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「私はこの宇宙で地球が一番美しい星だと思います。それは人と人とが信じあって生きているからです」

声:潘恵子(永遠に、PSゲーム)、潘めぐみ(リメイク版)

概要

古代守スターシャとの間に生まれた娘(地球人とイスカンダル人のハーフ)。主人公である古代進にとっては姪にあたる。

「真田澪」は地球での名前(偽名)であり、本名はサーシャ

サーシャ」で検索するとヤマト以外もヒットしてしまい、ヤマト関係で絞っても数は少ないがスターシャの妹(つまり澪にとっての叔母)が一緒にヒットするので、タグとしては真田澪を併記している場合が多い。

オリジナル版

新たなる旅立ち

初登場。まだ生まれて間もない赤ん坊であった。

ヤマトよ永遠に

メイン登場。当初は正体を隠し、真田志郎の姪と紹介され、不在の森雪の代理としてコスモレーダー担当となる。その後、物語中盤で古代に正体を明かす(ちなみに他の乗組員には終盤にて古代がうっかり本名で呼んでバレる)。

父と共に地球にやって来たが、生育環境の問題(イスカンダル人は1年で地球人の15~17歳前後まで凄まじい速度で成長し、その後地球人と同じくらいの速度で成長する)でイカルス天文台の真田のもとに預けられ、ヤマトの乗組員として恥ずかしくない教育を受けていたとのこと。

航行中、黒色銀河内ではヤマトに接近している幾つもの巨大な岩塊(≒アステロイド)の位置を艦橋内のモニタでも真っ暗に映っている中、それをモニタ越しとはいえ目視で見抜き衝突を回避させるなど、彼女の出自を垣間見るような場面がある。

また、叔父である古代進に想いを寄せるものの自分の使命と恋心との葛藤に揺れたり、彼の恋人である雪に微かな表現ではあるが嫉妬らしき描写も見られる。

終盤では一人の母星であるデザリアム星に残り、惑星内部で重核子爆弾の遠隔起爆装置の破壊を行い更に惑星内部へヤマトを誘導するが、聖総統スカルダートとの銃撃戦で彼に重傷を負わせるものの反撃で撃たれて死亡。彼女の遺体はそのまま敵惑星ごと波動砲で消し飛ばされた。

しかし戦いが終わった後、母親と同じく幽体のような状態となってヤマトの前に現れ、罪悪感に沈む古代を励ました。そして、迎えに来た母の胸元に飛び込み、ともに消えていった。

余談

急成長設定の経緯

「1年で大人まで成長する」という唐突に出てきた設定は、ツッコミどころ満載と言われる『永遠に』においても特にご都合主義甚だしいものとしてネタにされている(リメイクにおいて果たしてどうするのかと話題になるほど)。

実は元々『永遠に』は松本零士による原案だと『新たなる旅立ち』から数百年後を舞台としていたのだが、没となって普通に数年後を舞台とすることになり、その際サーシャの扱いに困ったため、急成長するという設定を後付けして強引に大人にしたという裏事情がある。数百年後の設定が没になった理由は、松本氏曰く「登場人物を古代達の子孫にしてみたが、どうもキャラに血が通わなかったため」。

ヤマトシリーズのご都合主義は往々にして西崎義展プロデューサーの無茶振りが原因としてよくあげつらわれているが、これに関してはどちらかというと松本氏の方に原因があった模様。

なお、初期プロットのサーシャがどんな感じだったかは不明だが、2000年に松本氏が執筆していた西暦3199年を舞台とする『新宇宙戦艦ヤマト』では、ウラシマ効果で長く生きてきたスターシャと古代守の娘が登場する(この作品は『さらば』以降の物語は反映していない)ため、似たような感じだったのではないかと思われる。

声優

担当声優である潘氏は当時女優になるために実家を飛び出してきた身であり、サーシャの立場が長く母親に会っていない自分の現状に重なったため、収録時に思わず泣いてしまうことがあったとのこと。

