「黒船が沈没したか…いい気味だ」
演:相島一之
概要
『仮面ライダーゼロワン』のVシネマ作品「ゼロワン Others 仮面ライダー滅亡迅雷」に登場する政治家。
A.I.M.S.を指揮統括する現職の国防庁長官であり、立場上刃唯阿の上司に当たる。
ZAIAエンタープライズが製造する兵士型ヒューマギア「ソルド」の導入を政府が検討していることについて快く思っていないが、その理由は彼らへの同情や倫理観といったものではなく、「人工知能が人間の真似事などできるわけがない」というスタンスに基づき、人間が使うライダーシステムの導入に価値を見出していることによるもの。
劇中の動向
『仮面ライダー滅亡迅雷』
ZAIAエンタープライズCEOのリオン=アークランドが仕組んだ策謀によって滅亡迅雷.netとZAIAとの戦闘が不可避となった状況下、A.I.M.S.に出撃許可を与えなかったことを隊長の唯阿から電話越しに問いただされる。
政府が導入を検討しているソルドの有用性を探るべく敢えてこの戦闘にA.I.M.S.を介入させない方針であると彼女に伝え、導入されれば人が戦う必要は無くなりライダーシステムが無用の長物になりかねないことを告げた。
なお、こうした防衛方針の大転換を迫られている現状を彼は「黒船襲来」と表現している。
とはいえ、実のところソルド導入には後ろ向きであり、といってZAIA本社のある米国との外交関係を悪くするのも好ましくないため、導入について表向きは賛同しつつも断る口実を探していた、というのが実態だったらしく、その後、リオンが自ら生み出した仮面ライダー滅亡迅雷によって死亡したうえにZAIAエンタープライズジャパンの建物が破壊され、さらにソルド導入もシステムの破綻により絶望的となったことを唯阿から聞かされた際には、上記の台詞とともに安堵した様子を見せている。
そして、リオンが死亡しソルドたちが解放されてなお止まる様子を見せない滅亡迅雷.netをライダーシステムで迎え撃ちこれを倒すよう、唯阿に指示した。
「人間に歯向かうとどうなるか、思い知らせてやれ。刃君、…いや、『バルキリー』…。」
仮面ライダーバルカン&バルキリー
仮面ライダー滅亡迅雷とソルドがA.I.M.S.への襲撃を始めた事を槍玉に挙げてヒューマギアの規制を前提とした「人工知能の運用の見直し」を検討しており、それを巡って唯阿と対立してしまう。
事件解決後に記者会見で人工知能を人間の手で管理する方針を語っていたが、直後にソルド9とソルド20を連れて公の場に現れた唯阿から宣戦布告を告げられた場面でフェードアウトした。
上述の人物像からもわかる通り、人工知能に対する考え方の違いで主人公側と対立こそはしたものの、あくまで国益や民意を考慮した結果であり、相容れない存在であっても敵ではないと言える。
その後に関しては不明であるが、時系列が『バルカン&バルキリー』の後にあたる『ガールズリミックス』で唯阿がA.I.M.S.を続けていた事から、おそらくは下手に唯阿を蹴落としてこちら側の戦力を低下させるより、警戒しつつこのまま現状維持した方が遥かに有益だからという政治的判断で不干渉を決め込んでいると思われる。
余談
演者の相島氏は、『快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー』にて梁上信太を演じていたほか、東映作品では、同作公開に近い時期に放送されていたテレビドラマ『相棒』にて、内閣官房長官・鶴田翁助の役で出演していた。ちなみにこちらも『ゼロワン』本編と同じテレビ朝日系で放送されている。
出番に関しては、主要人物と比較すると少ないため、鑑賞したファンのインパクトに残るように電話をしている際にイライラしながらペンをノックする癖が筧昌也監督の提案で取り入れられた。
関連タグ
仮面ライダーゼロワン ゼロワン_Others_仮面ライダー滅亡迅雷
仮面ライダーアバドン:ある意味ライダーシステムの可能性の1つとも言える。
御堂英之助:こちらも人間至上主義を掲げる人物であるが、人物像が悪役寄りで実質的に人間を捨てた怪物と呼べる。