概要
二次元においては点で半回転(180度)させると同じ図になれば点対称なので、楕円や平行四辺形の他、「Z」や「S」の文字や奇関数の形、ウルトラ警備隊のマークの赤い部分の形が当てはまる。
対称となる点は「対称点」と呼ばれる。
「反転対称」とも呼ばれ、英語では【Point symmetry】と表す。
pixivでは二次元の点対称となるイラストのタグとして使われる。
同様の使われ方をするタグに「互」もあり、この漢字もまた点対称である。
回転対称との違いなど
二次元の場合は回転対称の一種(2回対称)となっているが、他の次元においては別物である。
例えば一次元においては、回転が無いので回転対称は定義できないが、点対称は健在であり、対称点を鏡に見立てたような形(鏡映対称)となる。
三次元の場合においても、対称点を通る平面によって切断した断面は2回対称となっているし、二次元の場合においても、対称点を通る直線によって切断した切り口は鏡映対称となっている。
全ての次元に共通する説明としては、「全ての次元に対して鏡映しの反転を行った結果が元と一致するような形」のような言い方もできる。
座標の概念を用いると、「全ての点に対して-1を掛けても変化が起こらないような原点の取り方が存在するもの」という表現もできる。
回転対称が「次元数-2」の要素に対する対称性であるのに対し、点対称は次元に関わらず零次元に対する対称性である。
二次元の場合は「次元数-2=0」であるため、先述のようになるわけである。
「対称」も参照。
点対称の例など
点対称な多角形は、同じく交差が無い場合に限れば、向かい合う辺が平行かつ長さが等しい偶数角形となる。
二次元の場合、点対称かつ線対称ならば、少なくとも2つの対称軸を持つ事になるが、逆は成り立たない。
例えば正三角形は点対称ではないが、3つの対称軸を持っている。
ただ、対称軸の数がちょうど2つの場合は点対称となる。
三次元においては、楕円体や円柱は点対称だが、円錐は点対称ではない。
正多面体と半正多面体においては殆どが点対称であるが、例外として正四面体、切頂四面体、変形立方八面体、変形二十・十二面体の4つは点対称ではない。
平行四辺形の三次元版的なものである平行六面体も点対称である。
点対称に密接な分類に「ゾーン多面体」が存在し、これは図形そのものに加えて構成面も点対称であるような多面体とされる。