるものの、終わりなき戦いに疲れ果てた古代は、通常世界へと帰還する意欲を失いつつあった。そんな彼に、彼はこれからも共にあり続けることを誓い、なんとか彼を救うことに成功した。
『2205』では、時間断層と引き換えに救出されたカップル、『世界一高くついたカップル』としてマスコミに追われる日々ではあったものの、互いに時間を見つけて会っている様子。
共に艦長に就任し忙しい身ではあるものの、高次元世界からの帰還後いまだに悩み続ける古代を、雪は時に優しく相談により、時に無茶をする彼を厳しく叱責するのであった。
艦を危険に晒しかねない無茶をした古代に「思い上がるな！古代進！」と叱責する雪と、それを聞いた古代のしょんぼり顔は見ものである。
その後、スターシャ救出を決意した古代の意思を汲み、全面的にバックアップ。全てが終わった後、サーシャと共に彼を暖かく迎えたのだった。
なお『3199』冒頭のおさらい動画で雪の語るところによると、この時点で『もう準備はできています』『あとは、彼からの言葉があれば』と雪の方は覚悟が決まっているらしい。
しかし、そんな彼らを待っているのは...
その他
- 実写版では、古代の年齢がかなり引き上げられており、雪の役職もパイロットに変更されているものの、紆余曲折あり成立。なお、本作の雪は「エースパイロットである古代に憧れて自らもパイロットになったものの、突然軍を除隊し自分たちを置いて戦いから『逃げた』古代に失望している」というかなり複雑な立ち位置であったが、島から古代が除隊した真相を聞いたことや、命を救われたこと、第三艦橋を見捨てた痛みを分かち合ったことから、互いに想いを寄せるように。しかし、終盤に万策尽きた古代はヤマトと共に敵ミサイルへの特攻を仕掛ける。雪は古代に生きてほしいと懇願するものの、スタンガンにより眠らされてしまい、島の手で強制的に退艦させられてしまう。そして、遺された雪は、復興した地球で古代の忘形見である息子を育てていくことを決意するのであった。
- とまあ、どんな作品でも大抵主軸となっている古代×雪のカップリングだが、松本零士の「新宇宙戦艦ヤマト」では、どういうわけか古代と雪は結ばれないまま別々の子孫を31代も残しているということになっている。どうしてこうなった。