特に敵母星からヤマトを見送るシーンにおいて、サーシャが無言ののち泣き崩れるカットがあるが、実はこれは潘氏が泣くのを止められず「お母さま…」の後に本来あったセリフを言えなくなってしまい、そっちの方が良いと絵の方を直して合わせたものと云われている(その話を踏まえてよく聞くと当該の「お母さま」はかなり掠れ声で、泣きながら喋っていたと想像できる)。

因みに古代進役の富山敬もサーシャを想って波動砲を撃てなくなるシーンではガチで泣いていたという逸話がある。

デザイン

実はシリーズ初の松本零士デザインじゃないヒロイン(成長後の方)。デザインしたのは『永遠に』の作画監督を務めた高橋信也。

彼女は松本氏と高橋氏の2人がそれぞれでラフデザインを描いており、数多く描かれたデザインの中から最終的に高橋氏のものが採用された。

なので、彼女はこれまでのヤマトシリーズのヒロイン(いわゆる「松本美女」のテンプレ)とは結構雰囲気が異なる。特に目の形状は大分違う(松本美女の目は切れ長気味だが、彼女の目は丸っこい)。

だが、そのことがお気に召さないファンもいたようで、徳間書店から発売された『ロマンアルバムエクセレント54』では、「松本作品の女性とはおよそかけ離れたデザインとなってしまっていると少々棘のある解説がされている。

因みに松本氏の方のラフデザインはどんなだったかと言うと、まあいつものである。

その他

  • デザリアム星が正体を現す直前に映る女性の顔を「燃え盛る惑星で苦しむサーシャ」と解釈している人が稀にいるが、この女性は敵母星の化けの皮が剥がれる様子(地球そっくりの美しい星→醜い機械惑星)を擬人化したものであり、サーシャではない(よく見れば顔が全然違う)。
  • 宇宙戦艦ヤマト黎明篇』では、真田が「MIO」という戦災孤児支援の財団法人を立ち上げたことが語られており、明言はされていないがおそらく法人名の由来は彼女だろう。

PS2ゲーム版

『新たなる旅立ち』『ヤマトよ永遠に』をベースとした『イスカンダルへの追憶』『暗黒星団帝国の逆襲』『二重銀河の崩壊』の3部作にて登場。原作と異なり本名は「サーシ」に変更されている。

本シリーズはキャラデザを松本ファンの増永計介が手掛け、松本零士のそれにより近くなるようにリデザインされており、その作風に合わせて彼女も松本風にリデザインされた。

目の形は松本美女的な特徴を持たせつつも丸っこさを残しており、松本美女というよりは松本“美少女”といった雰囲気。同じく童顔のテレサがどことなく神秘的な感じなのに対し、こちらは純粋に年頃の少女と言える顔立ちとなっている。

因みに服装は原作だとオリジナルデザインだったのが、本作では雪の色違いになっている。

性格も微妙に違い、本作では父親が健在なのもあって、原作で見られたような影の部分は無く、明るくやや子供っぽい性格になっている(まあ実際実年齢一桁の子供なのだが)。

ゲームという媒体を活かしたルート分岐が存在し、ゲームオリジナル艦「ゆきかぜ・改」がそのキーとなる。生存ルートでは父の守の説得を受けたサーシアがゆきかぜを使って水晶都市から脱出。戦いの後、父(+トチロー)と共に母スターシャのいるイスカンダルへ帰還という、親子全員生存の大団円エンドが用意されている。

ただ、上記の通りルート分岐であるため原作通りの死亡ルートも存在し、ゆきかぜが最終ステージの離脱イベント以前に撃沈判定になっていた場合、父親の手によって水晶都市ごと波動砲で吹き飛ばされ命を落とすという原作以上のバッドエンドを迎える事になってしまう。しかも直前のステージは攻略本でも味方ユニットを犠牲前提で囮にすることを推奨するほど難易度が高く、おまけにこれまでは撃破されても戦線離脱扱いになるだけで次のステージでは復帰していたゆきかぜがこのステージからは急に轟沈扱いに変わる。うっかりゆきかぜを囮に使ってしまっていたら目も当てられないだろう。

