概要
1993年に、老朽化した3100形と5700形を置き換えるために、9編成(18両)が導入された。
元京王電鉄5000系を譲り受けたもので、京王重機整備にて改造を行った。
基本的に第13編成以降の先頭電動車(カルダン駆動車)を2両編成化しているが、1編成(1208F)のみクハを電装化した。
現在、観光列車富士登山電車用の1編成のみが残るが定期運用がない状況。
仕様
京王電鉄5000系は軌間が異なるため、営団地下鉄3000系の台車に交換している。
冷房装置は当初はそのままだったが、晩年別の冷房装置に交換した編成もある。
パンタグラフも菱形だったが、後にシングルアーム式に変更された。
また、寒冷地仕様として、ドアボタンを設置。
1000形
ロングシート車両で2編成が導入された。
1001Fは連結部の通路もオリジナルの広いタイプ。
1200形
2人掛けのロングシートと、転換クロスシートに改造した車両で7編成が導入された。
連結部の通路は狭い一般的なタイプに変更。
1206F~1208Fの3編成は、特急ふじやま号仕様として、ヘッドレスカバーやテレビなどを搭載。
富士登山電車
1205Fを改造した観光電車。
水戸岡鋭治氏によるデザインに変更されており、2扉に改造された。
詳しくは当該ページ参照。
編成表
編成 | 塗装 | 車内 | 冷房 | 導入 | 引退 | 備考 | 京王時代 |
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1001F | 京王色 | ロング | 集中 | 1994年2月4日 | 2024年12月15日 | 飲食店登録車、元ツートン色 | 5113+5863 |
1002F | 富士急 | ロング | 分散 | 1995年7月20日 | 2013年1月 | 5122+5872 | |
1201F | マッターホルン号 | 転換 | 集中 | 1994年2月4日 | 2019年2月14日 | 5115+5865 | |
1202F | 富士急旧標準 | 転換 | 集中 | 1994年7月23日 | 2020年10月28日 | 5116+5866 | |
1203F | 富士急 | 転換 | 集中 | 1994年8月8日 | 2011年3月31日 | 5117+5867 | |
1205F | 富士登山電車 | 観光 | 集中 | 1994年11月2日 | 初代マッターホルン号 | 5118+5868 | |
1206F | 富士急 | 特急 | 集中 | 1995年7月20日 | 2018年4月 | 岳南電車へ譲渡 | 5124+5874 |
1207F | エヴァQラッピング | 特急 | 分散 | 1995年10月27日 | 2013年2月 | 5123+5873 | |
1208F | 富士急 | 特急 | 集中 | 1996年7月24日 | 2011年12月 | 5720+5770 |
※1204Fは、『4』を車番に使用しない富士急行の方針から欠番
退役
老朽化と、国が推進していたインパウンドによる外国人観光客の増加に対応するため、JR東日本205系を改造した6000系を2011年より導入し、1000系を置き換えている。
2024年12月現在、1205F(富士登山電車)の1編成が残るが、専用運用の富士登山電車が2020年より(新型コロナウイルス感染拡大のため)運休しているため、定期運用がない状態が続いている。
2024年は団体臨時列車の他、1001Fが引退するまでは、同編成の増結車(特別料金無し)として使われていた。
譲渡
1206Fは2018年に子会社である岳南電車に譲渡され、9000形として活躍している。
1202Fの部品は、富士急ハイランドリゾートホテルの『富士急行線ルーム』の備品として展示・使用される。(参照)
余談
1203Fを除く8編成は、トミーテックが発売する鉄道コレクションとして鉄道模型化されている。
また、通常色(全形態作り分け可能)、リバイバル色(1202F)、京王色(1001F)がBトレインショーティー化している。