概要
多面体の分類の一種であり、全体も構成面も点対称であるような凸多面体とされる。
結果として、向かい合う面同士が平行移動で一致するような性質を持つ。
構成面は、向かい合う辺同士が平行かつ長さも等しい偶数角形となる。
英語名はZonohedron。
「向かい合う辺同士が平行な多角形のみで構成される多面体」という説明がなされる事もあるが、これでは説明不足なので注意が要る。
四角形の場合ならば、向かい合う辺が平行なだけで平行四辺形となり、平行四辺形は点対称であるので良いのだが、六角形以上の場合、向かい合う辺が平行でも長さが等しくなるとは限らず、長さが異なっていては点対称とはならないからである。
「ゾーン」というのは領域的な意味のあのゾーンであり、ここでは多面体をくり抜いてできる帯の輪ような意味合いで用いられている。
この帯は、構成面の内、平行な辺を持つもの同士により構成されており、平行で長さも等しい辺によって連なった形となっている。
例えば立方体の場合は、立方体を構成する前後左右上下の面の内、「前下後上」「前左後右」「上左下右」で構成された3つのゾーンが存在し、各面はその内の2つに属している。
ゾーン多面体の構成面は、「その角の数÷2」つのゾーンに属している事となる。
ゾーン多面体を一様に引き延ばしたり傾けたりしたものも、またゾーン多面体となる(例:立方体→平行六面体)。
非凸な場合に対してもこの表現が用いられる事がある。
ゾーン多面体の内、単独での空間充填が可能なものは特に平行多面体と呼ばれる。