概要
てんとう虫コミックス20巻及び、藤子・F・不二雄大全集11巻に収録。
宇宙探検さながらの気分を存分に味わえるすごろく。すごろくの箱の端に穴が空いており、プレイヤーがそこへ手を差し込むと、体が小さくなって箱の中に吸い込まれる。箱の中には宇宙の彼方の荒れ果てた惑星のような広大なゲームフィールドが広がっている。プレイヤーは四脚式の乗り物に乗り込み、宙天に浮かぶサイコロをレーザーガンで撃ち、出た目に従って惑星上を進む。すごろくというだけあり、トラップにはまると「1回休み」や「ふりだしにもどる」というペナルティーを受けることもある。あがりに到達すると箱から出られ、元の大きさに戻る。
ストーリー
のび太はしずかに自分ちですごろくをやらないか誘ったが、「もう飽きちゃった」と言われてしまい、更にジャイアンとスネ夫からも「もっと面白いゲームをやっているんだ」と帰るよう追い払われてしまう。帰宅後泣きながらこのことを言うと、ドラえもんは腹を立てながら「面白いすごろくを出してやる」と、「宇宙探検すごろく」を取りだした。
すぐにのび太はしずかを誘いに行き、最初は止めていたジャイアンとスネ夫も彼女に誘われしょうがなく付いて行くこととなった。皆が集まるとのび太は早くすごろくの箱を開けてとドラえもんに頼んだが、これは広げるのではなく中へ入るものだと言い、ジャイアンとスネ夫が「入れるもんか」」とバカにする中まず自身は穴から入って見せ、のび太達も続けて中に入った。
すると中には上記のような空間が広がっていて、一同はカートに乗って山の向こうの星の下の出口を目指すことになり、空中に浮かぶさいころをレーザーガンで撃ってゲームをスタートした。さっそくのび太は2を出し、スネ夫は6を出してリードしたが、その先で沼にはまってしまい1回休みになってしまった。
そしてのび太としずかはそれぞれ6を出して森の前まで進み、真っすぐな近道は森の中に入らなくてはならず、気味が悪かったため遠回りの道を選択。一方ジャイアンとスネ夫はのび太に負けまいと森の中に入ったが、そこで7つの目と大きな口を持った巨大怪獣に脅かされ振りだしに戻ることになった。だが2人は嫌がりカートから降りて走ってゴールを目指した。
だがその頃先にゴールしたのび太としずかは現実世界に戻った際、いつまで経ってもこの2人が戻ってこないことを不思議に思っていて、箱を開けてみるとその中には道に迷って泣きながら助けを求めるジャイアンとスネ夫の姿があった。
アニメにおける原作との主な相違点
大山版は1980年12月15日に、水田版は2016年4月1日にそれぞれ放送されたが、後者は大幅なアレンジがなされているため解説を行う。
1980年版
- サブタイトルが「宇宙たんけんすごろく」に変更
- のび太が泣いて帰ってきた時、ドラえもんは本を読んでいなかった。
- 本編終了後のショートアニメは、転がりながら追いかけて来る巨大なさいころから、ドラえもんが必死に逃げているというものだった。
2016年版
宇宙にて、ナメラという宇宙人が宇宙船に乗って戦艦を撃墜させ、子分のオクトに「宇宙一の破壊王」と賞賛れている一方、野比家には皆が集まりスネ夫はインベーダーゲームに熱心になっていた。だが外は降雨に見舞われ、ゲームの順番を代わってもらえずつまらなく思ったのび太は「宇宙に行きたいな」と発言。するとジャイアンも「宇宙人に会えないか?」と言い出したため、ドラえもんは「未知とのそうぐう機」を取りだしたが、スイッチを入れても何もやってこなかったため、代わりに「宇宙探検すごろく」を取りだした。
さっそくこれをプレイすることになったが、宇宙一の座を巡ってのび太とジャイアンは張り合いになり、もしビリになったらピーマンを丸かじりする約束になってしまった。スネ夫もこれに賛成すると、ようやくプレイすることとなり、ゲーム内のナレーションが内容やコース、宇宙一になった者にメダルを与えると言うと、ドラえもんとしずかは2人のカートに乗り、他の3名は各々のカートに乗ってスタートした。
スネ夫は6を出したことで2を出したのび太ろり先に進むことができたが、沼にはまってしまい1回休むこととなってしまった。一方その頃、未知とのそうぐう機に呼ばれて先ほどのナメラとオクトが野比家ののび太の部屋にやって来ていて、彼らもこのすごろくの中に吸い込まれ、宇宙一という言葉に対抗心を燃やしてこれをプレイすることとなり、さっそく6を出すことができたが、先ほどのスネ夫と同じく沼におちてしまった。
その頃ドラえもん達にも彼らが新たに加わったことが通知されていて、のび太は4を出してラッキーパネルに止まりおやつのドーナツを大量にゲットできたが、6を出したスネ夫は落石に当たって再び1回休みになってしまった。一方ナメラの方も落石で休みになりそうになったが、ビームガンで落石を破壊して先に進み、先にいたジャイアンをスラッグ爆弾で始末しようとしていたが、彼が止まったマスで1曲歌ったため、その歌声に苦しむことに羽目となった。
再びその頃スネ夫はジェット機にカートを運んでもらいのび太の先を越していて、ビックリボムというそのマスに止まった相手を1回休みにできるアイテムを手に入れていて、一方のび太は誰かとペアになるまで止まるマスに止まっていて、後からやってきたナメラ達と「いちまきのうた」を歌って踊ることになったが、怒ったナメラにカートに爆弾を取り付けられるも、はまった沼の水で爆弾がショートし気付かなかったながも救われることとなり、一方ナメラは先ほどスネ夫がのび太にと仕掛けたボムを踏んで1回休みになってしまった。
そしてその先で分かれ道に差し掛かった際、ドラえもんとしずかは遠回りだが安全なコースを選び、一方スネ夫とのび太は危険だが近道なコースを選び、スネ夫は隕石に衝突して3回休みとなったが、慎重に進んだのび太は先にたどり着くことができた。これによりのび太が一番リードしていることになったが、迫ってきたジャイアンと張り合うことになり、ジャイアンは先のパネルで相手を振り出しに戻せる「ふりだし玉」をゲット。だが同時にナメラ達も迫ってきたため彼らにボムを投げつけたが、オクトが吐いた突風に押し戻され自分がこれに当たってしまった。
これにてのび太とナメラ達がゴール張り合うことになり、その先でのび太は落とし穴に落ちて1回休みとなってしまいもうダメかと思われたが、ナメラはおやつにポテトチップスを当てたことで体が縮んでしまい、休みを終えたのび太が見事ゴールにたどり着くことができた。そして現実世界へ戻った一同は、未知とのそうぐう機が起動したままだったのを見て彼らが本物の宇宙人であったことにびっくりしていたが、すごろくの中では縮んだナメラが涙目で「地球人には敵わないよ」と言っていた。