概要
1994年に放送された安達祐実主演の日本テレビ系ドラマ「家なき子」の主人公、相沢すずのセリフである。
物語序盤、まだ少女である主人公がゴミ箱を漁ってその日の食糧を得ている様子を目撃した通行人らが哀れみの視線と上っ面だけの同情の言葉を向けてきたことに対する彼女自身の悲しみと怒りの咆哮である。主人公が有象無象の人々や言葉にしきれない感情に対してこの言葉をぶつけている傍らで愛犬リュウがそれに応じるように咆哮している様は、多くの視聴者に衝撃を与えた。
社会現象にもなり、同年の流行語にもなった。
ネタとして、正論として
ドラマ本編の内容とともに豊かさとは、家族とは、幸福とは何か…?という飽食の時代には半ばおざなりになっていた事柄を、バブル景気の狂熱も一気に冷えた間隙を狙ったかのようなタイミングで問う内容であったため、当時は一大センセーショナルを引き起こした。
…が、ブームも過ぎ去った現在ではこの言葉だけが一人歩きをしている状態で、ギャグシーンにおけるパロディとしてのセリフや、あるいは『おまえは何を言っているんだ』相当の言動・ありがた迷惑に対する正論として主に用いられるようになっている。
パロディ例
- 聖徳太子(ギャグマンガ日和)「同情するなら墨汁をくれーーー!!」
- 田代まさし「ドジョウすくうから鍋をくれ」
- スリの銀次「同情しなくてもいいから金をくれ」
- 原ゆたか「同情するならカレーをくれ」
- 漫☆画太郎「童謡にしろ!!!このハゲ~~~」 ※バイト中に同情に似た単語を客が選ぶたびに「○○するなら金をくれ」と言うギャグで、最後の路上ライブの話で客が童謡ではなく演歌を選んだため
正論例
行政・NPO「無職や引きこもりの当事者のために自己実現講座を企画しよう」
→「同情するなら金をくれ」
→「同情するなら金(職)をくれ!」
善意の一般人「被災地の人々やアフリカの子供たちを元気づけるために千羽鶴を送りましょう」
→「同情するなら金(物資)をくれ!!」