小さい時から時々変なものを見た。
他の人には見えないらしいそれは、おそらく妖怪と呼ばれるものの類 ────
プロフィール
概要
本作の主人公。生まれついてから常人には見えない妖(あやかし)を見る力を持っている。
誕生後すぐに母に先立たれ、物心つく頃に父も亡くし、以後は親戚の間を転々としていた。妖の知識が無く、自分以外には見えないこともあって周囲には奇行を繰り返す不安定な子どもと疎まれ、一時的に施設に入れられたこともあった。
現在は藤原夫妻の家に落ち着き、家族や友人に囲まれる高校生として過ごす一方で、祖母であるレイコが遺した友人帳とニャンコ先生と出会うところから物語が始まる。
亡き祖母の唯一の形見として友人帳を大切に思っているが、それとは別に名を記した妖を支配できる効力には興味が無く、名前の返還を求める妖には当然として応じる。しかし、自分のように考えない一部の妖や祓い屋がいることも承知しており口外していない。
ただし、祓い屋からすれば貴志自身が非常に高い素質を持つため関心を寄せられているが、それは妖との敵対を意味するため応じる気はない。
上述の事情から自衛的に対人関係には消極的にならざるを得なく、感情表現や言葉を伝えることは不得手で「口下手な自分が嫌になる」と洩らしたこともあった。それも藤原夫妻や友人である西村悟や北本篤史、そして妖の存在を共有できる田沼要や多軌透と接することで少しずつ改善されているようである。
日常的に妖たちの襲撃にあってあるためか反射神経にも優れており、(マンガ的な表現だが)驚いて飲み物を吹き出したりなど、緊張が緩んだ反動で瞬間的に表情を出すようにもなった。
人間嫌いだったレイコとは逆に彼自身は人を嫌ってはおらず、人も妖も等しく「友人」との考えを持つ。
容姿
妖力と同様に顔立ちもレイコ譲り。つまりは女顔。彼女を知るものは人も妖も「美しかった」と語り、貴志も草食系美少年といって差し支えないが、当人は「もやし」「白アスパラ」などと言われる体型と相まって容姿にはコンプレックスを持ち、その反動でチンピラっぽい服を好むという設定がある。ちなみに、その暴言が一番多いのが彼の用心棒である。
また、他のキャラと並んだ時や生活空間に溶け込むようにとの理由で、アニメでは髪色が変更されている。
原作 | アニメ |
能力
喧嘩を持ち掛けては名前を奪った祖母の力を隔世的にそっくり受け継いでいるらしく、修行も鍛錬もなしに先天性の高い妖力を持つ。物理(ゲンコツ)も有効。
妖力差で見え方が違う着物を色柄まで正しく視認し、妖なのか人や動物なのかが判別できないほど自然に認識できてしまうため、このことが周囲の人間との溝をつくる一因となっている。
手順と作法さえ整っていれば潜在する力で初めて使う術でも容易に発動させるなど、祓い屋としての素質もあり、会合に赴いた際はその片鱗を見た者から驚愕と感嘆の目を向けられた。ただし、貴志当人は妖を敵と考える祓い屋には否定的で、必要時以外に術を覚える様子も見られない。
親戚をたらい回しされた期間は食事の量にも気遣っていた事情もあって痩身で、体力面では不安な描写もある(妖基準での評価だったり、名を返す際の疲労度合いも不明なので一概には言えないが)。
性格
穏和で心優しく繊細だが、家庭環境に恵まれない生い立ちもあって内向的。反面、意外に頑固でいざというときは迷わず手を出す場面もある。人間のみならず妖にも強く感情移入する一面もあり、困っている姿を見ると放っておけずに事件に巻き込まれ、ニャンコ先生から文句を呈されることもしばしば。幼少期に親戚や周囲の人間から疎まれていたことは「本当はいい人達だった」「自分が普通じゃないからだ」と考えている。
奇異に見られることへの回避と周囲に危険が及ばぬよう妖力について秘匿しているが、結果的に嘘を吐くことへの葛藤にも繋がっている。
関連イラスト
原作
アニメ
作中は学ランかラフな私服がほとんどだが、単行本や作風からか和装絵も多い
関連タグ
豊月夏目 式夏目 夏目マジ美人 夏目型ニャンコ先生 夏目贵志