概要
てんとう虫コミックス5巻及び、藤子・F・不二雄大全集2巻に収録。
ストーリー
少年が今日の新聞を配達にくると、パパは「待ってました」と大喜びで出迎え、さっそく宝くじの当選番号を確認することにし、服のポケットなどを探すも宝くじは全く見つからなかった。するとママが今まで外れた分の述べ5万円分のくじを広げて、もう宝くじは買わないと硬く約束して欲しいとこっぴどく行って来たため、パパも「だから今度は買わなかったんだ」と弁解し始めた。
これを見ていたドラえもんとのび太は外れくじを見て「もったいない」と途方に暮れるも、めったに当たるもんじゃないからと、潔く諦めることにした。だがドラえもんが「初めから当たりが分かっていれば別だけど」と言ったため、これでのび太がタイムマシンを使い、売り出し日まで戻って宝くじを買いに行こうとしたし出してしまった。
ドラえもんは慌てて止めに入り、タイムマシンを金儲けの目的で使用することは法律で禁止されていることを説明するも、のび太から可哀そうなパパのために今まで使った五万円分だけを取り戻そうと説得されてしまう。そしてタイムマシンで2週間前にタイムスリップし、宝くじ屋に向かうとそこには既に客が来ていて、のび太はこの客たちをよくばり呼ばわりしたが、ドラえもんは「自分も欲張りのくせに」と突っ込む。
だがのび太が買おうとした5万円のくじは既になく、その他の10万円や50万円のもの同じく既に無くなっていたため、のび太は「この店空くじばっかりだ」と文句を言い出した。しかしその時ドラえもんは一等の番号が書かれたくじを目にし、のび太と共に感極まってパニックになるが、ドラえもんが即決で買うことになるも代金の100円を持っていなかったので、店主に怒鳴られてしまった。
急いで現在に戻った2人はパパに100円を要求し、「小遣いもらうのに威張る奴があるか」と文句を言われながらも、もうらと即急で2週間前にタイムスリップした。だがその時にはたった今目当てのくじが売れたばかりで、ドラえもんは悔し涙をながすが、のび太から「くじなんかで儲けようと思うのが間違ってたんだ」と言われ、2人共お金は働いて手に入れるものだという考えに行きつき、一足遅かったんだと、きじのことはきっぱりと諦めることにした。
だがこれでのび太が「一足早ければいいんだ」また閃いてタイムマシンで再びタイムスリップすると、そこには宝くじを買うパパがいて、しかもその買っていたくじが一等の番号の物だったため、2人はどら焼き100個や、自転車、望遠鏡、カメラなどが買えると大はしゃぎしだした。更にママも最初はパパの真似をして無駄遣いしてはいけないと注意していたが、このことを聞くとパパに真珠のネックレスや新車、海外旅行をねだり出す始末だった。
これに訳が分からず慌てるパパだったが、宝くじを実は買っていたことを言われると、照れくさそうにそのことを認めたが、買った後に約束を思い出して友達に売ってしまったとことも白状した。これを聞いた3人は途端に顔色を変えてパパにそっぽを向き、パパも「約束を守ったのに、怒るとはどういうことだ!」とその理不尽さに納得がいかず怒るのだった。
アニメにおける原作との主な相違点
大山版は1979年12月25日に、水田版は2012年12月31日と2024年5月25日にそれぞれ放送している。
1979年版
- 宝くじ屋の男性がのび太に「この店空くじばっかりだ」と言われて文句を言う描写や、お金を忘れて来たドラえもん達を怒鳴る描写はカットされている。
- 本編終了後のショートアニメは、ドラえもんが大量の硬貨に埋もれるのを想像しながら宝くじの番号を新聞で確認したが、外れだったので怒って宝くじを破り捨てるというもの。
2012年版
- サブタイトルが「宝くじ3億円大当たり!」に変更。これによりパパが買った宝くじの一等の金額も3億円になっている。
- 野比家に新聞を配達して来たのは配達員の青年で、バイクに乗って来ていた。
- ママはパパにしたお説教は長かったので途中から早送りされていて、廊下には出ていない。
