概要
喫煙室が「部屋」から「乗り物」に置き換わったもの。
自動車の場合
室内で煙草を吸うか否かで、自家用車は「喫煙車」「禁煙車」の2つに大別出来る。
- 喫煙者が一服・気分転換のため自家用車を停めてわざわざ外で吸うケースもあるが、近年では路上喫煙を禁止する条例を定める自治体が増えており、道路上または公共の場所などにおいて立ち止まってタバコを吸ったり、火の付いたタバコを所持したりすることが禁じられている。
- (自家用車ではなく)タクシーの場合、昭和時代は運転手や乗客の喫煙NGの制限が無かったが、受動喫煙や残りの臭いを気にする乗客が絶えない事から、2011年までに日本国内のタクシーは全車禁煙となった。
バスの場合
1970年代、鉄道車両の分煙化政策と並行する形で「喫煙席」「禁煙席」を区切る分煙化政策が始まったが、鉄道車両と比較して1両かつ限られたスペースしか無いため分煙化困難の結論が出され、2000年代に全席禁煙化。
現在は高速バス・路線バス共に法令により原則禁煙となっている。
鉄道車両の場合
1976年に東海道新幹線で(自由席車のうち1両のみ)「禁煙車」が設定されるまで、鉄道車両の車内では喫煙NGの制限が原則存在せず、中・長距離列車だけでなく通勤電車であっても車内で喫煙する人はいた。
やはりここでも、受動喫煙や残りの臭いを気にする乗客が居たため、サービス向上を兼ねて旅客鉄道各社では「普通列車=全車禁煙」「特急列車=喫煙車は一部のみ」とする動きが加速した。
- JR各社では2011年3月のダイヤ改正までに喫煙車を廃止。その代わり東海道新幹線・山陽新幹線・九州新幹線では一部車両を対象に喫煙室(喫煙ルーム)を設置していた。しかし、喫煙者そのものの需要が減少したため、喫煙室(喫煙ルーム)のサービスは2024年3月のダイヤ改正で終了。
- 私鉄各社では(2010年代に)完全禁煙化が完了するまでは「喫煙車」「禁煙車」を分ける程度だったが、近畿日本鉄道の近鉄特急では「16000系及び12400系から80000系までの歴代特急形車両」を対象に、新造時からもしくは改造により喫煙室(喫煙ルーム)を編成内に最低1ヶ所以上設けていた。こちらも喫煙者そのものの需要が減少したため、喫煙室(喫煙ルーム)のサービスは2024年2月に終了。
参考文献
- 東洋経済オンライン『「たばこはカッコいい」が通用した昭和の記憶』(2019年3月)