とはいえ、ルート次第でサーシャを生存させられることには変わりなく、これには25年越しのトラウマを払拭できたと感涙する往年のファンも多い。

強いてゲーム化に伴う弊害を挙げるとしたら、エピローグでの台詞の割り当てが変わってしまっている事だろう。

死亡しないゆえに幽霊となってヤマトの前に現れるというシーン自体が無いため、記事冒頭の台詞を含む当該シーンでの彼女の台詞は真田と山崎奨が代わりに喋る。原作の台詞を可能な限り拾おうとした結果であろうが、美少女と強面のおっさんではあまりにも違いが……

死亡ルートではどうかというと、死に際に送られた通信メッセージが一言追加されただけで、その他の部分はほぼ変わらず。ゲーム版では幽霊的な存在自体をそもそも廃している(幽霊を騙る幻覚を見せたテレパス女とか反物質人間に生まれ変わって現れた女とかの幽霊もどきはいるが)ので仕方がないのかもしれない。

リメイク版

『新たなる旅立ち』のリメイクである『宇宙戦艦ヤマト2205 新たなる旅立ち』で初登場する。

フルネームはサーシャ・イスカンダル・古代。また、『ヤマトよ永遠に_REBEL3199』では、第1話冒頭と第二章特報の台詞から、原作同様「真田澪」という偽名を使っていることが判明した。

宇宙戦艦ヤマト2199

直接の登場こそなかったものの、イスカンダル星を出発するヤマトを見送るスターシャがお腹をさする描写があり、守の子供を身篭っていることが示唆されていた。

ちなみに総集編映画である『追憶の航海』ではこの描写は削除されている。

宇宙戦艦ヤマト2205

宮殿内に「サーシャ」と呼ばれる光球が設置されており、スターシャは「イスカンダルに何千年ぶりかに誕生する新しい命」と述べている。

ヤマトがイスカンダルの救援に駆け付けた際には、「あなたが(ヤマトを)呼んだの?」と問いかけている。

その正体はやはり古代守とスターシャの「娘」にあたるサーシャであった。ユリーシャ曰く、古代守のもつ地球由来の「星のエレメント」を含む存在ゆえ、イスカンダル星が自爆しスターシャとユリーシャが存在を保てなくなる中、サーシャのみは消滅を免れ、ユリーシャにより京塚みやこの手に託され、「サーシャ、地球で楽しく、ね...!」と笑顔で送り出された。

なお、しばらくの間は光球の状態を維持していたが、古代と雪が今後のことについて相談しようとしたところ急速に変形し、人間の赤ん坊の姿に変貌した。この時点でユリーシャの別れの言葉を思い出したみやこが"サーシャ"という名前を呟いたことで、古代と雪は彼女の名前を知り、雪は「こんにちは、サーシャ」と彼女を愛おしげに抱きしめるのであった。

ヤマトが地球に向かって帰還する間は医務室でみやこと佐渡酒造が世話にあたっていた様子が描かれた。

余談だが、『2205』最終話にあたるこのエピソードの題名は「こんにちは、サーシャ」である。

ヤマトよ永遠に_REBEL3199

物語冒頭で真田が詩の朗読を聞かせている。

余談

『2199』の頃、リメイクシリーズでキャラクターデザインを担っている結城信輝が個人的に描いたサーシャのイラストを2枚ほどTwitterで公開したことがある。

1枚はイスカンダルの装束を着てデスラーの肩に乗っている小学校低学年くらいの姿、もう1枚はヤマト艦内服を着た小学校高学年~中学生くらいの姿。

艦内服は『永遠に』のものにリメイク版艦内服の要素を混ぜたものになっている。

あくまでも結城氏の趣味で描かれた非公式のデザインではあるが、リメイク版サーシャを妄想する二次創作ではこの絵を基に描かれたイラストも見られる。

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