概要
『週刊少年ジャンプ』で連載された石山諒氏の漫画作品『歪のアマルガム』に登場する敵キャラクター。
常に黒いキャップ帽を被った遊び人風の金髪少女だが、その正体は犯罪組織の戦闘用サイボーグである。
初登場話は第8回『零課メンバー全員集合…!!』(単行本第2巻に収録)。
詳細
犯罪組織『賽』の荒事を担当する実働部隊の隊長にして、体内に武器を移植された『内蔵者』と呼ばれるタイプの改造人間。
科学長サラ・ヴェーレンから久佐場六道の生け捕りを命ぜられ、副隊長の森不動と2人で警視庁零課を襲撃した。
口調は横柄で常にやる気なさげに振舞っているが、内心では「大人」と名の付くものや、その大人達が作った現代の世界を激しく憎悪している。
犯罪組織の幹部戦闘員らしく人命を何とも思っておらず、人間爆弾という非道な手段も平気で使い、「きたねえ花火」と吐き捨てる。
一度キレると副隊長たる不動の言葉にも耳を貸さなくなるが、彼の強さは自分以上であるという事実は認めている。
能力
天才科学者たるサラ自身が「手を加えた」と言うだけあり、戦闘能力は高い。
仕込み銃レベルの改造しか施されていない通常の内蔵者とは異なり、彼女は体内に複数の銃器を埋め込まれている。
作中で明確になっているだけでも、両前碗部・両肩・腹部・右目の計6か所に銃を隠し持っている。
また背中には、手術痕のような模様が縦一列に並んでいるが、こちらは詳細不明。
単純な身体能力も常人を遥かに上回っており、六道の目でも捕らえきれないほどの瞬発力と、並はずれたジャンプ力を披露している。
零課課長たる牛頭次郎をして、アマルガムの尾崎京よりも「戦闘慣れしている分厄介」と言わしめている。
なお、まだ左手首の銃しか見せていないにも拘らず、牛頭から「かなり体をいじられている」、黒水影舟から「恐らく移植部位は全身の90%以上」とそれぞれ見抜かれていることから、違いの分かる人間が見れば気付ける何らかの特徴がある模様。
戦闘
牛頭は美姫を相棒の不動より強敵であると読み、六道と黒水を逃がし、単身彼女の相手を引き受ける。
至近距離から体中の銃を連射する美姫だが、彼女を更に上回る牛頭の身のこなしには敵わず、全て最小限の動きで回避される。
それまで見せていなかった右目の銃で不意打ちを狙うも、彼の頬をかすめただけで終わってしまう。
反動で首を痛めるため使用を控えていた攻撃をも避けられたことで、彼女は戦意を喪失。
その場に座り込み、六道らを追っていった不動こそが自分以上の「怪物」であると告げ、牛頭が自分と不動の戦力差を見誤ったことを指摘する。
そこで彼女の出番は終了した。
単行本3巻収録の後日談では、右目の銃を封じるためのアイパッチを付けられ、独房暮らしを送っている。
大人を憎む性格は変わっておらず、次郎では「自由な子供」である兄の一臣に勝てないと毒づいていた。