- のび太がタイムマシンを使うことを閃いたり、ドラえもんがそれを止めたりする一連の下りは居間でやっている。
- ドラえもん達はボタンの押し間違いで夕暮れ時にタイムスリップしている。
- 宝くじ屋の男性はやせ型になっていて、屋根付きの店でくじを売っていた。また一等のくじを見たドラえもんは「どら焼きが100個買える!」と興奮状態になっていて、同じく興奮状態になったのび太とその場を走り回っている。ちなみにくじの代金は300円になっている。
- くじを買えなくて悔しがっていたのはのび太で、諦めようと言ったのはドラえもんになっている。そしてドラえもんがこう言った理由はお金は額に汗して働いて稼ぐものだという考えに至ったからだった。
- ドラえもん達は再びタイムスリップしてきた際、お金が余っていることを理由に、運試しのつもりでスネ夫が母親と一緒に宝くじを買う場面を目撃している。そしてのび太は買わせるものかと止めに行こうとしたが、その時足を滑らせて100円を落としてしまい、転がったこれをドラえもんが追いかけて拾おうとしたが、その時ネズミが出て来たため電柱に逃げてしまった。そこにのび太が止めに入ろうとしたが、母親が「これ以上お金が増えすぎると困る」と考え直したため、スネ夫も買うのを止めた。
- だがのび太が買おうとした時、横から太った女性が入って来て宝くじを買おうとし、それに同調して他にも女性がやって来てくじを買って行った。だがのび太が買おうとした番号のは残っていて、のび太は買おうとしたが考え直したドラえもんが止めたため、泣きながらのび太はドラえもんにひきずるられてその場を離れることになった。だがせめて買った人を確かめようと遠くから見ていたところ、パパが買っていたのを目撃した。
- 3億円に期待したのび太が買ってもらおうとした中にはカップラーメンも入っていて、ママは段ボール箱を持って部屋の前を通りかかり、パパのように無駄遣いしたらダメと注意したところ、3億円当たったことを聞かされた。ちなみにママが欲しがった物はダイヤの指輪や新しい家、海外旅行などだった。
- パパは宝くじを友達に売ったのではなく、募金を呼び掛けていた男女の学生に100円と一緒におまけとして渡していた。そしてママの言う通り汗水たらして働かないとなと言ったが、ドラえもん達はショックで倒れてしまい、パパもこの様子にきょとんとしているだけだった。
2024年版
- 新聞を配達して来た青年は、2012年版と同じくバイクに乗ってやって来た。
- パパがい今までに宝くじに費やし無駄にした金額は10万円だった。一方この時ドラえもんとのび太は、今日はや「ゴロゴロコミックの発売日なのに」「どら焼きのだってのに」と、手持ちの現金が27円しかないことにため息をついていた。ちなみに一等のくじは6000万円になっていた。
- 2012年版の時のようにスネ夫が親と一緒に登場していたが、今回は父親と来ていた。だが家に宝くじを買う人を見物しただけで帰って行った。ちなみにこの後「そもそも僕なんてパパの子供ってだけで、もう宝くじに当たったようなもんだよね」と自慢げに笑っていた。
- 先述の件により、のび太が最初に言った番号のくじの金額は10万円になっていて、これに続いて行った番号のくじの金額は100万円、500万円、1000万円に変更されている。ちなみにこの宝くじ屋は2012年版と同じく屋根付きの店でくじを売っていて、くじは2023年放送の「みこみ予ほう機」と同じものだった。
- ドラえもんとのび太は、パパに小遣いを渡すよう迫った際、2人はかなり邪悪で威圧的な見た目になっていた。
- ドラえもんとのび太が少し前にタイムスリップした際、しずかやジャイアンとすれ違って声をかけられたが、今それどころじゃないと猛スピードで突っ切った。また、くじを買ったのがパパだと分かった際2人は手を取り合ったり、紙吹雪を巻いたりして喜んでいた。
- ママが驚いた時の叫び声が「ロクセンマンエン?」になっていた。
- パパは買った宝くじを友達に譲っただけで、この時両手を出して、かなり自信満々に言っている。そしてラストでは、怒った3人に外に締め出されてしまった。