大日本人だよ!
概要
「獣(じゅう)」と呼ばれる巨大生物と闘う男、大佐藤大(だいさとう・まさる)の日常や苦悩を、架空のドキュメンタリー(モキュメンタリー)の形式で描いた作品。
巨大変身ヒーローを通して社会問題やマスメディアについてを論じた、アンチテーゼに満ちた作風だが、ラストシーンは賛否両論である。
用語説明
大日本人
先史時代より「獣」と闘っていたといわれる人々。雷が多い時期に現れるので「電人」とも呼ばれていた。
日本神話における素戔嗚尊の八岐大蛇退治や、ダイダラボッチの民話は彼らの活躍が元になったと考えられている。また、近年の研究によると元寇は神風(台風)による落雷により「大日本人」と化した御家人の出現により趨勢が決まったといわれる。
科学技術の発達により安定した電圧を作り出す「電変所」が造られ、現在でも御柱を使った獣退治は神事として続いている。
かつては「大」を姓に持つ獣退治を司る一族が多く見られ、その活躍も国民的な人気を博していたが、先の大戦などの影響もあり減少の一途をたどっている。
身体にはそれぞれの一族ごとの刺青を持ち、近年には広告も受け入れている。
獣
風物詩のように、四季による気候変動にあわせて襲来する巨大な存在。
様々な種類がおり、古来よりその姿や習性によって名付けられ記録されている。
顔は人間に酷似し会話できるように見える種類もいるが、基本的に知能は低く話す言葉には意味はない。
退治されると昇天し、肉体ごと消滅する。
- 締ルノ獣(海原はるか)
長い首を持つ節のある白い身体の獣、通常の生物ではありえないリング状につながった腕で高層建築を締め上げ、引き抜いた跡地に産卵する。古くは城や砦が襲われていた。
- 跳ルノ獣(竹内力)
巨大な恐ろしい顔に一本足を持ち跳ね回る獣。記録によるとかつては落ち武者の様な頭部であったが、近年はオールバックの様な頭部をしている。
クソ暑い夏に出現し、万人分の糞便と表現される悪臭を放つ蛸のような獣。♀は言葉をしゃべり、♂は孔雀の羽根の様なヒレを展開して、テンションの高い求愛ダンスを踊る。
- 睨ムノ獣
まるでダチョウのような身体に単眼を持つ獣。自らの頭を鎖分銅のように投げて攻撃する。暗所では眠ってしまう習性を持つ。
- 童ノ獣(神木隆之介)
街中に出現する赤ん坊のような姿の獣。少年のうわごとのような言葉をしゃべるだけで害は比較的少なく、郊外に運ぶだけで寿命が尽きることがわかっている。
- 謎の赤い獣(ミドン)
睨ムノ獣との闘い中に乱入してきた記録にない謎の獣。赤鬼を思わせる身体が傷だらけの恐ろしい姿で手足は小さい。炎を吐き、大日本人の攻撃にカウンターをくらわせるなど格闘能力も高い。
どうも日本産の獣ではないようであるが…
- その他
絡ムノ獣、吠エルノ獣などがいることがわかっている。