概要
富士山麓電気鉄道が運行している特急列車。
富士山麓電気鉄道の前身である富士急行時代の2002年2月28日に運行開始。
JRから乗り入れる富士回遊とは異なり、自社線内のみの運行となる。
かつては通勤車両(1000系)を使用したふじやま号を運行されていたが、世界的な観光地である富士北麓地域を訪れる方々に“移動中の車内からも富士山の美しさ・雄大さをゆったりと堪能してもらいたい”との思いから新たな特急列車を設定することになった。
当初は2編成体制で運行していたが、2016年には車両更新により1編成での運行となり、運用の半分を富士山ビュー特急に差し替えられた(後述)。
車両
2000系(引退)
初代車両。
特急運用で使用できそうな車両を富士急行が探した結果、2001年8月にJR東日本において運行を終了した165系「パノラマエクスプレスアルプス」に着目。JRとの交渉の末に新たな特急にふさわしい種車として選定され、購入後に改造工事ののち富士急行2000系として活躍することになった。
車内設備は特に変更はなかったが、塗装はホワイトをベースに「フジサンキャラ」101種を2編成に分けて(※ただしフジサンクンのみ2編成両方にいる)ラッピングするという、かなり独特な外見となった。
「パノラマエクスプレスアルプス」時代は、基本的に3両編成2本を繋いだ6両編成で運用されていたのに対し、富士急行では3両×2編成の使用となり、以前使われる機会が少なかった貫通型先頭車が日常的に顔を出すようになった。また方向転換は行わなかったので、2編成は車両の向きが違っていた。(画像左の2001編成は展望車が富士山駅方、画像右の2002編成は展望車が大月駅方を向いていた。)
しかし種車がJRの165系であった関係上、走行機器の老朽化が進んでおり、導入から12年より別の中古車両への置き換えを開始。
2002編成が2014年2月10日(当初は9日の予定だったが、記録的大雪でラストランが中止、翌日廃車回送を兼ねて大月駅→河口湖駅を走行)に運行を終了、この際に車体色をパノラマエクスプレスアルプス色に復刻ししている。残る2001編成は2016年2月7日運行終了、こちらはフジサンキャラ(1号車前面のフジニッコリ、1号車側面のフジサンクン、3号車前面のフジポッポ)がそれぞれ号泣するさよなら装飾がなされた。
その後2001編成の先頭車・クロ2001号車が下吉田駅に静態保存されている。
8000系
引退する2002編成の後継車両として同時期に引退の計画があった小田急電鉄の20000形「RSE」を選定、1編成導入することになった。20000形第2編成を改造種車とし、日本車輌製造で7両編成から3両編成への編成短縮&中間車のバリアフリー対応改造(車体の一部を低床化)などの大掛かりな改修工事を実施したのち、2014年7月12日に富士急行8000系として運用を開始。現在も活躍中である。
車体塗装は2000系のデザインを引き継いだが、新キャラを加えた151種から選挙によって車体に貼るキャラを選択。1号車は指定席車両として改造されており、3列シート化の他、運転席後ろがミニラウンジ(画像参照)になっている。
なお、2001編成の代替車はJR東海371系改造の富士急行8500系「富士山ビュー特急」(2016年4月23日運用開始)となり、「フジサン特急」の編成は減少している。
ちなみに、RSE車と371系はかつて特急あさぎり号として小田急からJR東海の御殿場線に乗り入れる特急列車の運用で使用されていたコンビで、数年ぶりに富士急行で再会したこととなる。
停車駅・特急料金など
- 停車駅:大月駅-都留文科大学前駅-下吉田駅-富士山駅-富士急ハイランド駅-河口湖駅
- 列車は3両編成で、1号車は指定席、2号車と3号車は自由席。自由席は特急料金(+運賃)で乗車可能。指定席はさらに指定席券200円が加算される。(2023年3月17日まで)
- COVID-19感染拡大による需要減を受け、2020年4月より一旦フジサン特急の運用を全て取り止め。2022年3月12日より、土休日ダイヤに限り運行再開。
- 2023年3月18日のダイヤ改正より、平日1往復の運転を再開。(土日は引き続き2往復。)また、2号車を指定席化。1号車と2号車が指定席、3号車が自由席に変更された。また指定席券はインターネット予約での事前決済の購入が基本となり、駅窓口では空席時のみの販売となる。