概要
回転させても元と重なるような角度と方向を持っていることであり、回転に対する対称である。
二次元における点対称が有名だが、三次元においては点対称とは別物となる。
加えて二次元においても、点対称以外の回転対称が存在している。
回転する角度による呼び分け
回転する角度に応じて「n回回転対称」(n=360°÷回転角)または「n回対称」と呼び分けられる。
例えば「Z」という文字の形やウルトラ警備隊のマーク(青い部分の模様を除く)の形は、180°回転させることで元と一致するため「2回対称」となり、同様にアンドロ軍団のマークのような形は「3回対称」、「卍」のような形は「4回対称」となる。
また、あらゆる物体は「1回対称」であると言えるが、1回対称は回転対称とは見なされない。
∞回対称にあたる表現としては、僅かながら「連続回転対称」が用いられており、対して通常の回転対称は「離散回転対称」と呼ばれる。
並進対称にも、この離散と連続の2タイプが存在する。
他、三次元の場合ならば、物理関係において「軸対称」が用いられている。
あらゆる図形は、2つ上の次元の中に置いた場合は連続回転対称となる。
例えば一次元の図形である線分は、三次元空間上では、それを含む直線が対称軸となっている。
「4回対称」は「2回対称」「1回対称」でもあると言える。
一般に、「n回対称」は「nの約数回対称」を兼ねることになる。
2回対称は、互いに垂直な2枚の鏡による、2度の鏡映操作についての対称に一致する。
これは、複数の鏡映対称を持つ場合とは別の話であり、あちらは「2つの鏡映どちらに対しても対称」であるのに対し、こちらは「2つの鏡映を続けて行った操作に対しての対称」である。
次元による違い
二次元においては、2回対称は点対称と同義となるが、三次元では線対称と同義となる。
一次元においては、点対称は定義できるのに対し、回転対称は(回転が定義できないため)定義できない。
2回対称は「『次元数-2』のものに対する対称」とも言える。
詳しくは「対称」を参照。
二次元においては、偶数回対称は点対称を兼ねることになるが、これは二次元においては「2回対称=点対称」であることと、先述のように「n回対称」は「nの約数回対称」を兼ねる、即ち偶数回対称は2回対称を兼ねるためである。
複数の回転対称を持つ場合
二次元において、対称点は複数定義することもでき、無限の広がりを持つ平面充填形が現れる。
三次元の場合も、同様の方法で空間充填形が現れる。
三次元の場合は、複数の対称軸が交差するケースも考えられ、この場合は有限の立体も当て嵌まる。
例えば正四面体は、4つの3回対称軸(頂点⇔面)と、3つの2回対称軸(辺⇔辺)を持つ。